『ドラゴンクエストVII Reimagined(リイマジンド)』が2月5日に発売されますが、『ドラゴンクエスト』(以下、『ドラクエ』)を漫画化したのが『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』(以下、『ダイの大冒険』)。そんな『ダイの大冒険』ですが、実はもともと『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』(以下、『ドラクエⅣ』)のバックアップ企画だったといいます。
◆堀井雄二氏のひと言が決め手となった『ダイの大冒険』
『ダイの大冒険』が生み出された経緯について、原作者の三条陸氏が2023年5月に発売された『三条陸 HERO WORKS』(出版社:集英社)のインタビューで明かしています。三条氏によると、もともと『ダイの大冒険』は『ドラクエⅣ』の発売が見えてきた時期に立ち上がった3つのプロジェクトの一つだったそうです。
プロジェクトは『ドラクエⅣ』のアニメ化、カードダス化、そして最も小さなプロジェクトとして『週刊少年ジャンプ』に“読み切り”を掲載する漫画化企画だったといいます。三条氏はライター時代から『ドラクエ』の生みの親の堀井雄二氏の後輩として親交があり、その事実を知ったジャンプ編集者の鳥嶋和彦氏に漫画化の原作を任されることになったといいます。
『ダイの大冒険』が当初は連載企画ですらなく、漫画版『ドラクエⅣ』になる予定だったことは驚きの事実でしょう。
しかし、当時の堀井氏は単純なゲームのコミカライズ化に疑問を持っていたようで、漫画の特性を活かしたオリジナルの物語を望んでいたそうです。
そして原作が三条氏に決まったことで、堀井氏から「三条くんなら自由にやっていいよ」と許しを得たといいます。堀井氏のこのひと言があったからこそ、私たちの知る『ダイの大冒険』が生み出されたのです。
──『ダイの大冒険』は、確かに『ドラクエ』の世界観をもとにしていましたが、その作風は完全にオリジナルであり、あくまでも「ジャンプ漫画」でした。『ダイの大冒険』が生み出されたのは、堀井氏の懐の広さ、鳥嶋氏の先見の明、そして三条氏のクリエイト力の3つの要素が混ざり合ったある種の奇跡だったのかもしれません。
〈文/fuku_yoshi〉
《fuku_yoshi》
出版社2社で10年勤め上げた元編集者。男性向けライフスタイル誌やムックを中心に、漫画編集者としても経験を積む。その後独立しフリーライターに。現在は、映画やアニメといったサブカルチャーを中心に記事を執筆する。YouTubeなどの動画投稿サイトで漫画やアニメを扱うチャンネルのシナリオ作成にも協力し、20本以上の再生回数100万回超えの動画作りに貢献。漫画考察の記事では、元編集者の視点を交えながら論理的な繋がりで考察するのが強み。最近では、趣味で小説にも挑戦中。X(旧Twitter)⇒@fukuyoshi5
※サムネイル画像:Amazonより 『「ドラゴンクエスト ダイの大冒険 オフィシャルファンブック」(出版社:集英社)』



