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 『機動戦士クロスボーン・ガンダム』で初めて登場したクロスボーン・ガンダム。ゲーム作品でもおなじみのX-1X-2X-33機は有名ですが、近年ではこれら以外にも、数多くのクロスボーン・ガンダムが次々と登場しています。

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◆カーティスとなったトビアの愛機

 漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』では、クロスボーン・ガンダムX-0が登場します。本機は木星戦役の際に、マザー・バンガードへ輸送されるはずだった、本来のX-3です。

 しかし、本機を搭載した輸送艦が事故によって行方不明となったため、予備機だった4番目の機体がX-3として配備されました。それから20年後、カーティス・ロスコと名前を変えたトビア・アロナクスによって、行方不明だった機体が回収されます。

 その後はX-0としてカーティスの愛機となり、木星共和国の特殊部隊である蛇の足(セルピエンテ・タコーン)で運用されました。そして、本機の解析データを元に、木星製のクロスボーン・ガンダムが開発されます。

 こうして誕生した木星共和国製のクロスボーン・ガンダム1号機がX-11です。ちなみに、木星製のクロスボーン・ガンダムは、ナンバリングを10番台から付け直しているため、オリジナルから数えて11番目の機体というわけではありません。

 本機は宇宙世紀0156年にロールアウト。原型機は20年も前に作られた古い機体のため、現存しないパーツも多く、所々で現行品を代用しています。それでも、性能はサナリィ製のクロスボーン・ガンダムと同等とされているようです。

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◆量産を目指したクロスボーン・ガンダム

 X-11で得られたデータを元に、木星ではより生産性の高いクロスボーン・ガンダムが開発されます。それがX-13です。

 見た目はX-11と大きく変わりませんが、所々で伝導パイプが露出していたり、ビームシールドが廃止されていたりと、各部にコスト削減の工夫が見られます。それでも、コストは目標値より30%ほど高かったようです。

 コストダウンは行っているものの、カタログ上のスペック低下はないと語られていました。しかし、カーティスの体感によると、コストダウンによるしわ寄せがきているようです。

 逆にいえば、高性能機特有のピーキーさがないため、どんなパイロットでも使いやすい機体に仕上がっています。

 なお、X-13を製造した際に、カーティスは一部のパーツ製造を地球圏の業者に委託し、設計図も開示していました。しかし、発注したカーティスが宇宙世紀0159年の戦いで囚われの身となってしまい、引き取り手がいなくなってしまいました。

 そこで業者は資金を回収するため、設計図から勝手に機体を生産し、裏ルートを通して販売しています。その結果、データ上は6機のX-13が、秘密裏に出回っているようです。

◆クロスボーンの名前を持たない後継機も!?

 X-11をベースに開発された後継機の中には、クロスボーンの名前を持たない機体も存在します。それがX-12です。これはカーティスたちと対立する、木星の好戦派が主導して開発した機体となります。

 本機は、可能な限り木星の技術を使用することをコンセプトに再設計されました。そのため、機体のデザインはクロスボーンよりも、木星系のモビルスーツに類似しています。機体自体は宇宙世紀0158年には完成し、X-11と同等の性能を獲得しました。

 しかし、好戦派としてはX-11と同等の性能では満足できなかったようです。そこで長期にわたる微調整と新型パーツの開発が行われ、X-11を超える機体としてカスタマイズされていきました。

 それから10年近く経った宇宙世紀0170年には、テンタクル・スラスターを搭載した機体が確認されています。このスラスターを搭載したことで、原型機よりも小回りが利くようになりました。

 そして、X-13の設計に、X-12で検証された木星の技術を掛け合わせて誕生した機体がX-14です。本機は量産化を見据えて開発されたため、デザインには開発し慣れている木星のバタラ系モビルスーツのものを採用。クロスボーン・ガンダムの要素は、コア・ファイターをはじめ部分的に取り入れるだけに留まっています。

 これにより生産コストを抑えつつ、総合的にはザンスカール帝国のゾロアットに匹敵するモビルスーツとして完成しました。そのため、以後十数年は、木星モビルスーツのベースになる機体と見込まれています。

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◆なぜいまだにクロスボーン・ガンダムが重宝されるのか?

 クロスボーン・ガンダムの開発から40年経った現在でも、木星では主力モビルスーツとして盛んに開発が続いています。なぜ40年前の旧式機体の開発を、ここまで熱心に続けているのでしょう? 最大の理由は、宇宙世紀における技術力の低下にあります。

 宇宙世紀0152年から始まったザンスカール戦争。この戦乱を収めたのは連邦軍ではなく、レジスタンス組織だったリガ・ミリティアでした。これにより、地球連邦には以前ほどの力がないという事実が市民に知れ渡ってしてしまいます。

 連邦という絶対的な支配者を失った各コロニーでは独立運動が活発化。それはコロニー同士による主権の奪い合いへと発展し、戦いは泥沼化していきます。

 そして、戦乱の長期化によって人々の生活は不安定になり、経済も低迷しました。これにより技術レベルも低下していき、新型のモビルスーツを開発、量産できる体力は失われていきました。その結果、宇宙世紀0160年代には、整備の難しい新型ではなく、整備も生産も容易な旧式のモビルスーツが主流になったのです。

 そんな時代において、「高性能機にも関わらず、数十年前の機体で生産が容易」という要素を満たすクロスボーン・ガンダムは、改めて重宝されているのです。

 

 ──ガンダムは、その時代の最先端技術を取り入れた高性能機という印象があるかもしれません。しかし、宇宙戦国時代への突入によって、人類全体の技術力が低下し、宇宙世紀0160年代には最新鋭機の開発が困難になりました。

 そのため、40年前の型落ち機であるクロスボーン・ガンダムの研究が熱心に続けられているのです。もし、今後人類の技術レベルが回復しなければ、これからもクロスボーン・ガンダムは絶え間なく生み出され続けるかもしれません。

〈文/北野ダイキ〉

 

※サムネイル画像:バンダイ ホビーサイトより 『「MG 1/100 クロスボーンガンダムX-1 Ver.Ka」 (C)創通エージェンシー・サンライズ』

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