『エヴァンゲリオン』シリーズでおなじみのスタジオカラーとサンライズの夢のタッグで作られた『ガンダム』新シリーズ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』が1月17日から劇場公開されます。

 本作はTVシリーズに先駆けて、一部話数を劇場上映用に再構築したという特別なバージョン。

 昨今はTVシリーズ放送前に序盤エピソードを劇場公開する例が多くなってきましたが、本作は日本テレビ系列で放送予定であることのみが発表されていて放送時期が未発表の状態。そもそも映像が劇場上映用に再構築されているという点が珍しいです。

 そういった発表の仕方の特異さからも『エヴァンゲリオン』シリーズを思い出すわけですが、公開前から早くも“考察”が盛り上がっているところもスタジオカラーらしいところです。

◆『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』はどんな作品なのか?

『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』はタイトルにもあるように『ガンダム』シリーズの最新作となっており、原作などはなく、今回のアニメーションで初めてお披露目となる完全新作のオリジナルストーリーです。

 主人公はスペース・コロニーで暮らす女子高生のアマテ・ユズリハことマチュ。平穏に暮らす彼女の前に、戦争難民の少女ニャアンや正体不明のモビルスーツ“ガンダム”に乗った少年シュウジが現れ、物語が動いていくと明かされています。

 公開前から既にキャラクターやモビルスーツのビジュアルや映像も公開されていて、中でもタイトルになっているGQuuuuuuX(ジークアクス)は主人公であるマチュの操縦するモビルスーツだと早くも発表されています。

◆考察要素が既ににアリ? 気になるアイテムが登場

 公式で明文化されている情報としてはこれぐらいなのですが、上映前に発表された予告映像から早くも、明言化されていない情報を察知して内容を考察する声が上がっています。中でも映像としてはわずかにしか映っていないマチュが手にしていたアイテムが話題です。

 というのも、マチュが持っている機械のデザインがガンダムシリーズの第一弾『機動戦士ガンダム』第33話「コンスコン強襲」に登場するある機械に酷似しているのです。その機械というのが通称“テム・レイの回路”です。

 この放送回では主人公のアムロ・レイが久しぶりに父親であるテム・レイと遭遇するシーンがあるのですが、肝心の父親は久しぶりに会った自身の安否よりも、アムロの乗っているガンダムのほうに興味津々で、ガンダムの強化アイテムをアムロに渡します。それが、テム・レイの回路です。作中ではアムロはその回路が時代遅れの産物であることを理解しており、父親の変わり果てた姿に落胆し、父と別れてその回路を投げ捨てるという悲しい印象的なアイテムとなっていました。

 今回、それと似たデザインの機械が出てくるということで、「つまり『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』はテム・レイの回路が正しく起用された世界の話なのか」「じゃあ『機動戦士ガンダム』の世界とは違うパラレルワールドの話なのか」など、早くも作中の設定を考察する声が上がっています。

 この回路は一例であり、その他、映像に登場する機体や人物が既存のものと似ているのでシリーズのつながりを予想する人や、わずかに登場する意匠から世界観や登場人物を予想する人などがいろんな予想の声がSNSなどで上がっています。

◆『エヴァンゲリオン』の流れ再び? カラー作品は油断できない?

 この予告編が公開されるなり、いろんな考察の声が上がる状態から思い出すのは、やはり直近の『エヴァンゲリオン新劇場版』シリーズの公開前です。

 かつて『エヴァンゲリオン』の新劇場版シリーズは新しい映像が解禁されるたびに、その映像を参考に「本編の内容はこうなるのでは?」とさまざまな声が上がっていました。

 公開前にああでもない、こうでもないと語られるのは、それほど『エヴァンゲリオン』シリーズが練られた設定と、予想を超えるサプライズを本編で用意してきてくれたからこそだと思うのですが、残念ながら『シン・エヴァンゲリオン劇場版』でシリーズは一区切りを迎えたわけです。

 しかし今、再び同じような雰囲気が『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』から発生しているわけです。本家本元のスタジオカラーが制作する新作タイトルということで、やはり“ただの予告映像”ではなく『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』の予告映像にも多くのヒントが隠されていると想像せざるを得ないわけです。

 これほど似た気配が生まれている状況から思うに、今でこそ知る人ぞ知る“GQuuuuuuX”という名前ですが、近い将来に『エヴァンゲリオン』のように誰もが知る名前になるなんてこともあるかもしれません。

〈文/ネジムラ89〉

《ネジムラ89》

アニメ映画ライター。『FILMAGA』、『めるも』、『リアルサウンド映画部』、『映画ひとっとび』、『ムービーナーズ』など現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。映画『ミューン 月の守護者の伝説』や映画『ユニコーン・ウォーズ』のパンフレットにライナーノーツを寄稿するなどその活動は多岐にわたる。noteではアニメ映画ラブレターマガジンを配信中。X(旧Twitter)⇒@nejimakikoibumi

※サムネイル画像:YouTubeチャンネル『ガンダムチャンネル』より


機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス) 公式サイト
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