『ガンダム』シリーズには悲劇的な死を遂げたキャラが多く存在し、『機動戦士Vガンダム』のウッソの母などがそれに該当します。また、衝撃的な裏切りを見せたキャラも多く、視聴者に衝撃を与えました。

◆悲しい最期を迎えたキャラ

『ガンダム』シリーズには悲劇的な死を迎えたキャラが多く存在します。

 中には、結婚を控えていたマドンナ的なキャラや、主人公の少年の目の前で無惨な死に方をした母親キャラも──。

●結婚を控えていた悲劇の女性──マチルダ・アジャン(機動戦士ガンダム)

 マチルダは、アムロが初めて「女性」を意識したキャラクターであり、アムロにとっては初恋といえる女性なのかもしれません。

 そんなマチルダは、大尉であるウッディ・マルデンと婚約関係にあり、オデッサ作戦が終了したのちに、結婚式を挙げる約束をしていました。

 しかし、このオデッサ作戦の途中でオルテガの操縦するドムによって、マチルダが乗るミデア輸送機はコックピットごと叩き潰され、彼女は戦死してしまいます。

 「作戦が終わったら結婚しよう」という、死亡フラグともとれる演出はここでも採用されていました。

 またウッディもジャブローの攻防戦で、シャアの駆るズゴックにファンファンのコクピットを叩き潰され戦死しています。

●最も残酷な親子の別れ?──ミューラ・ミゲル(機動戦士Vガンダム)

 主人公のウッソ・エヴィンは戦闘に参加する中、ずっと失踪していた母親を探し続けていました。その母親というのが、ミューラ・ミゲルです。

 敵の人質となってしまったミューラを助けるためにウッソは戦いますが、彼女を捕らえていたモビルスーツの身動きが取れなくなってしまったところに、敵の巡洋艦のタイヤがミューラを直撃。ウッソは目の前で探し求めていた母親を失ってしまいました。

 その後、ウッソが母の頭が入ったヘルメットだけを持って「母さんです」といったシーンにショックを受けた人も多いようです。

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◆衝撃的な「裏切り」を見せた4人のキャラ

 戦争を題材にしている『ガンダム』シリーズは、1作目からの45年の間に、さまざまな裏切りを描いてきました。

 一方から見れば裏切りですが、本人の中では一貫性がある場合もあります。しかしその信念の置きどころに納得のいかない場合も……。

●レコア・ロンド──戦場にあって「女でありすぎた」悲劇

『機動戦士Ζガンダム』に登場するレコアは、自分のことを信念を持たないと言っており、エマからは「女でありすぎた」と評価されているキャラクターです。そして正義感ではなく自分の心に従った結果、クワトロのもとを去って敵対勢力のシロッコに走ります。

 エゥーゴに所属し、カミーユと出会った物語序盤では諜報活動などの裏方業務を行っていました。

 クワトロとも恋仲にあるような描写もあり、カミーユにとってはアムロがマチルダに憧れたような、年上のお姉さん的な存在だったかもしれません。

 レコアも物語後半ではティターンズでシロッコの部下となって現れる、予想外の裏切りを見せます。

 転機となったのは地球降下作戦で単身ジャブローに潜入し、ティターンズに拘束されたときでしょう。劇中で明言はされていませんが、同時に拘束されたカイ・シデンとの会話からすると、拷問され辱めを受けたらしいことが分かります。その後も男性不信や男性嫌悪の描写がみられることから、拷問によって性的なトラウマを受けた可能性も。

 ティターンズに所属してからもバスクの命令でコロニーに毒ガスを撒く作戦の指揮をとらされ、精神的な安定とはほど遠い状況が続きました。

 最終局面ではパラス・アテネに登場し、同世代であり、ティターンズを裏切った経歴のあるエマとの戦いに敗れて戦死。

 最期のセリフとなった男たちへの深い嘆きの言葉は、多感な時期を戦争の中、1人で生きていくしかなかったレコアのさみしさがこもっています。

●ニナ・パープルトン──「悪女」の銃口の向かう先

 ニナは『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』のヒロインですが、とんでもない裏切りをしたことで『ガンダム』シリーズの悪女として名を挙げるファンも多いです。彼女はガンダム試作1号機と2号機を開発したアナハイム社のエンジニアとして、主人公のコウと出会います。

 物語はジオン軍の再興を目指すガトーに強奪されたガンダム2号機の奪還を軸に進んでいきますが、中盤でニナがかつてガトーと交際していたことが明らかに。

 コウとも恋仲になり始めた矢先、今彼と元彼が争う状況に動揺しますが、決定的な事態が起きたのは最終局面です。

 コロニー落としの阻止がかかった決戦の末、コウはガトーを追いつめます。しかしそこに乱入したニナは、あろうことかガトーをかばって銃口をコウに向けました。

 「主人公である今彼ではなく元彼を選ぶの!?」と視聴者が驚いた瞬間です。

 ニナにしてみれば、コウが怒りに任せてガトーを撃ったところでコロニーの落下は阻止できないし、人の命を奪った罪悪感を背負って生きてほしくないという気持ちがあったのかもしれません。

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〈文/アニギャラ☆REW編集部 @anigala01

 

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