『ドラゴンボール』にはタイプが似ている技があります。もしこの2人のキャラクターが出会っていたら……、一緒に戦っていたら……、おもしろい技の組み合わせが見られたかも。そんな妄想をしたことがある読者も多いのではないでしょうか。

◆お笑いコンビとしての相性も最強?──排球拳×クラッシャーボール

 天津飯の排球拳もジースのクラッシャーボールもバレーボール要素の強い技です。天津飯とジースが組んで戦えば、きっとおもしろいバレーボールコンビネーション技が見られたでしょう。コンビネーションにはクラッシャーボールをベースとするパターン、排球拳をベースとする2パターンが考えられます。

 悟空には真正面からクラッシャーボールをぶつけて簡単にはじかれてしまいましたが、天津飯によるフォローがあれば敵の死角からぶつけることも可能でしょう。ジースが繰り出したクラッシャーボールを、天津飯がレシーブやトスなどでフォロー、再びジースにアタックさせれば多角的に攻められるので命中率はかなり上がるはずです。

 排球拳をベースにすれば、相手をボールに見立ててレシーブやアタックでダメージを与えます。悟空戦ではこれを天津飯1人でやっていましたが、ジースがいればクイックアタックなどのコンビネーション技も可能です。

 また、お互いアタックの応酬で相手にダメージを与え続けることもできます。さらには地面に叩きつけた相手に、クラッシャーボールで追い打ちをかけることも有効でしょう。

 アニメでは「特戦隊の赤いマグマ」と名乗っていたジースは、バータとも良いコンビネーションを見せていました。そのため、天津飯と呼吸を合わせるのも難しくはないと思われます。

 しかも、この2人は笑いを取りにいくことへも貪欲です。天津飯は排球拳を使っているとき、おネェ言葉のバレー部員となって明らかに笑いを取りに行っていました。

 ジースはギニュー特戦隊に所属しており、全員で見せる決めポーズの絶妙なダサさはまさにフリーザ軍団のお笑い集団。しかも、ギニューが悟空たちに「かわいがってやるぞ」といったのに対して、「かわいがるといってもアタマをよしよしとなでたり、たかいたかいとかをするんじゃないぞ。いためつけてやるということだ」と見事なボケを披露しています。

 そのため、天津飯とジースは意外に、お笑い枠としての相性も良さそうです。この2人が組んでいれば、最強のお笑いコンビとして活躍していたかもしれません。

◆アニメのセルなら使えたかも?──四身の拳×多重残像拳

 天津飯の四身の拳は自身の体を4つに分割する技のため、これに多重残像拳を組み合わせればとんでもない数となり、その動きをとらえるのはかなり難しいでしょう。残念ながら四身の拳はパワーやスピードが4分の1になる弱点があるため、天津飯には残像拳を使えるだけの速さがなかったのかもしれませんが、セルだったら可能だったと思われます。

 四身の拳は天津飯が編み出した技であり、原作ではほかのキャラクターは使っていません。しかし、アニメではピッコロが分身してひたすらお互いが殴り合う修業をしたり、ナッパ戦ではクリリンが3人に分身する技を見せています。

 さらに、セルゲームではセルが悟空との戦いで4人に分身。この分身は能力が分割されずそのままという設定になっており、天津飯から「悔しいがセルは俺以上にあの技を自分のモノにしている」と評価されていました。

 また、セルは悟空の細胞を取り込んでいるため、多重残像拳も使えるはずです。そのため、セルであれば四身の拳と多重残像拳のコンビネーションも可能だったでしょう。

 辺り一帯を吹き飛ばす技ならともかく、悟飯のかめはめ波であればこの技で避けることができたのではないでしょうか。セルが四身の拳と多重残像拳によって画面に何人も出現して、相手の技をおちょくりながらかわすシーンを見てみたかったところです。

◆セルやブウにも対抗できる最強コンビ技?──瞬間移動×兎人参化

 魔人ブウは頭部の触覚から放つ光線で、相手をさまざまなお菓子や物質に変えられますが、『ドラゴンボール』には兎人参化という似たような能力を持つキャラクターが既にいます。悟空の瞬間移動とのコンビであれば、魔人ブウを逆に人参に変えられたかもしれません。

 もちろん悟空も兎人参化に触ってしまうと人参になってしまうため、鎖などでグルグル巻きして持ち運び、モーニングスターのように投げつけてぶつける必要があります。しかし、瞬間移動で不意を突けばセルや魔人ブウ相手でも当てることはできそうですし、相手がよけずに兎人参化を防いだり弾き飛ばしたりすればこちらのもの。その瞬間に人参にできるでしょう。

 ただ、『ドラゴンボール』には超能力がよく出てきますが、実力差が大きすぎると通じないのではないかといわれています。その証拠に魔人ブウにコーヒーキャンディにされたベジットは、その状態で強さを発揮しています。

 また、『ドラゴンボール超』では自身以外の時間を0.1秒ほど止められる、「時飛ばし」という特殊能力を使うヒットが登場。しかし、この能力はスーパーサイヤ人ゴッドになった悟空には効きませんでした。これに対してウイスは、「時飛ばし」のような特殊能力は戦闘力の差が大きすぎると効かないと述べています。

 そのため、同じような能力でも魔人ブウと兎人参化には実力差があるため、触っても人参にならない可能性が高いです。

◆『ドラゴンボール』の地ならし担当?──爆力魔波×クンッ

 ピッコロ大魔王の爆力魔波は大都市キングキャッスルを跡形もなく消し飛ばし、ナッパが地球にやって来た際に使った技(通称、クンッ)も東の都を壊滅させました。この2人のコンビなら『進撃の巨人』の地ならしばりに、地球を更地にしていけそうです。

 どちらも悪役っぷりには定評があるので、『ドラゴンボール』でも屈指のヒールコンビになる可能性があります。2人とももはや戦闘力が高くないキャラクターですが、それでも地球を恐怖のどん底に落とし入れるのに十分な力があるでしょう。

また、ピッコロ大魔王には爆裂魔光砲という技もあります。これはピッコロ記念日に世界の地区を1つずつ消し去るときに使うつもりだった技のため、こちらも都市を吹っ飛ばすくらいの威力はあるでしょう。

 ただ、ピッコロ大魔王の場合はエネルギー充填の隙が大きく、消耗が激しいので連続で放った場合には威力が落ちるという弱点があります。それを考えるとナッパのあいさつ代わりのクンッはタメも必要なく、連発もできそうです。

 この2人の戦闘力の差は大きく、コンビを組めば立場的にはナッパのほうが上になるのではないでしょうか。ナッパはベジータとのコンビでは、彼の命令に逆らえず下っ端扱いでしたが、ピッコロ大魔王にマウントを取っている彼の姿を見るのはおもしろそうです。

 

 ──『ドラゴンボール』の原作では、フュージョンや親子かめはめ波など登場した合体技が限られています。その分、アニメやゲームにはオリジナルのコンビネーション技が多く登場しているので、その点に注目しながら改めて楽しんでみるのも良いかもしれません。

〈文/諫山就〉

《諫山就》

フリーライターとして活動中。漫画・アニメ・医療・金融などの記事、YouTube用シナリオを執筆・編集しています。

 

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