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 『機動戦士ガンダム』(以下、『ガンダム』)にて、アムロ・レイの憧れの人物として登場した、マチルダ・アジャン。『ガンダム』の中で非常に高い人気を誇るマドンナキャラですが、実は富野由悠季監督が知らない場所で生まれたキャラでした。

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◆マチルダはスタッフが気に入ったから登場した?

 マチルダの誕生は、ある日脚本家が台本に「マチルダ」と、名前だけ書いてきたことがきっかけだったと『THE LEGEND STORY of GUNDAM-『機動戦士ガンダム』全43話の裏側 不朽の名作の“真実”』(出版社:徳間書店、20113月出版)の中で明かされています。

 その後、デザイナーの安彦良和氏が、名前を元に設定画を描き、制作スタッフに見せたところ非常に好評を博しました。そこで、マチルダに似合う話を制作することになったと、富野監督が語っています。

 こうして、富野監督の想定になかったキャラクターとして、マチルダは誕生しました。その後、アムロに多大な影響を与えただけでなく、非常に高い人気を誇るヒロインとなります。

 そのため、作劇上の都合とはいえ、物語中盤で退場した際にはファンの間で物議をかましたようです。そこで、富野監督はマチルダを再登場させるために、婚約者であるウッディ大尉を設定。これにより、ウッディとマチルダの結婚式のイメージシーンで、マチルダを再び描けるようにしたと前述の書籍内で語っています。

 そんなマチルダですが、富野監督が描いた小説版における活躍は、非常にあっさりとしたものになっています。また、アムロも憧れのような感情を向けていたものの、特に交流はなかったようです。

 これは、富野監督が考案したキャラクターではなかったため、重要な役割を与えなかったとも解釈できます。ただ、小説版ではマチルダとウッディも生存しており、幸せな結末を迎えていました。そのため、富野監督としても、思い入れがなかった訳ではないようにも見えます。

 

 ──脚本に書き込まれた名前から始まり、スタッフの情熱によって命を吹き込まれたマチルダ。 監督の計算の外で生まれたキャラクターが、結果として不朽のマドンナとなったのは、制作現場の熱量が生んだ奇跡といってもいいでしょう。

〈文/北野ダイキ〉

 

※サムネイル画像:プレミアムバンダイ公式Webサイトより 『「GGG(ガンダム・ガールズ・ジェネレーション)機動戦士ガンダム マチルダ・アジャン」(発売元:メガハウス) (C)創通・サンライズ』

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