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 『機動戦士ガンダム』の主人公として広く知られるアムロ・レイ。キャッチーで覚えやすいうえに、漢字に変換しやすい親しみのある名前です。そんなアムロの名前ですが、実はテレビ局への言い訳として考案されたという経緯を持っています。

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◆「アムロ」の名前に隠されたテレビ局への対策

 『機動戦士ガンダム』には、カタカナ名ながら、漢字に変換しやすい名前を持ったキャラクターが多く登場します。

 たとえば、主人公アムロ・レイであれば、安室零と変換できるでしょう。漫画『名探偵コナン』ではこの変換後の漢字を、アムロをオマージュした安室透(本名、降谷零)というキャラクターに落とし込んでいました。

 こうした工夫は、当時のテレビ局の悪しき伝統が関係しています。『安彦良和 マイ・バック・ページズ』(出版社:太田出版、2020年11月26日)によると、70年代の子供向け番組では、主人公は美少年かつ、日本人にしたほうが安全という風潮があったようです。そのため、カタカナ名の主人公はあり得ないという認識が、作り手の間では広まっていました。

 しかし、人物設定にコダワリがあった富野由悠季監督は、業界のタブーも恐れず、主人公に天パで冴えないナードという属性と、カタカナ名を与えます。

 ただ、当時はテレビ局の外圧も強く、そのままでは却下される可能性がありました。そこで、漢字をあてられる名前にして、「主人公は日系二世です」と言い訳できるように対策したようです。こうして、日本でも指折りに有名なキャラクター名、アムロ・レイが誕生したといいます。

 なお、安彦良和氏によると、主人公の名前について、特にテレビ局側に突っ込まれることもなかったと語られています。そのため、テレビ局ではなく、作り手側こそ考えが古く、内部規制や、先入観が強かったと実感したようです。

 

 ──『機動戦士ガンダム』の放映当時は、カタカナ名の主人公はあり得ないという、先入観が残っていた時代でした。だからこそ、当時のキャラクター名には、制約を逆手に取るクリエイターの知恵が詰まっていたのです。「アムロ・レイ」の名前が時代の壁を越えて愛されているのは、作り手の覚悟が結実した証といえるでしょう。

〈文/北野ダイキ〉

 

※サムネイル画像:Amazonより 『「機動戦士ガンダムⅢ」(出版社:KADOKAWA)』

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