ラディッツ襲来から最終回まで描かれたTVアニメ『ドラゴンボールZ』と、その続編として製作された『ドラゴンボールGT』。実は、ともに鳥山明先生が名付けたタイトルだそうです。そこには、鳥山先生らしい「思い」が込められているようで……。
◆ガセ情報が多いタイトル発案の真相とは?
世代の人なら「水曜19時」といえば「ドラゴンボールのアニメ」を思い出す人もいるかもしれません。もちろん、その枠で放送されていたのが『ドラゴンボールZ』と『ドラゴンボールGT』です。
ともに鳥山明先生が名付けたタイトルですが、巷ではさまざまな俗説が出回っています。まず、『ドラゴンボールZ』の“Z”ですが、とある滋養強壮剤からタイトルが付けられたという噂がありました。
しかし、2003年10月に発売された『テレビアニメ完全ガイド「DRAGONBALL Z」孫悟空伝説』(出版社:集英社)のインタビューで正式にその噂を否定し、由来を明かしています。
本書によると、当時原作を終わらせたかった先生が「これでもうおしまい」という意味で、アルファベットの最後の文字である“Z”をつけたそうです。
そんな思いがあったからか、『ドラゴンボールGT』のタイトルに関してもあたかも信憑性のあるような噂がネット上に出回っています。それが「G(ごめんなさい)T(鳥山先生)」というモノ……。
もちろん、『GT』のタイトルも鳥山先生がつけたので、この噂はまったくのガセネタでした。そんな“GT”の由来は長い間謎に包まれていましたが、2005年に発売された『ドラゴンボールGT DVD-BOX』に収録された特製ブックレットで鳥山先生本人が真相を明かしています。
そこでは「宇宙を駆けまわるっていう設定でしたので“グランドツーリング”壮大な旅という意味を込めてGTとしました」と語っているのです。どちらのタイトル発案も、鳥山先生らしい素敵なエピソードではないでしょうか。
──噂が一人歩きするほど、数多くのファンたちが『ドラゴンボール』のアニメに熱中し、想いを巡らせてきたのでしょう。改めて鳥山先生が生み出した『ドラゴンボール』の影響力の大きさに驚かされます。
〈文/fuku_yoshi〉
《fuku_yoshi》
出版社2社で10年勤め上げた元編集者。男性向けライフスタイル誌やムックを中心に、漫画編集者としても経験を積む。その後独立しフリーライターに。現在は、映画やアニメといったサブカルチャーを中心に記事を執筆する。YouTubeなどの動画投稿サイトで漫画やアニメを扱うチャンネルのシナリオ作成にも協力し、20本以上の再生回数100万回超えの動画作りに貢献。漫画考察の記事では、元編集者の視点を交えながら論理的な繋がりで考察するのが強み。最近では、趣味で小説にも挑戦中。X(旧Twitter)⇒@fukuyoshi5
※サムネイル画像:Amazonより 『テレビアニメ完全ガイド「DRAGONBALL Z」孫悟空伝説(出版社:集英社)』





