アニメ・漫画の中には、実は途中退場が検討されていたり、ゲストキャラとして登場したりしていましたが、作者の予想に反して、レギュラーキャラになったキャラなどが存在します。次の4人は作者の予想を裏切った人気キャラです。

◆作者の予想を裏切ったキャラ

 書籍『漫画がはじまる』(出版社:スイッチパブリッシング、20085月出版)で『SLAM DUNK』の作者・井上雄彦先生が「そもそも三井はバスケをやる予定ではなかった」と語ったように、漫画やアニメには“想定外”がつきもの。中には、キャラクターのあまりの人気ぶりに、その後の展開を変えざるを得なかったケースも……。次のキャラクターも、作者の想像を大きく超えた飛躍をみせました。

●「なぜ人気に……」作者もびっくりの『NARUTO -ナルト-』の超人気キャラ

 うずまきナルトら第七班の担当上忍として登場するはたけカカシ。読者人気が高いキャラクターとしても知られるカカシですが、その人気は作者の岸本斉史先生にとっていまいち納得できないものだったようです。

 カカシについて語られたのは、漫画専門番組『漫道コバヤシ』第13回「NARUTO完結!岸本斉史SP」でのこと。「カカシの人気にはなんとなく予感があったのか」という質問に対し、岸本先生は「全然なかった。こんなやつが何で人気出るのか全然わからなかったです」と回答。

 さらに、「何で片目しか見えてないのに人気あるんだろうと思って」と続け、カカシの人気が想定外だったことを明かしました。逆に、サイや春野サクラは人気が出ると思って描いていたところ、あまりうけなかったそう……

 ちなみにカカシは、第1回(コミックス第7巻掲載)、第3回(『週刊少年ジャンプ』20035号掲載)のキャラクター人気投票で第1位を獲得。また、アニメ20周年を記念した人気投票「NARUTOP99」では、全488キャラクターのなかから第5位に(『NARUTO OFFICIAL SITE』)。岸本先生の思惑に反して、カカシは絶大な人気を誇るキャラクターとなりました。

●人気すぎてゲストキャラからヒロインに?

『地獄先生ぬ~べ~』のキャラクターである雪女のゆきめ。始めの頃は序盤から登場していた童守小のマドンナ・高橋律子がヒロインの筆頭格と思われていましたが、物語が進むにつれ、ゆきめが徐々にヒロインの頭角を現していきます。

 ゆきめに関する事実は、『ジャンプ+α』(『少年ジャンプ+』オリジナルコミックエッセイ・ブログ記事)に掲載された「地獄先生ぬ~べ~30周年記念インタビュー」で明かされました。原作担当の真倉翔先生の話によると、男女ともに人気があったゆきめは実は当初ただのゲストキャラのつもりだったそう。

 しかし、原作コミック第30話「なごり雪-季節はずれの雪女の巻」で描かれて以降、ゆきめの人気は上昇。すぐに再登場を果たすことになりました。真倉先生的にはゆきめをヒロインにするつもりはさらさらなかったそうですが、最終的には主人公のぬ〜べ〜と結婚するほどの立派なヒロインに……

 そんなゆきめの人気は、アニメでも変わらない様子。Blu-ray BOX発売記念で行われたエピソード総選挙では、ゆきめの初登場回「スクープ! ぬ~べ~が雪女と婚約!?」が第1位に。読者の応援により、ゆきめの運命は大きく変わったのでした。

詳しく読む⇒実はベジータは「生き返らない」予定だった!? 作者の予想を裏切った4人のキャラ

◆「途中退場」をまぬがれ生き延びたキャラ

 漫画やアニメにおいて、当初は死ぬ予定だったキャラクターが、さまざまな理由で物語完結まで生き延びることもあります。次の2人は、作者の意に反して途中退場をまぬがれたキャラクターです。

●作者の予想に反して人気キャラに──『ドラゴンボール』ベジータ

 ベジータは、2016年1月に発売された『30th ANNIVERSARYドラゴンボール 超史集 -SUPER HISTORY BOOK-』 (出版社:集英社)の描き下ろし漫画の中で、実は悟空との戦いで敗れ、退場する予定だったと鳥山明先生が明かしています。

 ベジータは登場当初ドラゴンボールをねらって地球に侵略しにきており、悟空と敵対する立場でした。

 しかし、鳥山先生の予想に反し、ベジータは人気キャラとなり、その後の物語に欠かせない存在になりました。鳥山先生は「こんな変なヘアスタイルのヤツが人気になるとは思わなかった」と当時を振り返っています。

 こうして読者たちによって救われたベジータ。しかし鳥山先生曰く、これがきっかけで、代わりにあの悪役を生み出すことになったといいます。それがフリーザです。

 ベジータの生存は、フリーザという新たな強敵を登場させ、超サイヤ人といった作品の根幹をなす人気要素の誕生にもつながりました。

●ギリギリまで悩んだ末に生存──『るろうに剣心』神谷薫

 神谷薫は第207話で雪代縁に命を奪われるという衝撃的な展開が描かれましたが、その後第211話で実は死体と思われていたのは精巧に作られた人形で、本人は生存していることが判明しました。

 連載当時も賛否があったこの展開について、和月伸宏先生はギリギリまで悩んだことを、ジャンプコミックス第24巻の「FREE TALK」で明かしています。

 このシーンが描かれた「人誅編」では、作中最大のテーマでもある緋村剣心が行った「人斬りに対する贖罪」についてフォーカスされていました。当初、和月先生もテーマを最優先にするなら薫を退場させたほうがストーリーや構成もまとまりが良くなるだろうと考えていたそうです。

 しかし、少年漫画の基本は笑顔とハッピーエンドだとも考えていた和月先生。最後は「薫が死んでしまっては心からの笑顔もハッピーエンドもありえない」と、薫の生存という結末を選択したのです。

詳しく読む⇒ベジータは悟空に倒させよう←いや、やっぱ人気があるから生かそう! 「途中退場」をまぬがれ生き延びたキャラたち

〈文/アニギャラ☆REW編集部〉

 

※サムネイル画像:Amazonより 『「DRAGON BALL 完全版 29」(出版社:集英社)』

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