ハイジのおじいさんはレギュラーキャラクターでありながら、原作・アニメともに本名が明かされていません。
村人からは「アルムのおんじ」と愛称で呼ばれており、これは「アルムの山に暮らすおじいさん」という意味です。
アニメでは、気難しく、村人たちとの交流を好まないおじいさんの過去はほとんど描かれませんでしたが、原作では詳しく語られています。
◆アルムのおんじは若いころヤバい人だった!?
原作によると、おじいさんは裕福な農家の息子として生まれ育ちましたが、気性が荒く傲慢な性格で素行が悪かったそうです。酒や賭博に溺れ、全財産を使い果たし家族も失ってしまいました。
その後、ナポリで傭兵となり、ヨーロッパ中の戦場を渡り歩く生活を送りますが、ある日、ささいなケンカが発展し、相手を手にかけてしまったという噂もあります。
アニメ第1話でも、おじいさんの悪い噂が流れており、ハイジの叔母のデーテに対し、ハイジを彼に預けるのはやめたほうが良いと忠告するシーンがあります。
子供向けのアニメだったため、おじいさんの過去は描かれませんでしたが、彼の気性の荒さは、アニメの随所に見られます。
たとえば、アニメの第6話ではおじいさんが村人に対してささいなことで激高したり、パン屋の店主から値上げの報告を受けて「この店は夫婦そろってインチキをするつもりか!」と怒鳴りつけたりするなど、感情的になりやすい一面が描かれています。
しかし、孫のハイジには優しく接し、感情的になることはほとんどありません。ハイジは、孤独だったおじいさんにとってかけがえのない存在なのでしょう。
──アルムのおんじほどではないと思いますが、誰にでも若気の至りというものがあります。その経験から学びを得て、人は成長していくのでしょう。
〈文/相模玲司〉
《相模玲司》
大学卒業後、編集プロダクションに入社。メンズファッショ誌の編集に従事したのち、フリーランスの編集・ライターとして独立。アニメ・漫画関連のムック本の制作や、週刊誌のWeb版の取材記事の作成に携わる。
※サムネイル画像:Amazonより 『DVD「アルプスの少女ハイジ ハイジとクララ」(販売元:日本コロムビア)』



