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 『機動戦士ガンダムF91』(以下、『F91』)の主人公として活躍したシーブック・アノー。漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム』(以下、『クロスボーン・ガンダム』)では、キンケドゥ・ナウと名を変え、ベラ・ロナのために戦い抜きました。そんなシーブック、『クロスボーン・ガンダム』の初期案では、別の女性と浮気する設定があったのです。

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◆一途な主人公の裏の顔? シーブックに存在した衝撃の浮気設定

 シーブックは『ガンダム』主人公の中では珍しく、爽やかで実直な性格の人物です。特にベラ・ロナへの、一途な姿勢は多くの視聴者から好評を得ています。

 『F91』の続編の『クロスボーン・ガンダム』ではベラと活動するため、キンケドゥへと名前を変えていました。それは、ベラ・ロナとして戦わなければいけない、セシリー・フェアチャイルドの横に立つための覚悟の表れだったのです。

 そんなシーブックですが、『クロスボーン・ガンダム』の初期案では、ベラ以外の女性に浮気する予定がありました。しかも、その相手は作品の主人公、トビア・アロナクスの想い人であるテテニス・ドゥガチです。

 その証拠に『機動戦士クロスボーン・ガンダム メカニック設定集』(出版社:KADOKAWA20213月出版)に掲載されたトミノメモでは、「ベラ・ロナを大切にするあまり、キンケドゥ・ナウの浮気がおこるだろうが、相手は、テテニスが順当だろう。」と語られています。

 ちなみに、初期案ではテテニスの恋人として、イドモン・バローという人物が登場する予定でした。そのため、テテニスを中心に、ドロドロな三角関係が展開される可能性もあったのです。

 しかし、連載時には浮気の設定は消え、シーブックはベラに一途な好青年となりました。ただ、連載初期はトミノメモの名残からか、テテニスがキンケドゥに惹かれているような描写が見られます。

 ただ、それもトビアが活躍するにつれて見られなくなり、最終的にトビアはテテニスと結ばれました。もし、初期案のまま連載されていたら、『機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人』以降のトビアとテテニスを巡る、壮大なストーリーは描かれなかったかもしれません。

 

 ──富野由悠季監督の作品らしい、シーブックの浮気設定。もし初期案が採用されていたら、宇宙海賊の物語は愛憎渦巻く悲劇へ変わっていたかもしれません。シーブックが純愛を貫いたからこそ、我々が知る『クロスボーン・ガンダム』が誕生したといっても過言ではないでしょう。

〈文/北野ダイキ〉

 

※サムネイル画像:Amazonより 『「機動戦士ガンダムF91 クロスボーン・バンガード(上)」(出版社:KADOKAWA)』

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