『ドラゴンボール』には、アニメやコミックス本編ではあまり語られてこなかった意外な設定や裏話が数多く存在します。ナメック星人の思わぬ弱点、人造人間に秘められた逸話、ブルマの家族構成にまつわるエピソード、さらにはサタンの知られざる修行時代……。作品世界をより深く味わえる情報の中には、一度知ると印象ががらりと変わるような発見もあるようです。

◆『ドラゴンボール』の知られざる設定

 『ドラゴンボール』にはストーリー上、必要だったため追加された能力や弱点、本編では明らかにされていない人造人間に関する設定が存在します。その中には一度きりの登場だったため、すっかり忘れられているものも……。『ドラゴンボール』の懐かしい設定、知られざる設定にはどのようなものがあるのでしょうか?

●忘れられたナメック星人の弱点

 劇場版アニメ『ドラゴンボールZ 超サイヤ人だ孫悟空』では、ナメック星人が口笛の音が苦手なことが明らかになります。ピッコロは悟飯の口笛を聞いて苦しみだし、最終的には人格が崩壊してしまうほどでした。

 ナメック星人は水だけで生きていけたり聴力がよかったり、それに加えて再生能力も持っている種族です。また、戦闘力の高い個体やドラゴンボールを作るなど特殊な能力を使える者もいます。

 あらためて見るととんでもない種族ですが、劇場版『ドラゴンボールZ 超サイヤ人だ孫悟空』では触覚と口笛が弱点であることが判明。スラッグとの戦いでは、ピッコロが触覚を引っ張って相手を弱らせました。

 また、口笛は地球人にとっての金属やガラスを擦る音に近いもので、ものすごく不快に感じるようです。といってもずっと聞き続けると人格崩壊するレベルなので、ナメック星人最大の弱点といってよいでしょう。

 ただ、口笛が弱点というのは知られてしまえば、簡単にピッコロを無力化できてしまうため、これらの設定は劇場版『ドラゴンボールZ 超サイヤ人だ孫悟空』のみでの登場となっています。原作ではナメック星人は再生したり特殊な能力を使ったりできるうえ、弱点のない超有能種族といえるでしょう。

●人造人間16号には実はモデルがいた

 人間をベースにした17号と18号と違って、人造人間16号はドクター・ゲロが1から造ったものですが彼にもモデルがいます。それはドクター・ゲロの息子であるゲボです。

 ゲーム『ドラゴンボールZ KAKAROT』のサブストーリー「永遠の友」で、ゲロの息子の名前が判明。さらに、同ゲームの「Z大全集 キャラクターの章 人造人間16号の項目」では、そのゲボが16号のモデルであることが明かされています。

 また、映画『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』ではドクター・ゲロの孫であるドクター・ヘドが登場します。ドクター・ヘドの紹介のときに一瞬家系図が映し出されるのですが、ドクター・ゲボの顔写真は16号にそっくり。

 このことからも16号のモデルがドクター・ゲボだったことが分かります。ただし、ドクター・ゲボは悪人でであり、16号の優しい性格とはまったく異なっていたそうです。

 なお、ゲボとヘドの関係は伯父と甥ということになります。ゲロの妻と次男の名前は不明ですが、もしこのような一家に自分が生まれてしまったのならせめてリバースと名付けてもらいたいものです。

詳しく読む⇒忘れられた悟空の「特殊能力」やナメック星人の「弱点」とは? 『ドラゴンボール』の知られざる設定

◆『ドラゴンボール』あまり知られてない裏話

 『ドラゴンボール』には鳥山明先生の別作品やインタビューで明かされた意外なキャラクターの関係性など、まだあまり知られていない設定があります。

●ブルマにはタイツという姉がいる

 ブルマには10歳以上年の離れた姉がおり、その名はタイツ。

 彼女は『ドラゴンボール』シリーズの前日譚を描いた作品『銀河パトロールジャコ』において、ヒロインのポジションとして登場しています。

 初登場のときは17歳の美少女で金髪ということもあって、正直なところブルマとはあまり似ていません。しかし、『ドラゴンボール超』で出て来たショートヘアの大人の姿は、年を重ねたブルマと似ていて実の姉妹であることを感じさせます。

 アニメではブリーフ博士が水色の髪、ブルマの母が金髪です。そのため、ブルマは父親似でタイツは母親の血を濃く継いでいるのでしょう。

 タイツは16歳で大学を卒業するとSF作家になるため東の都で一人暮らしを始め、不良にからまれていたところをジャコと大盛徳之進に助けられます。

 その後は大盛の住む島に引っ越したり、SF小説の取材のためアイドルにすり替わってロケットに乗り込んだりするなど、頭の良さと行動力、大胆さ、好奇心はさすがブルマの姉といったところでしょう。そんな彼女は夢を叶えて最終的に人気のSF作家になったそうです。

『ドラゴンボール超』では、ブルマから姉がいることを知らされた悟空やベジータも驚いていたほどでした。そのため、タイツの存在自体が、『ドラゴンボール』の世界でもSFチック、都市伝説的なものといえるのかもしれません。

●サタンの師匠は桃白白に命を奪われている

 ミスター・サタンは若い頃に「サタンの城」と呼ばれる道場で武術を習っていました。サタンが南の都に遠征に行っていたとき、同行していた道場の師範がなんと桃白白によって命を奪われてしまいます。

 サタンと桃白白にこのような衝撃的なつながりがあったという事実が明かされたのは、『最強ジャンプ』20146月号の「鳥山明先生 魔人ブウ編(秘)一問一答!」というコーナーです。

 鳥山明先生によると、「うっかり桃白白の髪型をからかってしまった」とのことなので、桃白白のおさげ髪、もしくはきれいな富士額を笑いものにしてしまったのでしょう。この結果、師匠は命を奪われ、サタンも重傷を負ってしまいます。

 この経験によってサタンは、正体の分からない相手やメチャメチャ強そうな相手とは絶対に戦わないと固く誓うようになったそうです。

 サタンはメチャクチャ強い魔人ブウに下手に出ることで取り入り、しぶとく生き残りながら最終的には地球を救うキーマンとなりました。

 これには桃白白によって師匠を失い、自身も手痛い目にあわされた経験が魔人ブウ相手に役立ったといえるでしょう。そう考えると、悪逆非道の桃白白も地球を救うのに一役買っていたといえるのかもしれません。

詳しく読む⇒サタンには「師匠」が、ブルマには「姉」がいた? 『ドラゴンボール』あまり知られてない4つの裏話

〈文/アニギャラ☆REW編集部〉

 

※サムネイル画像:Amazonより 『「ドラゴンボール」第16巻(出版社:集英社)』

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