『機動戦士ガンダムZZ』(以下、『ガンダムZZ』)の主人公であるジュドー・アーシタ。バイタリティにあふれる、明朗快活な性格が人気のキャラクターです。そんなジュドーですが、初期案では失恋を経て、マザーコンプレックスを抱えている繊細なキャラクターでした。
◆ジュドーは「失恋」で女嫌いに? 繊細すぎる別の顔
ジュドーといえば、明るく、妹想いで、バイタリティあふれるキャラクター性が特徴的です。アムロ・レイ、カミーユ・ビダンと、ナイーブな主人公が続いていた中で、人当たりのいい性格のジュドーは驚きを持って迎えられました。
そんなジュドーですが、実は初期案では失恋してマザーコンプレックスをこじらせてしまう、繊細な一面を持つキャラクターでした。『別冊アニメディア 機動戦士ガンダムZZ PART.2完結編』(出版社:学習研究社、1987年3月1日)によると、ジュドーは当初エマ・シーンに恋する予定だったと語られています。
エマといえば『機動戦士Zガンダム』(以下、『Zガンダム』)では、カミーユの姉のようなポジションを務めるキャラクターです。作中では終盤で退場しますが、同誌によると初期案では最終決戦後も生き残り、『ガンダムZZ』にも引き続き登場する予定でした。
そんなエマにジュドーは恋をするのですが、最終的には想いを拒絶されます。それが原因でジュドーは女性不信に陥ってしまうのです。
さらに、ジュドーはマザーコンプレックスもこじらせて、ルーのような若い女性からの好意も受け入れられなくなってしまいます。ただ、結果的にエマのような年上の女性との関わりが、ジュドーを大人に成長させていく結果となるのです。
なお、年上女性をマザーコンプレックスのはけ口にしようとする姿勢は、『Zガンダム』におけるカミーユとエマの関係にも類似しています。初期のジュドーが、いかにカミーユを意識してデザインされていたのかがうかがえるエピソードです。
ただ、最終的に、『ガンダムZZ』が明るい作風になったため、これらの案は採用されませんでした。そして、我々が知る、『ガンダム』主人公としては珍しいくらいの活発な少年が誕生するのです。
──初期案の重苦しい設定を削ぎ落としたことで、ガンダム史に残る「健康的な主人公」が誕生。前作までのイメージを払拭し、自立した少年を生み出した判断こそ、物語を希望ある結末へと導いた要因だったのでしょう。
〈文/北野ダイキ〉
※サムネイル画像:Amazonより 『小説「機動戦士ガンダムZZ(ダブル・ゼータ)〈第2部 ニュータイプ〉」(出版社:KADOKAWA )』


