『ギルティギア』シリーズが初のアニメ化──!
TVアニメ『GUILTY GEAR STRIVE: DUAL RULERS』が、4月5日(土)からTOKYO MXほかで放送されますが、本作の原作は言わずと知れた格闘ゲーム『GUILTY GEAR(ギルティギア)』シリーズ。作品自体の歴史は四半世紀以上もあるのですが、意外にも今回が初めてのTVアニメ化となりました。
セルルック調ではおなじみの『ギルティギア』シリーズですが、実はこのTVアニメ化に至るまでも紆余曲折のあったシリーズでした。
◆登場は世紀末 続々とシリーズが登場していた2000年代
『GUILTY GEAR』が初めて登場したのは1998年。アークシステムワークスからPlayStation向けに発売された対戦格闘ゲームが始まりでした。
ゲームの舞台は架空の世界となっており、登場人物などは実在の格闘家というよりも特殊な能力や背景を持った超人ばかり。ロック調の音楽に合わせて、派手な必殺技やコンボで魅せる当時としても異彩を放つ格闘ゲームとして登場しました。
そんな本作は2000年には続編として『GUILTY GEAR X』がアーケードゲームに登場。このころにはシリーズ最新作などにも通じる鮮明なグラフィックな2Dアニメーションゲームとしてアイデンティティを確立していきます。
ちなみにアニメシリーズの1話ではカイとディズィーの結婚式が描かれますが、そんなカイとディズィーが初めて邂逅するのもこのころでした。
この2000年代前半にはすっかり人気タイトルの一角となっており、2002年にはさらなる続編『GUILTY GEAR XX』や、バージョンアップ作や外伝作品などいくつものシリーズがさまざまなゲームハード向けにリリースを果たしていきます。今となってはこのころが第一次黄金期と言えるでしょう。
◆『ギルティギア』シリーズは一時期的にストーリーの停滞へ突入?
しかし、そんな人気シリーズとなった『ギルティギア』も2000年代後半に入り、さまざまな変化を迎えていくことになります。
まず一時的に2D対戦格闘ゲームのジャンル以外にも果敢に挑戦していきます。2006年に登場した『GUILTY GEAR JUDGMENT』では横スクロールアクションゲームとして登場。PlayStation Portable向けという携帯ゲーム機ならではの変化を遂げます。
翌年には据え置きゲーム機向けの新作でもゲームジャンルが変化します。2007年にXbox360向けに登場した『GUILTY GEAR 2 OVERTURE』は3Dの対戦アクションゲームにリアルタイムストラテジー要素を足した“メーレーアクションという、独自のジャンルのゲームとして登場します。今回のTVアニメに登場するシン=キスクはこの頃に登場しました。
一方で2D対戦格闘ゲームの『ギルティギア』作品も『GUILTY GEAR XX Λ CORE』などがリリースされ続けるのですが、『GUILTY GEAR XX Λ CORE PLUS』、『GUILTY GEAR XX Λ CORE PLUS R』とバージョンアップ版が作られるのみで、しかもこれらはそもそものベースとなる『GUILTY GEAR XX』からストーリーは大きく進まないという状況に陥っていました。
2000年代に入って、当初『ギルティギア』シリーズの販売を請け負ってサミーが経営統合を果たしてセガサミーとなったりと、新規タイトルの開発環境も変わったりしたこともあってか、新規路線という意味では2000年代後半のアークシステムワークスは『BLAZEBLUE(ブレイブルー)』といった別シリーズでありつつ同様の2D対戦格闘ゲームに注力していました。
◆10年代に久しぶりの完全新作が登場 アニメ調のビジュアルが確立
なかなかシリーズとしては停滞気味となる2000年代後半から2010年代初頭の時期を迎えた『ギルティギア』シリーズでしたが、2013年に2D対戦格闘ゲームシリーズではかなり久しぶりの完全新作となる『GUILTY GEAR Xrd』が登場し、新たな時代を迎えます。
『GUILTY GEAR Xrd』は従来とは違い、キャラクターたちは3Dポリゴンでの制作に変わります。
しかし、本作の驚くべきポイントはあくまでも見た目はフル3DCGではなくプレイヤーには手描きのセルアニメのようなグラフィックに見えるように開発されている点です。
対戦格闘ゲームのメジャー作品がフル3DCGなのが見るからに明らかな中、グラフィックの点からも明らかな違いを見せ、一方で往年のファンからはかつての面影を感じる落とし所のビジュアルを再現することに成功しました。本シリーズは大ヒットを果たし、2010年代に再びギルティギアシリーズは2D対戦格闘ゲームとして再興します。
そして2021年にはグラフィックやシステムも新たにしたシリーズの完全再構築を図った現行最新シリーズ『GUILTY GEAR -STRIVE-』が登場し、周知の通りの人気を現在も確立しています。
シリーズとしての紆余曲折もありつつ“セルアニメーション”調のグラフィックこそを特有の個性としている『ギルティギア』シリーズが、本当にTVアニメーションとして登場するのは感慨深いものがあります。
今回のTVアニメ『GUILTY GEAR STRIVE: DUAL RULERS』のアニメーション制作を担当するのは『BanG Dream!』シリーズなどでも知られるサンジゲン。『ギルティギア』とサンジゲンのタッグが今度はどんなアニメーション体験を見せてくれるのか要注目です。
〈文/ネジムラ89〉
《ネジムラ89》
アニメ映画ライター。『FILMAGA』、『めるも』、『リアルサウンド映画部』、『映画ひとっとび』、『ムービーナーズ』など現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。映画『ミューン 月の守護者の伝説』や映画『ユニコーン・ウォーズ』のパンフレットにライナーノーツを寄稿するなどその活動は多岐にわたる。noteでは『アニメ映画ラブレターマガジン』を配信中。X(旧Twitter)⇒@nejimakikoibumi
※サムネイル画像:YouTubeチャンネル『arcsystemworks』より
TVアニメ『GUILTY GEAR STRIVE: DUAL RULERS』公式サイト
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