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 『新機動戦記ガンダムW』(以下、『ガンダムW』)で張五飛が愛機を「ナタク」と呼ぶ姿は、多くのファンの記憶に残っています。機体への愛着からつけた名前──そう思われていましたが、その名前には実は五飛の妻が自らに冠していた名前だったのです。

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◆アニメ本編では語られなかった「ナタク」の真実

 五飛の妻は竜妹蘭(ロン・メイラン)。L5コロニーの武闘集団・竜一族の継承者で、一族最強の戦士として自らを中国の伝説上の戦士「ナタク(哪吒)」と名乗っていました。

 14歳で五飛と結婚しますが、これは一族の掟による政略結婚でした。当初、妹蘭は学問にのめり込む「ギムナジウム帰りのインテリ坊や」である五飛を認めず、結婚後に花畑で彼に一騎討ちを挑むものの、完膚なきまでに敗れます。しかし運命は二人を引き裂きます。

 地球圏統一連合がコロニーを攻撃した際、妹蘭はトールギス始龍に搭乗して出撃。しかし、激しい戦闘の中、機体の常軌を逸した出力による加重負荷に妹蘭の身体は耐えきれませんでした。シェンロンガンダムで駆けつけた五飛は敵を退けますが、妹蘭は既に手の施しようがない状態。彼女は五飛に看取られながら、自分が気に入っていた花園で帰らぬ人となりました。

 その最期の言葉で、妹蘭は五飛を「誰よりも強い」と認めました。妻を守れなかった五飛は「正義」のために戦うことを決意し、自分の機体に妻の魂が宿っていると信じて「ナタク」と呼ぶようになったのです。五飛が単独行動を好み、弱者が戦うことを嫌うのも、この経験が大きく影響しているのでしょう。

 この設定が描かれたのは、サンライズ公認オフィシャルストーリーであるコミック『新機動戦記ガンダムW EPISODE ZERO』(出版:学研プラス、1997年7月出版)。アニメ本編では一切語られなかったため、多くのファンがこの設定を知らなかったのも無理はありません。

 昨年の7月には『ガンダムW』30周年記念映像『新機動戦記ガンダムW -Operation 30th-』が公開され、アニメ本編で一度も登場しなかった妹蘭の設定画が初めてアニメーションとして描かれました。

 そして今年の3月10日、『新機動戦記ガンダムW EPISODE ZERO』の愛蔵版が学研から出版されます。『新機動戦記ガンダムW EPISODE ZERO』にはヒイロら5人のガンダムパイロット全員の過去が描かれており、アニメ本編では語られなかった彼らの壮絶な背景を知ることができます。

 五飛がなぜ「正義」という言葉にこだわり続けるのか。なぜ愛機を「ナタク」と呼び続けるのか。そのすべての答えが、妻・竜妹蘭との短くも濃密な時間にありました。

 『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』のラストで五飛がアルトロンガンダムを自爆させたのも、今はいない妻の魂の安らかな眠りを願ってのことだったのです。

 

 ──妻の名を機体に冠し、その魂とともに戦い続ける……。五飛の「正義」は、妻から受け継いだ借り物だったのです。『愛蔵版 新機動戦記ガンダムW EPISODE ZERO 』が3月に出版されることで、五飛と竜妹蘭の知られざる物語に再び光が当たることになるでしょう。

〈文/コージ〉

 

※サムネイル画像:Amazonより 『DVD「新機動戦記ガンダムW」第5巻(販売元:バンダイビジュアル)』

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