モモンガは周りにいるグレーの子たちよりも「自分が一番かわいいッ!」と思っていることもあり、自分の魅せかたをしっかりと分かっています。

 そのため、周りにいるグレーの子たちや労働の鎧さんの気を引こうと、あえてかわいい振る舞いをしているモモンガ。ですが、時に自然なかわいい姿を魅せられるように「ちょっとかわいこぶれたかもッ」などと、一人でいるときには魅せ方を練習していることがあります。

 いつも自分の魅力を考えているモモンガですが、アピールする方法は笑顔やかわいさだけを振り撒いているわけではありません。わがままやかわいい笑顔を魅せることと同じように、涙を流して自分のかわいさをアピールすることがあり、そんなモモンガに思わず守ってあげたいという気持ちを抱いてしまう人も多いでしょう。

◆労働の鎧さんに「しかってみろッ」と邪魔をするモモンガ

 仕事中の労働の鎧さんの前に現れたモモンガは、眉間にシワを寄せてキリッとした表情を見せながら自分に指を差し「おい、しかってみろッ」とワガママを言います。

 急なモモンガからの叱ってほしいといったお願いに労働の鎧さんも驚いてしまい「はぁ?」と、言葉をもらしてしまったのでした。労働の鎧さんの戸惑いを特に気にしないモモンガは何度も「しかれッ」と言ってお願いするものの、当然何も悪いことをしていないモモンガを叱ることはできないため、ていねいに断る労働の鎧さん。

 ですが、自分が一番と思っていたり構ってちゃんなモモンガは、相手がどんなことも聞いてくれると思っているのかもしれません。労働の鎧さんが「悪いことをしていないのに叱れませんわ」と言ってもめげることなく、何度も叱ってくれることを頼みます。

 労働の鎧さんはモモンガを叱ることなく意識を仕事へ向けると、なかなか言うことを聞いてもらえないモモンガはイライラしてしまったのかもしれません。先ほどよりも少し強めに怒鳴るかのように「しかれッ」と、何度も労働の鎧さんに伝えるモモンガ。

 あまりにもしつこいモモンガに優しい労働の鎧さんであっても、少し面倒であったり仕事の邪魔だと感じてしまったのでしょう。少し考える様子を見せる労働の鎧さんを一押しだと思ってしまったモモンガは、少し潤んだ瞳を見せて待っているモモンガに「コラッ」と言って労働の鎧さんは叱ります。

 すると、小さな子がおもちゃを買ってもらえないときのように地面に寝転がっては「うわァァ〜んッ」と、モモンガは大泣きしてしまったのでした。しばらく泣き続けると泣き顔を周りにアピールできたことを満足とでも言うように、いつものかわいい顔を見せながら「てぇーッ!」と言って立ち去るモモンガ。

 たとえ嘘泣きであったとしてもモモンガの涙を見てしまうと「守ってあげたい!」といった強い想いを抱かずにはいられないでしょう。

◆たくさんの涙を流しながら「えんぶぅ」と泣くモモンガ

 あごに手をそえてキリッとした表情を見せながら「静かに泣くか……」と言うとモモンガの周りには誰もいないものの、頑張って涙を出そうとぷるぷる震えながら「えんぶぅー」と泣きマネを始めます。

 すると、モモンガが涙を流すタイミングをはかっていたかのように労働の鎧さんが現れると、これまで見せたことのないようなたくさんの涙を流すモモンガ。何かの作業中であったものの、偶然通りかかった労働の鎧さんは急に泣き始めたモモンガのことが気になってしまったのかもしれません。

 両手がふさがっている状態であるものの、近くで足を止めるとモモンガの泣き声に疑問を感じてしまったのか「演舞……?」と、思わず声がもれてしまった労働の鎧さん。すると、たくさんの涙を流しながら立ち止まった労働の鎧さんに「この最大ッ限下がった耳と大ッ粒の涙ッ」と言って、モモンガは自分に指を差しながらていねいに解説をしてくれました。

 労働の鎧さんは何かの作業中だったこともあり「解説……多ッ」と、一言だけ呟くとモモンガの元から離れてしまったのです。いつもだったらモモンガもわがままを言って労働の鎧さんを引き止めて、無理に付き合わせてしまうもの。ですが、立ち去る労働の鎧さんを引き止めずに見送るモモンガを見ていると、ただあふれる涙をアピールしたかったのかもしれません。

 そんな立ち去る労働の鎧さんの背中に向かって「こぼれ落ちる瞬間を……見届けろッ!」と言ってたくさんの涙を流しながら訴えるモモンガに、嘘泣きであったとしても思わずぎゅっと抱きしめたくなるでしょう。

◆「ぴゃッ」とびっくりするモモンガがかわいい

 腰に手を当てて一人でたたずみながら「デカい声にびっくりして泣くか……」と言うと、近くにいた労働の鎧さんに「デカい声を出せッ!」と無理なお願いをするモモンガ。

 そんな声に近くにモモンガがいたことに気づいていなかったのか思わず労働の鎧さんは「ゲッ……!」と、どこか嫌そうな声をこぼしてしまいます。面倒だと思いながらもいつもモモンガを気にかけてくれたり構ってくれたりと優しいこともあり「わッ!」と、モモンガのお願いを拒否することなく労働の鎧さんは大声を出してくれたのでした。

 すると、労働の鎧さんの声から数秒遅れて「……わッ!」と、モモンガはかわいい反応を見せてくれました。瞳にたくさんの涙を溜めながら「この状況を把握しきれない顔を見ろッ」と言って伝えるものの、反応に困ったような声をこぼしてしまう労働の鎧さん。

 モモンガの思っていたような反応ではなかったのか、もっと労働の鎧さんに構ってほしい気持ちをアピールしていたのか「わァッ、うわぁンッ……」と、モモンガは赤ちゃんのように体をジタバタさせながら泣いてしまいます。

 こうしてジタバタと泣きわめくモモンガの姿に「もういいでしょッ」といった気持ちを抱いてしまったのかもしれません。労働の鎧さんは泣いているモモンガをそれほど気にする様子もなく、泣いているモモンガを放置して立ち去ってしまうのでした。そんな泣いているのにもかかわらず放置されてしまうモモンガに愛おしさを感じてしまうでしょう。

◆労働の鎧さんで「チッチッチッ」と遊ぶモモンガ

 切り株に膝を抱えて座りこんでいる姿のモモンガを見つけた労働の鎧さんは「珍しく大人しいなッ」と、思わず声をかけてしまいます。

 いつもモモンガは自分から構ってちゃんな部分を出しては、無理に何かをお願いしたり大声で叫んで労働の鎧さんやグレーの子たちに絡んでしまうため、膝を抱えてポツンと切り株に座っているモモンガのことが心配になってしまったのかもしれません。

 そんな労働の鎧さんの声かけに返事をするように「回り込んでみろ……」と、何かが起こったような声音で労働の鎧さんに告げると……かわいい瞳をうるうるとさせながら「このせっつない顔で何を考えてるか当ててみろッ」と、少し無茶な問題を出してしまうモモンガ。

 いつもモモンガのことを気にかけてくれる心優しい労働の鎧さんゆえに、どんなときであっても拒否することなく「天気のこと?」と言って、無茶なモモンガのクイズにも付き合ってくれるのです。ですが、労働の鎧さんの答えはハズレてしまったようで「チッチッチッ」と、モモンガに言われてしまいます。

 モモンガは構ってちゃんなこともあり、もちろん一度答えたからと言っても諦めてくれません。そのため「早く次ッ!」と、次の答えを急かされてしまう労働の鎧さん。モモンガに声をかけたことを後悔しているような少し面倒に感じながらも労働の鎧さんは「あー……食べ物ですかね」と、求められるまま適当に答えてしまいます。

 すると、またしても違っていたようでまたしても指を掲げながら「チッチッチッ」とするモモンガですが、先ほどよりもスピードをゆっくりしてしまい「ゆっくりやるなッ」と、労働の鎧さんに突っ込まれては「てーッ!」と言いながら逃げてしまうモモンガでした。

 

 ──自分のことをかわいいと心から信じているモモンガ。ゆえにどんなときにキラキラの笑顔であったり涙を見せるべきなのか、誰にどの表情を見せるべきなのかなど、自分のことをきちんと分かっているのかもしれません。

 そのため、グレーの子たちには大声や体当たりをしてアピールすることが多く、労働の鎧さんには涙アピールしてしまうのかもしれません。そんなあざといモモンガを目にすると、嘘泣きであったとしても守りたくなってしまうでしょう。

《柳瀬蓮》

元キャバ嬢ライター。脚本、エッセイ、アニメ以外では主にスピリチュアルや恋愛について、さまざまなメディアで執筆中。赤髪やピアスで派手な見た目をしているものの中身はふわふわしている人。誰かを傷つけてしまわないような記事を心がけています◎。10年の夜職経験を生かし『アニギャラ☆REW』では「アニメで学ぶ恋愛術」を連載中。

 

※サムネイル画像:Amazonより

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