『千と千尋の神隠し』(以下、『千と千尋』)が、1月2日に『金曜ロードショー』で放送されました。
ジブリ映画といえばグルメ描写に目を引かれることが多くありますが、中には「いったいあれは何を食べているんだ?」と思ってしまうものも……。
『千と千尋』の序盤で千尋の両親が店の料理を暴飲暴食するシーンでは、彼女のお父さんがブヨブヨとしたモノを食べていましたが、実は肉にも見えなくもないあの謎の食べ物は「意外な生き物の肉」だったのです。
◆「あの謎肉」の正体は斜め上を行くモノだった!
千尋の両親が店のものを食べだしてしまうシーンには、見慣れたものもあれば中には得体のしれないものも登場しています。そんな食事シーンを手がけたのが米林宏昌さん。
米林さんは、今となっては『借りぐらしのアリエッティ』や『メアリと魔女の花』の監督としても知られるスタジオジブリ出身のアニメーターです。
その米林さんが、2020年にスタジオジブリの作品のスクリーンショットが一挙に無料提供されたのに合わせて、2020年9月19日に自身のTwitter(現X)アカウントで、食事シーンの原画を自分が手がけことをツイートしていました。

<米林宏昌さんのX(@MaroYonebayashi)より>
それに加えて、ちょっとしたネタとして、お父さんが食べている「ブヨブヨした食べ物」の正体について明かしています。
あのブヨブヨした食べ物──その正体はなんと「シーラカンスの胃袋」だったのです。
米林さんによれば絵コンテに書いてあったとのことですが、2001年10月に徳間書店から出版された『スタジオジブリ絵コンテ全集13 千と千尋の神隠し』には残念ながらそういった記述はないと同時に語っています。

<米林宏昌さんのX(@MaroYonebayashi)より>
そういった指摘があったのか、のちに絵コンテではなく宮崎駿監督が描いたレイアウトなのかもしれないなど、具体的な記載元は結局不明なままでしたが、描いた本人がかつてを振り返ってのことだったので、どこかに記載されていたのは確かなのでしょう。
やけに弾力性のある肉だった印象が強いですが、原画よりは3倍くらいプルンプルンに修正されたということで意図的にあの弾力性で描かれているようです。
──それにしてもシーラカンスが食用されているというのもさすが不思議なトンネルの向こう側の世界です。
現生している唯一のシーラカンスであるラティメリアについては絶滅寸前の生物としてなかなか食べるのは難しいですが、食べたことのある人の感想はあまり食用に向かないという評価が多いようです。
〈文/ネジムラ89〉
《ネジムラ89》
アニメ映画ライター。『FILMAGA』、『めるも』、『リアルサウンド映画部』、『映画ひとっとび』、『ムービーナーズ』など現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。映画『ミューン 月の守護者の伝説』や映画『ユニコーン・ウォーズ』のパンフレットにライナーノーツを寄稿するなどその活動は多岐にわたる。noteでは『アニメ映画ラブレターマガジン』を配信中。X(旧Twitter)⇒@nejimakikoibumi
※サムネイル画像:スタジオジブリ公式Webサイトより 『「千と千尋の神隠し」場面写真 (C) 2001 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NDDTM』




