『機動戦士Zガンダム』にて、シロッコの愛機として登場するメッサーラ。シロッコ設計のモビルスーツらしく、機械と生物が融合したような、独特なプロポーションが特徴的な機体です。そんなメッサーラですが、その名前は元々人間の名前として扱われる予定だったといいます。
◆メッサーラはMSではなく人間? いい名前すぎたが故の異例の転生
シロッコの愛機であり、作中初めて登場した可変機であるメッサーラ。その唯一無二の機体名も含めて、今なお愛される傑作機です。そんなメッサーラ、元々はモブキャラの名前として使われるはずでした。
『別冊アニメディア 機動戦士Zガンダム』(出版社:学習研究所、1986年3月30日)によると、モブキャラのメッサーラはアニメ第4話に登場しているようです。具体的には、カミーユがアレキサンドリアから脱出する際、ガンダムMk-Ⅱのパイロットを殴り飛ばすシーンがあるのですが、その殴られたパイロットの名前こそメッサーラでした。
彼は現在「デイバ・バロ」として知られていますが、初期案では「メッサーラ・バロ」という名前だったようです。しかし、ただのモブキャラにしてはいい名前すぎるということで、メッサーラはモビルスーツの名前へと流用されました。
ちなみに、『機動戦士 ZガンダムメモリアルLD-BOX1』に封入されたブックレットによると、「シロッコとメッサーラは、企画段階ではもっと重要存在になるはずだった」と言及されています。そのため、メッサーラの名前づけには、スタッフも頭を悩ませていたのでしょう。
そんな中、メッサーラという、雰囲気のある名前がモブキャラとして消費されそうになっているのは見過ごせなかったはずです。結果、名前を奪われたモブキャラのメッサーラは、作中「デイバ・バロ」と4回ほど名前を呼ばれただけで退場していきました。
──一兵卒の名前で終わるはずだった「メッサーラ」という名称は、その良さゆえにシロッコの愛機へと抜擢されました。名前を譲ったパイロットは影に隠れましたが、この決断がシロッコの機体にふさわしい、神秘的な名前を誕生させたのです。
〈文/北野ダイキ〉
※サムネイル画像:バンダイ ホビーサイトより 『「HGUC 1/144 メッサーラ」(C)創通・サンライズ』


