<PR>
<PR>

 『ガンダム』シリーズは放送開始から今年で46年を迎えました。その長い歴史の中で、奇しくも名前が重複してしまったモビルスーツがいくつか存在します。「ガンダムフリーダム」と聞けば、多くのファンが『機動戦士ガンダムSEED』のフリーダムガンダムを思い浮かべるかもしれませんが、実はまったく別の機体も存在するのです。

<PR>

◆フリーダムは実は『Gガン』シリーズにも登場していた!?

 フリーダムガンダムは、『ガンダムSEEDシリーズグランプリ2024』のMS部門で堂々の第一位に輝き、2018年にNHKで放送された『発表!全ガンダム大投票』のMS部門でも5位に入るなど、ガンダムファンから絶大な人気を誇ります。

 『機動戦士ガンダムSEED』(以下、『ガンダムSEED』)の主役機として、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』や劇場版『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』などでも、その圧倒的な強さと洗練されたデザインで多くのファンを魅了してきた機体ですが、その発表以前に、同名の機体が存在していました。

 それが『機動武闘伝Gガンダム』の外伝作品『機動武闘外伝ガンダムファイト7th』(出版:講談社)に登場した「ガンダムフリーダム」です。

 こちらの機体は、後にシャッフル同盟のクイーン・ザ・スペードになったといわれるネオアメリカ代表のガンダムファイター、マックス・バーンズの愛機でした。

 かつて自由を国是としたアメリカの機体であることから、「フリーダム」と名付けられたのでしょう。初出は1996年に刊行された『コミックボンボン』増刊号であり、2003年に登場したフリーダムガンダムより7年も早く発表されています。ただし、ほかのメディアに出演する機会もほぼなく、『ガンダムSEED』のスタッフに認知されていた可能性は低いと考えられます。

<PR>

◆アメイジングズゴックは2017年に既に登場していた!?

 昨年、劇場公開された『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』(以下、『SEED FREEDOM』)で、アスランが駆る機体として驚きの登場を見せ、観客を湧かせたズゴック。

 親友であるキラの絶体絶命のピンチを救い、敵勢力であるファウンデーションへの反撃の象徴となるほど、最後まで八面六臂の活躍を見せました。

 このズゴックは、劇中でメイリンが搭乗する「キャバリアーアイフリッド」と合体し、重武装ながら高機動、高火力で破壊活動や潜入工作と大活躍していましたが、『小説 機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』(出版:KADOKAWA)にて、この状態が「アメイジングズゴック」という名称であることが明かされ、ファンにさらなる驚きを与えました。

 この機体も、前述のフリーダムガンダムと同様に名前が重複していたのです。『SEED FREEDOM』 が上映される7年前の2017年にWeb配信された『ガンダムビルドファイターズ GMの逆襲』にて、三代目メイジン・カワグチがまったく同じ名前のガンプラを生み出し、バトルを繰り広げていました。

 カワグチことユウキ・タツヤは、次代のメイジンを目指す過程で、自身の製作したガンプラに「アメイジング」という冠名をつけるようになった設定があります。

 『ガンダムビルドファイターズ』本編ではズゴック以外にもザクやケンプファー、ガンダムエクシアなどがその名を冠して登場しており、視聴者には馴染み深いフレーズとなっていました。そのため、今回の名前重複にすぐ気づいたファンも多く、SNSなどで困惑の声があがりました。

 なぜ『ガンダムSEED』シリーズの機体名がほかのシリーズ重複するのか。その理由は、監督を務める福田己津央氏にあるようです。

  『月刊ニュータイプ』 2004年4月号(出版:KADOKAWA)には、フリーダムガンダムと命名されたスタッフ会議のエピソードが書かれており、ファイヤーガンダムなどさまざまな案が出る中、語呂の悪さから周囲の反対が多かったこの名前をあえて福田監督自身が押し通したといいます。

 こういった背景から、アメイジングズゴックに関しても、福田監督ならではのインスピレーションが働いた結果なのかもしれません。

<PR>

◆設定上、名前被りを避けて通れなかった? それともあえて……

 『機動新世紀ガンダムX』で、ガロードたちを苦しめ、最後まで立ちふさがったライバル、フロスト兄弟。その弟オルバ・フロストの駆る機体が「ガンダムアシュタロン」でした。

 アシュタロンの名は、旧約聖書に登場する「ソロモン72柱」の悪魔の一人「アスタロト」が由来とされ、兄シャギア・フロストが駆るガンダムヴァサーゴとともに、悪役の機体にふさわしい威厳のあるネーミングでした。

 しかし後年、再び名前が重複する機体が登場します。『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 月鋼』の主役機体であるガンダムアスタロトです。名前をもじることなく、モチーフ元の名を直接冠しています。

 知名度の高いTVシリーズの機体だったため、名前の重複は避けられたと考えられるのですが、実は設定上、避けることができない理由がありました。

 『月鋼』の元である『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の世界では、「ガンダム」とは、はるか昔の厄災戦と呼ばれる大戦争で生み出されたガンダム・フレームを採用した機体の総称であり、生産された72機すべてにソロモン72柱の悪魔の名が付けられているのです。

 この設定により、オルフェンズの世界観が堀り下げられていく中で、ヴァサーゴやアシュタロンの名前の重複は避けられない事態でした。いずれ重複するならば、いっそ先に採用してしまおうという意図が制作陣にあったのかもしれません。

〈文/鮎喰川ほとり 編集/相模玲司〉

 

※サムネイル画像:バンダイ ホビーサイトより 『「フルメカニクス 1/100 ガンダムベース限定 ZGMF-X10A フリーダムガンダム Ver.GCP」 (C)SOTSU・SUNRISE』

<PR>
<PR>

※タイトルおよび画像の著作権はすべて著作者に帰属します

※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

※無断複写・転載を禁止します

※Reproduction is prohibited.

※禁止私自轉載、加工

※무단 전재는 금지입니다.