『ガンダム』シリーズでは独特な軍服を着たキャラが多く登場しますが、中には男の性欲をくすぐるお色気あふれるものや、なぜこの形状の軍服が採用されたのか疑問に思えるファッションも……。

◆アーガマの中は暑いのか?──ノースリーブ

 クワトロ(シャア・アズナブル)をはじめとした、エゥーゴのアーガマのクルーにしばしば見られるのがノースリーブです。アーガマだけ暖房が強めで暑いのでしょうか?

 エマやファだけがノースリーブならおしゃれや流行なのかと考えられますが、クワトロまで肩を出しているのは気になります。

 ちなみにクワトロと同じ形の制服を着ているヘンケンは長袖のインナーを着ることで肌の露出を控えています。

 エゥーゴ時代のレコアがノースリーブを着ていないのは、エマ曰く「女であり過ぎた」人なので、男性の前で露出度の高い服を着たくなかった可能性があります。

 ティターンズやカラバなど、同時代の他の陣営ではノースリーブで戦艦に乗っているキャラクターはあまり見られないので、アーガマにだけ起こったユニークな現象といえます。

 『機動戦士ガンダムΖΖ』の時代になるとアーガマの中でノースリーブを着ているのはモンドくらいで、むしろアクシズ陣営のマシュマーやキャラといった強化人間たちが露出度の平均を高めています。

◆下着が見えてしまっても気にしない?──ミニスカート

 もみ合うアムロとシャアにミニスカートでわって入るクェスや、いくらキュロットであるとは言え艦内を無防備に遊泳するチェーン。

 『機動戦士ガンダムSEED』シリーズではフレイもミリアリアも、ルナマリアもステラもミニスカートのまま戦艦内で過ごしており、命のやり取りをしている『ガンダム』の世界全般で、下着を見られることなんて大したことではないのかと錯覚してしまいます。

 一方でレインはドモンの見ている前でサイ・サイシーにスカートをめくられて普通にキレていましたし、目撃してしまったドモンもバツが悪そうに頬を赤らめていました。

 ちなみにノースリーブ率の高かったアーガマでミニスカートをはいているのはファくらいで、同じ制服を着ているエマはレギンスをはいています。

 1人だけレギンスをはいていない事例では『機動戦士ガンダム』ではフラウだけ生足で、セイラもミライも潜入時のミハルさえもレギンスをはいていました。物資が足りていなかったわけではなさそうですし、やはり羞恥心の感覚にずれがあり、下着を見られるくらいなら気にしなかったのかもしれません。

◆昭和の主人公は青白トランクス──男性の下着

 『機動戦士ガンダム』の1話で自室にこもって機械いじりしていた15歳のアムロと、ラー・カイラムの自室でララァの夢にうなされて怖い声を出すアムロに共通しているものが、青と白の縦じまのトランクスです。

 形状はスタイリッシュになっていますが、アムロはこの柄を好んで選んでいたのかもしれません。

 古くは松本零士さんの『男おいどん』でも主人公は縦じまのトランクスでしたし、ルパン三世や『ド根性ガエル』のひろしなど昭和の主人公の定番のスタイルだったといえます。

 現在では男性キャラクターであっても下着の描写はセンシティブにならざるを得ないのかもしれませんが、ロランはキースとの水浴びの際、紐で結ぶタイプの簡素な下着を身につけていました。

 下着は毎日交換し身につけるものなので、作りから経済状況などを見てとることができそうです。

◆仮面──素顔を隠しているほうがかえって目立つ

 『ガンダム』シリーズにおいて、仮面やサングラスなどで顔を隠しているキャラクターが登場しない作品を探すほうが難しいくらい、仮面のキャラクターはたくさんいます。

 亡国の王子や誰かのクローン。被差別階級の出身者にケガを隠すためなど理由はさまざまですが、中でも『∀ガンダム』のハリーはほかの作品の仮面のキャラクターと一線を画す存在で、過去の因縁に囚われている様子がありません。

仮面に該当する暗視グラスを着用している理由も、ディアナ様以外の女性を脇見しているのがバレにくいからつけている旨を述べるなど、ユニークな描かれ方をしています。

 またハリーの暗視グラスは親衛隊の象徴のような扱い方をされているらしく、第45話でヤコップがハリーの使っているものと同じ暗視グラスを入手して自慢していました。

 一方でハリーはファッションセンスが独特過ぎることでも有名です。

 ダンスパーティに黄色と黒のストライプのスーツで出席したところまではともかく、身分を隠して潜入する時もやはり黄色と黒のチェックのベストを着用。

 果てはパジャマも紫地に黄色い星柄のキッズ向けかと思うようなファンシーな柄で、仮面のキャラクターの中ではまともな人に見えたハリー・オードという人物の底知れなさを感じさせました。

〈文/雨琴 編集/乙矢礼司〉

 

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