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 『機動戦士ガンダム』を代表する量産機であるザクⅡ。登場から45年以上経った今もなおシリーズでも屈指の人気を誇る機体ですが、デザインのモチーフは意外なアイテムでした。

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◆ザクの原点は? 名デザイナーが語る誕生の裏側

 ザクⅡ最大の特徴は、そのデザインでしょう。ワンオフの特別な機体ではなく、一般兵士が搭乗する量産兵器という、当時としては非常に斬新でした。トリコロールカラーに身を包んだヒロイックなガンダムと対照的に、カモフラージュ性を意識した迷彩カラーと、動力パイプが露出した無骨なデザインは今もなお色褪せていません。

 そんなザクⅡですが、デザインのモチーフとなったのは、防毒マスクだったようです。スタートアップの資金調達・ビジネスマッチングサイト『LEADERS online』で2017年7月7日に配信された「『継続は力なり』なぜ私はこの世界で第一人者になれたのか メカニックデザイナー 大河原邦男」という大河原邦男氏へのインタビュー記事で、大河原氏は、太平洋戦争で配られた防毒マスクが、ザクⅡのモデルだったと語っています。

 なお、大河原氏は1947年生まれで、幼少期には既に第二次世界大戦は終戦していました。しかし、戦時中配布された防毒マスクが、まだ近所の縁側の下に置いてあったようです。そのため、大河原氏にとって、防毒マスクは身近なものでした。そんな戦後の歪な日常が、今もなお評価される名量産機の原点となっています。

 大河原氏はザクⅡのシルエットには、背広も参考にしていると語っていました。元々大河原氏は東京造形大学でグラフィックデザインを専攻したのち、大手アパレルメーカーでひたすら背広のデザイン画を描いていたようです。そうした社会人時代の経験も、活かされているのでしょう。

 また大河原氏は、敵役のロボットは、主役機に比べてスポンサーの意向が入ってこなかったと、2019年4月1日に『オリコンニュース』で配信された「大河原邦男、モビルスーツの生みの親が語るザク誕生秘話『ガンダムへの反骨心』」というインタビュー記事内で話しています。そのため、ザクⅡは比較的に自由にデザインできたといいます。

 

 ──太平洋戦争の余韻を実感していた世代から生まれた無骨なシルエット。それが兵器としてのリアリズムをザクに宿し、45年以上経った今もなお評価される量産機として完成させたのでしょう。戦後の歪な日常をデザインに昇華させたそのプロセスは、まさに時代を形にする表現といえるでしょう。

〈文/北野ダイキ〉

 

※サムネイル画像:バンダイ ホビーサイトより 『「MG 1/100 MS-06F ザク Ver.2.0」 (C)創通・サンライズ』

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