ガンダムといえばアムロのRX-78-2を思い浮かべますが、実はRX-78を継承した機体があるのはあまり知られていません。その中には、プラモキット化もされているG-3ガンダムなどが挙げられます。また、シャアはアニメ以外でリック・ドムやガンダムに搭乗したことがあります。
◆ガンダムは「アムロだけのもの」じゃない? 歴史に葬られた一年戦争のガンダム
一年戦争のとき、アムロはガンダム(RX-78-2)でジオン軍と戦いましたが、実はこの戦争のとき活躍していたガンダムはRX-78-2のほかにも存在します。
それは、『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』の陸戦型ガンダム(RX-79[G])や、『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』のガンダムNT-1(RX-78NT-1)ではなく、アムロのガンダムと同じRX-78-●の型式番号を与えられた8機のことです。
「僕が一番ガンダムをうまく使えるんだ」と言っていたアムロもびっくりの歴史の真相とは──。
●焼かれた3機分の行方──プロトタイプとG-3
ナパームに焼かれたガンダムのパーツはプロトタイプガンダム(RX-78-1)とG-3ガンダム(RX-78-3)といわれています。
プロトタイプガンダムとアムロのガンダム、G-3ガンダムを合わせてファーストロットのガンダムと呼びます。
プロトタイプガンダムはその名のとおり試作型のガンダムです。アムロの乗ったガンダムとはカラーリング以外に大きな違いはありませんでしたが、のちにアムロのガンダムはマグネットコーティングによる強化を受けて性能が向上しています。
アーケードゲームの『機動戦士ガンダム 戦場の絆』では軽量化した近接戦闘に特化したタイプとして差別化されていました。
G-3ガンダムは富野由悠季監督が書いた小説版『機動戦士ガンダム』に登場したガンダムが元ネタで、小説版で乗機を失ったアムロが乗り換える後継機として登場します。
マグネットコーティングによる改修も済んでおり、灰色のシブい配色もあって外伝的漫画作品でも取り上げられることの多いガンダムです。
●時を経て設定された──セカンドロットのガンダム
セカンドロットに属する4号機以降のガンダムはゲーム作品で登場しています。
元々はファーストロット同様に文字媒体で設定のみ存在していましたが、時を経てデザインされているので、見た目の雰囲気もアムロのガンダムと違うのが特徴です。
4号機(RX-78-4)と5号機(RX-78-5)はPlayStation 2用ゲームソフト『機動戦士ガンダム めぐりあい宇宙』のサイドストーリーモードで遊べる、『機動戦士ガンダム外伝 宇宙、閃光の果てに…』に登場。4号機にはメガ・ビーム・ランチャー、5号機にはジャイアント・ガトリングとファーストロットにはなかったごつい装備が追加されています。
4号機と5号機は同時に運用することを前提としており、4号機のメガ・ビーム・ランチャーをチャージする間に5号機が実体弾のジャイアント・ガトリングで戦うフォーメーションが戦場で活用されました。
そして、6号機(RX-78-6)はPlayStation 2用ゲームソフトの『ジオニックフロント 機動戦士ガンダム0079』に登場。RX-78の中では唯一、マドロックという愛称がついています。
同様にガンダム7号機(RX-78-7)はPlayStation 3用ゲーム、『機動戦士ガンダム戦記』で登場しており、増加装甲をまとうことでフルアーマーガンダム7号機や重装フルアーマーガンダムです。
詳しく読む⇒ガンダムは「アムロだけのもの」じゃない? 歴史に葬られた一年戦争のガンダム
◆知られざる「シャア専用モビルスーツ」の世界
『機動戦士ガンダム』で活躍したシャアの専用機ですが、小説版やゲームでしか登場しない専用機の中には、リック・ドムや、まさかのガンダムもあります。
●小説版では決戦兵器──リック・ドム
シャア専用リック・ドムは小説版で、ザクを破壊されたシャアが搭乗した最後の愛機です。
小説版の『機動戦士ガンダム』ではジオン軍のモビルスーツはザクとリック・ドムしか存在しないので、アニメ版におけるゲルググやジオングのポジションに当たります。
シャア専用リック・ドムは特別高い推進力を持っていますが、推進力が高すぎるあまり小回りは利かず、シャアの反応速度に対応しきれていませんでした。
専用機に限らず小説版のリック・ドムは、テレビ版と異なりビームバズーカやビームサーベルと言ったビーム兵器を装備しています。
それでも性能的にはガンダムどころかジムにも敵わないものですが、アムロとの決戦時に、シャアに帯同したルロイはリック・ドムでアムロの乗ったガンダムを撃墜しています。
シャアとアムロが分かり合えたかもしれない、テレビ版とは異なる可能性が開かれた瞬間に起きた悲劇でした。
●まさかの赤いガンダム──キャスバル専用ガンダム
キャスバル専用ガンダムは、連邦の白い悪魔と呼ばれたガンダムと同型の赤いガンダムです。
ゲームの『ギレンの野望』シリーズで、シャアが早い段階でザビ家から離反し、ジオン・ダイクンの息子としてネオ・ジオンを発足した場合、ニュータイプの象徴として建造します。
性能面もカスタマイズされた結果、運動性に特化した接近戦向きのモビルスーツになりました。
『ギレンの野望』以外のゲームに登場することも多く、シャア専用ザクよろしくキックをするところからも、接近戦に特化していることがうかがえます。
通常のガンダムとの違いは、カラーリングだけでなく、腰のV字マークや、シールドの星型マーク(連邦軍のマーク)がないことです。
詳しく読む⇒シャアがガンダムに搭乗!? 知られざる「シャア専用モビルスーツ」の世界
〈文/アニギャラ☆REW編集部 @anigala01〉
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