<この記事にはTVアニメ『ドラゴンボールDAIMA』のネタバレが含まれます。ご注意ください。>
TVアニメ『ドラゴンボールDAIMA』には鳥山明先生が、ストーリーやキャラクターデザインなどに深く関わっているだけあって設定に新しい要素が加わっています。
ナメック人の尖った耳やドラゴンボールの願い事の数の秘密など、次の4つは「実はそんな設定があったのか」とファンを熱くさせている新要素です。
◆耳が尖っている種族は大魔界出身
<画像引用元:https://dragonballdaima.com/より ©バード・スタジオ/集英社・東映アニメーション>
ナメック人をはじめとした耳の尖った種族は、基本的に大魔界の出身であることが明かされました。この新しく出てきた設定に「いい伏線」「後付け設定だとしても妙に腑に落ちる」とファンも盛り上がっています。
この設定によって暗黒魔界の王と紹介されていたダーブラはもちろん、キビトやミスター・ポポたちも大魔界にルーツを持つキャラクターである可能性が出てきました。
さらには大界王神や映画・テレビアニメ本編に登場したガーリックJr.など、大魔界と関連があるキャラクターは不思議な力を使えることが多いようです。
また、原作では名前しか出てこないヤードラット星人も、アニメで描かれた姿では耳が尖っていました。ヤードラット星人は悟空にテレポートを教えており、大魔界出身であるのも納得です。
作中ではいち早くドラゴンボールを集め始め、ピッコロ大魔王を復活させたピラフも耳が尖っています。こちらも大魔界出身であったなら、ドラゴンボールやピッコロ大魔王の知識があったとしても不思議ではありません。
これらのことから、「耳が尖っている=大魔界出身」という設定は鳥山明先生がかなり前から考えられていた設定なのでしょう。
ヤードラット星人や映画『ドラゴンボールZ 復活のフュージョン!!悟空とベジータ』のジャネンバなど、アニメでしかその姿が登場していないキャラクターもこの設定に基づいてデザイン指示がされていた可能性があります。
また、特徴ある耳を持っているといえばフリーザやバビディです。人間やナメック人とも違う形をしていますが、この2人もルーツが同じという裏設定が存在するかもしれません。
◆ドラゴンボールの願い事の数は常連サービス
大魔界からやって来たゴマーはナメック人ネバの力で、地球のドラゴンボールを使って悟空たちを子供に変えます。このとき神龍はゴマーたちは得体がしれないという理由で2つ目の願い事を拒否、常連でなければ複数の願い事は叶えないというビックリ設定があることが発覚しました。
『ドラゴンボールDAIMA』の時系列は魔人ブウとの戦いのあとなので、神龍が叶えてくれる願い事の数は3つとなっています。しかし、これは悟空たち常連へのサービスであり、一見さんには願い事を一つしか叶えない仕様になっているようです。
この神龍の対応には「常連にだけ出してくれる裏メニューみたいなものか」「まさかの居酒屋マスターのノリ」といったファンのツッコミが……。確かにゴマーは違う世界から来ていきなり悟空たちを子供にする怪しい奴らですから、神龍のナイスジャッジといえなくもないでしょう。
しかも、ゴマーは願い事を叶えたばかりで石になっていたドラゴンボールをネバの力で強引に復活させました。そのため、神龍がゴマーたちのことを得体がしれないと判断したのは妥当です。
ただ、休眠状態にあるドラゴンボールを強引に復活させたため、願い事は一つしか叶えられないという設定でも良かったのではないでしょうか。
まさかの驚きの居酒屋システムだったわけですが、それなら何回神龍を呼び出せば常連になったと判断してもらえるのか気になるところです。
◆二転三転するポタラ合体の設定
『ドラゴンボール』ではポタラで合体した場合、2度と元には戻れないという設定でした。
しかし、合体した悟空とベジータが魔人ブウの体内で戻った設定を活かして、『ドラゴンボールDAIMA』では、東の界王神とキビトが分かれた状態で登場します。
東の界王神によれば、一度魔人ブウの体内に取り込んでもらって、吐き出されたら2人に分離できたとのこと。これはブウの体内に発生する不思議なガスが原因で、ポタラの効力を解かれる設定になっている模様です。
鳥山明先生が脚本を務める漫画およびTVアニメ『ドラゴンボール超』でも、ポタラの設定は追加してあります。こちらではポタラによる界王神の合体は永続、悟空やベジータたち人間の合体は1時間で効力が切れるという設定になっていました。
どちらの設定が正しいのかは不明ですが、これらの設定が共存できる可能性もあります。
つまり、ポタラ合体の設定としては人間同士であれば1時間で効力が切れる、魔人ブウの体内であればあらゆる組み合わせが解除されるということです。
時系列としては『ドラゴンボール超』より、『ドラゴンボールDAIMA』のほうが先です。どちらの設定も正しいのだとすれば『ドラゴンボールDAIMA』では、人間同士であれば1時間で効力が切れるという条件をまだ誰も知らないのでしょう。
◆天津飯の正体が明らかになる?
『ドラゴンボールDAIMA』では、額につけるととんでもない力を得られる、魔のサードアイという道具が存在することが明らかになりました。これにはナメック人に続いて、天津飯のルーツも明らかになるのではないかと話題になっています。
魔のサードアイはダーブラの父であるアーブラ大魔王が身につけていた道具です。ゴマーは地球の神龍に頼んでこれを手に入れようとしていましたが、願い事を一つしか叶えてもらえなかったため実現しませんでした。
『ドラゴンボール』で額に目があるキャラクターといえば天津飯。彼の正体が地球人であるのか、宇宙人であるのかは昔からファンの間で議論されてきたテーマでした。
なぜなら額の目はもちろん、背中から腕を生やしたり実体のある4人に分身したりと魔族に近い技を繰り出していたからです。
また、ヤムチャがクリリンのことを地球人でもっとも強いと称していたことから、地球人にカウントされていない天津飯は宇宙人という説が有力になりました。
『DRAGON BALL大全集』によると、彼は遠い昔に地球に移ってきた宇宙人「三つ目人」の子孫という設定になっています。そして、天津飯は先祖帰りした特異体質者とのこと。
そのため、「三つ目人」の祖先が大魔界出身、もしくは魔のサードアイと何かしらの関係がある可能性も大きいでしょう。
耳が尖っていないのは天津飯があくまで先祖返りであるため、体の特徴がすべて「三つ目人」そのものになっているわけではなく、耳は地球人と同じになっているのだと思われます。
そのため、「三つ目人」が大魔界出身であり、もともとは耳が尖っている可能性も考えられるでしょう。『ドラゴンボールDAIMA』の今後の展開によっては、これまで多くのファンが気になっていた天津飯のルーツも明らかになるかもしれません。
──アニメ『ドラゴンボール超』の放送が終了してから、約6年ぶりとなるアニメ作品『ドラゴンボールDAIMA』。ここにきて、これまでの『ドラゴンボール』シリーズで明かされていなかったビックリ設定が発覚。
これによって大いにファンが盛り上がっており、相変わらず『ドラゴンボール』熱が世界中で高いことを感じさせてくれます。
〈文/諫山就〉
《諫山就》
フリーライターとして活動中。漫画・アニメ・医療・金融などの記事、YouTube用シナリオを執筆・編集しています。