『機動戦士ガンダム』を代表するキャラクターであるシャア・アズナブル。仮面を被って素顔を隠したミステリアスな姿は、今も色褪せない個性的なデザインといえるでしょう。そんなシャアの仮面ですが、実は作画の都合で生まれたものだったとされています。
◆シャアの仮面は「面倒だったから?」 名デザインに隠された意外な事実
シャアは常に仮面で覆って素顔を隠しています。その理由としては、自身の正体を隠すという理由が大きいのでしょう。シャアはザビ家への復讐を果たすため、ジオン・ズム・ダイクンの息子という身分を隠し、ジオン軍へ入隊しました。
ジオン軍を掌握するザビ家にとって、ダイクンの息子はもっとも警戒すべき存在です。そのため、復讐を果たすには、正体がバレないように気を配るのは必然でしょう。
そんなシャアの仮面ですが、実は作画の手間を省くためのデザインだったとされています。2015年10月4日に放映されたブックバラエティ『ゴロウ・デラックス』に、キャラクターデザインを担当した安彦良和氏が出演した際、シャアが仮面を被る理由について「正体を隠すということと、あとは、面倒くさいから」と語っていました。ただ、アニメ第2話で早々にシャアが素顔を晒してしまったため、安彦氏は慌てて素顔をデザインしたとも話しています。
ちなみに、シャアの仮面について、富野由悠季監督はあまり良い印象を持っていなかったようです。
事実、2015年5月19日に放送された『漫道コバヤシ』第16回、『「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN I 青い瞳のキャスバル」公開記念 安彦良和SP』にて、安彦氏は富野監督がシャアの仮面に不満を持っていたことを語っています。
そんな事情もあってか、『機動戦士Zガンダム』以降の作品で、シャアは仮面を被っていません。顔を隠す際にはサングラスを好んで装着しており、ノーマルスーツを着ている際には、平然と素顔を晒しています。これは、富野監督の仮面に対する不満が、作品に反映された結果だったのかもしれません。
──作画の効率化から生まれたシャアの仮面。結果として、復讐者であるシャアを象徴する、唯一無二のアイコンとなりました。 アニメを語るうえで、避けては通れない大人の事情が、良い方向に作用した代表例といえるでしょう。
〈文/北野ダイキ〉
※サムネイル画像:Amazonより 『「機動戦士ガンダム U.C.戦記 追憶のシャア・アズナブル」(出版社:角川グループパブリッシング)』


