『ドラゴンボール』にはあまり知られていない裏話があります。それは、本編で明かされたものでなく、連載終了後に発売された雑誌などで語られています。また、サイヤ人と地球人の混血は純血より強いという設定がありましたが、なぜ、悟飯やトランクスたちは父親を超えられなかったのでしょうか?

◆ 『ドラゴンボール』あまり知られてない裏話

 『ドラゴンボール』にはコミック完全版で追加されたシーンや鳥山明先生がインタビューで明かした意外なキャラクターの関係性など、まだあまり知られていない設定があります。

●サタンの師匠は桃白白に命を奪われている

 ミスター・サタンは若い頃に「サタンの城」と呼ばれる道場で武術を習っていました。サタンが南の都に遠征に行っていたとき、同行していた道場の師範がなんと桃白白によって命を奪われてしまいます。

 サタンと桃白白にこのような衝撃的なつながりがあったという事実が明かされたのは、『最強ジャンプ』20146月号の「鳥山明先生 魔人ブウ編(秘)一問一答!」というコーナーです。

 鳥山明先生によると、「うっかり桃白白の髪型をからかってしまった」とのことなので、桃白白のおさげ髪、もしくはきれいな富士額を笑いものにしてしまったのでしょう。この結果、師匠は命を奪われ、サタンも重傷を負ってしまいます。

 この経験によってサタンは、正体の分からない相手やメチャメチャ強そうな相手とは絶対に戦わないと固く誓うようになったそうです。

 サタンはメチャクチャ強い魔人ブウに下手に出ることで取り入り、しぶとく生き残りながら最終的には地球を救うキーマンとなりました。

 これには桃白白によって師匠を失い、自身も手痛い目にあわされた経験が魔人ブウ相手に役立ったといえるでしょう。そう考えると、悪逆非道の桃白白も地球を救うのに一役買っていたといえるのかもしれません。

●コミック完全版で悟空はウーブに筋斗雲を譲っている

 『週刊少年ジャンプ』連載当時とアニメ版の最終話では、悟空がウーブを背中に乗せて舞空術で飛んでいくシーンで終わっていました。しかし、コミック完全版では加筆修正がされ、悟空からプレゼントされた筋斗雲にウーブが乗って飛んでいくシーンが追加されています。

 筋斗雲は心が清い者でないと乗れません。そのため、作中でも筋斗雲に乗れるのは悟空とその息子たち、青い髪状態のランチ、ウパや則巻アラレなどごく一部です。

 コミック完全版の第34巻でウーブも筋斗雲に乗ったことで、清い心を持っているメンバーに加わりました。これには邪悪な存在だったブウの魂が転生した姿であるウーブが、きちんときれいな心の持ち主になっていることを読者に示したいという鳥山明先生の意図があったのではないでしょうか。

 また、ウーブは身内以外では悟空の初めての弟子であり、次世代ヒーローのバトンを受け継ぐ人物です。そのため、筋斗雲に乗せることで悟空がウーブを選んだのは間違いがなく、これからの地球の平和は彼によって守られるというメッセージを伝えたかったのではないかと考えられます。

 そう考えると連載時のラストシーンももちろん良かったのですが、完全版はさらにエモいエンディングになっているといえるでしょう。

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◆『ドラゴンボール』 息子たちが「悟空やベジータを超えられなかった」本当のワケ【考察】

 悟飯がラディッツに大ダメージを与えたときに明らかにされた、サイヤ人と地球人の混血は純血より強いという設定。セル戦など悟飯が一時的に悟空より強い時期はありましたが、最終的に純血である父を超えられた息子はいませんでした。なぜ、悟飯、トランクスたちは悟空やベジータを超えられなかったのでしょうか? サイヤ人の特性から考察します。

●サイヤ人ならではの特性

 戦闘民族サイヤ人がその人生を戦いに特化できるように所持しているのが、彼らならではの特性です。その中には純血のサイヤ人と地球人との混血で共通するものと受け継いでいない特性があり、これが彼らの強さにも関与していると考えられます。

 まず確実に受け継がれている特性は、大食いです。悟空やベジータはもちろん、天下一武道会では悟飯も大食いぶりを発揮。

 『ドラゴンボールGT』では大量のから揚げにテンションが上がっていることから、パンもそれなりに大食いだと思われます。これは消費カロリーが大きい体質なのかもしれませんが、やはり戦闘民族だけあって栄養をしっかり摂って戦いのためにより強い体を作ろうとする特性があるのでしょう。

 瀕死の状態から回復すると戦闘力が大幅にアップする特性も、ナメック星での悟飯を見ると共通する特性だと思われます。また、『銀河パトロール ジャコ』では「サイヤ人は周囲を油断させるために子供時代が地球人より長く、急激に成長して大きくなる」という設定が語られていました。

 悟空は15歳まで3頭身で3年後には一気に7頭身くらいにまでなっており、悟天やトランクスも急成長していました。

 逆に受け継がれていないものとしては、ベジータが言っていた「純粋なサイヤ人は頭髪が生後から不気味に変化したりはしない………」という特性です。悟飯は子供の頃はおかっぱでしたが、成長してからは短くなっています。

 また、悟空は子供の頃は凶暴だったと育ての親である孫悟飯が言っていました。しかし、息子の悟飯や悟天、トランクスにはそのような特徴はまったく見られません。

 こうしてみると、サイヤ人の特性が必ずしも受け継がれるわけではないことが分かります。そして、共通する特性の中にも地球人の血が入ることで薄まっている可能性も考えられるでしょう。

●サイヤ人と地球人の混血は早熟なだけ?

 サイヤ人と地球人の混血である悟飯や悟天、トランクスは子供のときからセルや魔人ブウと戦えるほどの強さを発揮していました。しかし、最終的に父を超えることはなかったため、地球人の血が混ざることで早熟になっていた可能性も考えられます。

 悟飯は4歳で既にラディッツを超える戦闘力を持っており、セル戦のときはまだ10歳でした。最初にスーパーサイヤ人2になったのは悟飯であり、ベジータや未来トランクスが互角の戦いをしていたセルジュニアたちを一瞬で倒します。

 さらには、セルジュニアの生みの親であるセルまで圧倒。このときは確実に父・悟空の実力を超えていました。

 また、悟天やトランクスは父たちがあれだけ苦労したスーパーサイヤ人に幼い頃にあっさりなっています。これらのことからサイヤ人と地球人の子供が強いというのは、ある意味正しいといえるでしょう。

 ただ、地球人の血が入ることで純血のサイヤ人ほど若い時代が長くないのであれば、混血サイヤ人が早熟になっている可能性も十分考えられます。つまり、若い体で戦える期間が短い分、早い時期から強さを発揮できるようになっているというわけです。

 実際に悟飯や悟天、トランクスは最終的に悟空やベジータの強さを超えていません。また、この早熟という性質は、肉体だけでなく精神面にも影響していると思われます。

 普通の人間でも若い頃は血気盛んでとがっていた時期はあっても、年齢を重ねれば次第に落ち着いて来るのが一般的です。サイヤ人でも純血の悟空たちは戦闘への意欲が盛んな時期が長く、混血の悟飯たちはその時期が短いのだとすれば息子たちが父を超えられなかった理由としてもしっくりくるでしょう。

詳しく読む⇒サイヤ人は「アレ」をしたら負け? 『ドラゴンボール』 息子たちが「悟空やベジータを超えられなかった」本当のワケ【考察】

〈文/アニギャラ☆REW編集部 @anigala01

 

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