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 シリーズ30周年を記念して、上映企画「月1 エヴァ EVANGELION 30th MOVIE Fest.2025-2026」が行われるなど、『エヴァンゲリオン』の“これまで”を振り返る機会が増えてきました。初期の映像などを観ると、そのデザインの変化といったものも感じられますが、実はさらに最初期のデザイン案が過去には明かされています。

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◆最初期の初号機は今とは全然違った!

 『エヴァンゲリオン』の関連書籍では、『エヴァンゲリオン』の企画段階のデザイン案がたびたびお披露目されています。

 たとえば、1998年に角川書店から出版された、TVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』のメカニックデザインなどを担当した山下いくとさんの手がけた画集『それをなすもの 新世紀エヴァンゲリオンコンセプトデザインワークス』では、現在の初号機とはまったく異なるデザイン案が掲載されています。

 白いビジュアルに近未来チックな頭部デザインは、本文中に書かれている通り『機動警察パトレイバー』の“レイバー”を思わせる見た目をしています。

 この本自体は「オフィシャルな立場の人間がEVAに至るまでの道筋を連ねた」ものとして“オフィシャルな画稿集”とは明言こそしていないものの、実際に製作に携わったスタッフによるアイデアの一端として、発見の多い一冊となっています。

 また、正式な設定資料という点では2021年から日本各地で行われた「庵野秀明展」で、TVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の企画書や初号機のデザイン検討案などが展示されていました。

 デザインの検討案では“鬼のイメージ”というメモに加えて、頭部に耳とも角とも思えるような今とは違ったデザイン機体の案があったことが明らかになっています。頭部だけを見れば『ゲッターロボ』のゲッター1のようなシルエットとなっているのです。

 そこから紆余曲折を経たのか、企画書の段階では現在の初号機のデザインのように額に長い突起が伸びて角のようになっているものに落ち着いていました。

 ただし、カラーリングについては、企画書の段階では現在の紫色のビジュアルは登場していません。着色をしていない前提なのか白色のものや、カラーで描かれたものでは全身が真っ赤なデザインの初号機の姿が確認できます。

 額の長い角と槍のような長さのある武器を握ったイメージと合わさると、その姿はまさに地獄の鬼。この企画書の段階でもまだ検討案の“鬼のイメージ”という想定が生きていたのではないかと思わせます。

 

 ──『エヴァンゲリオン』シリーズは関連書籍がかなり充実しているコンテンツです。この節目にそういった製作の背景が知れるものに触れてみると、新たな発見があるかもしれません。

〈文/ネジムラ89〉

《ネジムラ89》

アニメ映画ライター。『FILMAGA』、『めるも』、『リアルサウンド映画部』、『映画ひとっとび』、『ムービーナーズ』など現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。映画『ミューン 月の守護者の伝説』や映画『ユニコーン・ウォーズ』のパンフレットにライナーノーツを寄稿するなどその活動は多岐にわたる。noteでは『アニメ映画ラブレターマガジン』を配信中。X(旧Twitter)⇒@nejimakikoibumi

 

※サムネイル画像:Amazonより 『「エヴァンゲリオン ANIMA 1」(出版社:KADOKAWA)』

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