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<この記事にはTVアニメ・原作漫画『ダンダダン』のネタバレが登場します。ご注意ください。>

 多くの漫画で主役級の登場人物たちにはきちんと過去が描かれています。なぜかというと、主人公たちの行動理念に関わるエピソードが秘められているケースが多いからです。しかし、『ダンダダン』では主人公たちの過去はほぼ描かれていません。このほかにも、主要メンバーたちには多くの謎が残されています。

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◆モモの両親がいない本当の理由

 家族にまつわる話が多い『ダンダダン』。しかし、主人公の綾瀬桃(以下、モモ)は第1話で「両親はいない」と明言しています。なぜモモの両親は描かれていないのでしょうか? その理由は大きく3つ考えられます。

 まず1つは、既に両親が他界しており文字通り「いない」可能性です。

 そして2つ目に考えられる理由は、駆け落ちした可能性です。注目したいのは第3話のエピソード。星子がターボババアに取り憑かれた高倉健(以下、オカルン)からモモを助け出す際、孫をたぶらかす男には制裁を加えると宣言していました。ちなみにこのときのオカルンは人間判定されていませんでしたが、星子曰くたとえ相手が人間でも関係ないとのこと……。

 事実、第2話では以前モモが彼氏を連れてきた際に星子がボコボコにしたと語っています。つまり、この過保護とも取れる星子の行動には何かしら理由があると考えられるのです。

 モモの両親が星子にとっての娘に当たるのか、息子に当たるのかは現時点では分かっていません。しかし、星子が必要以上に孫娘にダメ男が寄りつくことを嫌っている描写から、かつて娘がおり、ダメ男についていってしまった可能性が推察できます。

 そして3つ目は、今後の伏線の可能性。つまり宇宙人関連の伏線です。第1話は、宇宙人を信じないモモと幽霊を信じないオカルンが、それぞれの怪異と遭遇する対比からスタートしています。

 次のところで解説しますが、奇しくもオカルンの両親についても現在のところ描かれていません。つまり、モモの両親には宇宙人に関連した伏線が用意されている可能性も考えられるのです。

 ちなみに宇宙人には作中でも触れられている「アブダクション」という誘拐方法があります。仮にモモの母親が宇宙人について行ったとするなら、第3話でのダメ男が「人間でもな」という星子の発言にはダブルミーニングがあったのかもしれません。

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◆オカルンの生い立ちが描かれない理由

 実はオカルンの生い立ちは原作でも一切描かれていません。両親の存在はもちろん、家庭環境も謎ですし、学校以外の私生活もすべて謎に包まれています。

 実は、これについては作者である龍幸伸(たつ ゆきのぶ)先生が、2021年に公開された公式YouTube『ジャンプチャンネル』の動画インタビュー 「【ダンダダンができるまで】龍幸伸先生 インタビュー&作画」内で理由を話しています。

 「オカルンはなんか神秘の方に近いかなっていう…だからオカルンだけバックボーンも見せてないんですね」。この発言から推察できるのは、龍先生があえてオカルンにミステリアスな印象を持たせるためにキャラ作りをしている。もしくは、重大な秘密を持ったキャラクターとして伏線を背負わせているかの2つでしょう。

 ちなみに、今年の8月に出版された『ダンダダン ダイズカン』(出版社:集英社)では、オマケ漫画でオカルンと一緒に暮らす昭和の大スターにそっくりな男性の後ろ姿が描かれています。彼が実の父親なのか、それとも親族なのか、はたまた養父なのかは、現時点では分かりません。

◆なぜ綾瀬星子は若いままなのか?

 作中最大の謎と言っても過言ではない星子の若さの秘密について、考えられる理由は大きく3つあります。

 まず1つは「氣」の力です。第1話で星子はモモに「氣」を教えている描写がありました。「氣」は人体のチャクラで発生するため、自らの体内エネルギーを循環させて若い肉体を維持している可能性が考えられます。

 続いて2つ目が「神」の力です。星子は、作中で最も特異な力である「土地神様」の力が使える霊媒師です。その恩恵から身体的影響を受けているケースも考えられるでしょう。

 最後の3つ目は、第85話で使っていた「言霊」の力です。星子はこの力について、「言葉に出すことによって不可能だって現実にできる」と説明しています。つまり、この力で若さを保つという超自然的な効果が出ていてもおかしくないのです。

 実際、第3話で星子は自らを「美魔女」と称していました。このことから「言霊」の効果として若い姿を維持している可能性はかなり高いのではないでしょうか。

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◆ターボババアが結界のある綾瀬家にいられた理由

 第2話で明かされた通り、綾瀬家には星子特製のお札が貼ってあり、悪霊などが入り込めないように結界で守られています。当初ターボババアがオカルンに取り憑いていた際、結界に触れるとオカルンの肉体ごと燃えていました。

 しかし第11話でターボババアの「呪いの力」と「魂」が分離されて以降、なぜかターボババアは普通に結界の中でも活動できているのです。しかも、「呪いの力」を持っているオカルンも燃えていません。

 この理由は、ターボババアが綾瀬家に対して敵意がなくなったからだと考えられます。そもそも星子が家に結界を張っているのは、モモや自分を守るためです。つまり、お札は「敵意」のある者に対して拒絶する効果を持っていると推測できます。

 もしくは、ターボババアの存在が悪霊でなくなった可能性も考えられます。元々ターボババアが人間に危害を加えていた理由は、悲劇で地縛霊となってしまった少女たちを守るためでした。ジャンプコミックス20巻のオマケでも、かつての少女たちを供養するため、ターボババアが花を手向ける優しい姿が描かれています。

 また作中の随所でモモを守っている描写もあることから、実は根っからの悪霊ではない可能性が示唆されているのです。

 

 ──主人公のモモとオカルンは、意図された対比構造がありつつ、ともに両親が描かれていない共通点もあり、いまだに謎が多く残されています。2人の恋愛の進展とともに、今後こういった謎がどう物語に、そして「オカルト」に絡んでくるのかというのも、この作品の注目すべき点といえるでしょう。

〈文/fuku_yoshi〉

 

※サムネイル画像:Amazonより 『「ダンダダン」第1巻(出版社:集英社)』

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