ラッコには周りに秘密にしていることがあります。それは甘いものが大好きとということ。ラッコは甘いものを口にするたびに、とろけたかわいい表情を見せてくれます。
ちいかわやハチワレだけではなくグレーの子たちもラッコに強い憧れを抱いているため、イメージを壊したくなかったりがっかりさせたくない気持ちであったり、大切にしているからこそ知られたくないという想いががあるのかもしれません。
◆一服とは……とろけるほど甘いものッ!
ラッコに憧れを抱くグレーの子たちが「上位ランカーだ……ッ!」と見守る中、隙を見せないようなキリッとした表情で周りを気にすることなく歩くラッコ。少し距離を取ってラッコを眺めているグレーの子たちからは邪魔にならないような気遣いであったり、憧れゆえに簡単に近づけない気持ちが感じ取れます。
討伐後、たくさんの報酬が入った大きな袋を肩に担いだラッコ。足を進めた先にはとある喫茶店がありました。そしてラッコは迷うことなく「していくか、一服……」と言います。鈴の音を鳴らしながら喫茶店の扉を開くと、キリッとした表情を崩さずにいつものキリッとした表情を見せながら喫茶店へと足を進めるラッコ。
ラッコの行きつけの喫茶店なのかもしれません。オロオロする様子を見せることなくカウンター席に足を進め、討伐で得た報酬をドサッと置いて隣に腰を下ろすと「いつものッ」と言って何かを注文します。
すると、ラッコの前に出てきたものは……いちごがたくさん乗ったかわいくて大きなパフェだったのです。普段はかっこいい振る舞いをしていることで周りに見せることがないものの、何度も食べてしまうほど甘いものが大好きなラッコ。
スプーンを手に取っては大きくてかわいいパフェを「はむッ」と勢いよく口に含むと……口の中いっぱいに広がるおいしさに満たされることを伝えるかのように、自分のほっぺに手を添えるとむにむにと、とろけているかわいい表情を見せてくれました。周りからはカッコいいラッコを求められていることもあり、一人のときは安心感を抱き、甘いものを目の前にするととろける表情になってしまうのかもしれません。
◆マシュマロピザだと想像するものの……
力強い背中を見せながら岩に腰をかけて何をしているのかと思いきや……ラッコは「ホットココア生クリームチョコソースがけ」を手にしていました。名前を聞くだけで十分な甘さが感じられてしまい、口にしたラッコの表情がとろけてしまうことも納得できてしまうでしょう。
外であるものの周りにはラッコに憧れるちいかわやハチワレ、グレーの子たちがいないため、かわいいラッコを誰かに見られる心配がありません。ゆえに気を緩めることができていつものキリッとした表情ではなく、ホッとした表情をしてはラッコの落ち着く瞬間となっているのでしょう。
そんなラッコが癒されている中……空に浮かぶ何かを発見します。ラッコが「ホットココア生クリームチョコソースがけ」を口にしていたこともあり、空に浮いている大きなものが「マシュマロピザ」かもしれないという想像を膨らませ、迷うことなく浮かんでいるピザのようなものを地面へと落としましたが、「ピザ……生地だけだッ……」と、生地だけだったことにしょんぼりしてしまいます。
大好きな甘いものを想像していたこともあり、強く期待していただけにがっかりの気持ちが大きくなってしまったのかもしれません。普段ちいかわやハチワレ、グレーの子たちに見せている姿とは違って、甘いものに一喜一憂してしまうラッコに愛おしさを抱いてしまいます。
◆甘いものには目がないラッコ
隙を作らないようなキリッとした表情をして、グレーの子たちに見守られながらどこかに向かうラッコ。すると、急にラッコの顔に向かって何かチラシのようなものが飛んできます。
マジマジと飛んできたチラシを見てみると「こ、これはッ!」と、ラッコに大きな衝撃を感じさせるかのような内容だったのです。マントをひる返しながら「行かなければッ……!」と言って少し早足になりながら来た道を戻り、慌てて自分の車に乗り込みます。
車に乗り込んで「よしッ!」と呟いて改めて飛んできたチラシを見ていると……ラッコを夢中にさせてしまう「むちゃうまスイーツ」のチラシだったのです。そのため、甘いものが大好きなラッコに衝撃を感じさせるには十分な内容でした。スイーツを求めて「待ってろッ!」と気合いを入れると、トコトコとかわいい車を走らせます。
むちゃうマーケットへたどり着き、無事に求めていたスイーツを両手いっぱいにかわいい表情をして戻ってきたラッコ。ですが……スイーツを求める気持ちが強くなりすぎてしまい、乗ってきた車をどこに停めたのか分からなくなってしまったのでした。
大きくて広いむちゃうマーケット地下駐車場を眺めながら「わからなくなったッ……、どこに停めたか……」と、眉間にシワを寄せて困ってしまいます。戦利品であるたくさんのスイーツを両手に持ったまま、あっちこっちと息を切らしながら自分の車を探し回るラッコ。
たくさん探し回ってようやく自分の車と再会すると、嬉しさのあまり思わず「あったッ!!」と、むちゃうマーケット地下駐車場で大きな声をあげてしまったのでした。荒くなっていた息を整えると車を見つけることができた安心感から、瞳をうるうるさせたかわいい表情を見せてくれました。
普段の隙がない姿からは想像できないようなかわいいすぎるラッコに、どんな敵にも立ち向かう強いことを知っていても「守ってあげたい!」という気持ちを抱かずにはいられなくなってしまうはずです。
──どんな敵にも自ら進んで立ち向かう強さを持っており、上位ランカーゆえにちいかわやハチワレ、グレーの子たちから憧れるヒーローのような存在のラッコ。自分がどのように見られているのかを分かっているため「イメージを崩してはいけないッ!」となかなか本当の自分を出せなかったり、甘いものが好きということを大切にしているために隠してしまうのかもしれません。
ですが、どんなときも強くてかっこいいラッコが実は、とても甘いもの好きでとろける表情をしてしまうことを知ると、どんな子もますますラッコに夢中になってしまうかもしれません。
〈文/柳瀬蓮 @_prince0807_〉
元キャバ嬢ライター。脚本、エッセイ、アニメ以外では主にスピリチュアルや恋愛について、さまざまなメディアで執筆中。赤髪やピアスで派手な見た目をしているものの中身はふわふわしている人。誰かを傷つけてしまわないような記事を心がけています◎。10年の夜職経験を生かし『アニギャラ☆REW』では「アニメで学ぶ恋愛術」を連載中。