ゾルディック家の末っ子、カルトは幻影旅団に入団しましたが、彼(彼女)目的とは? また、コミックス36巻には花を持ったイルミが描かれていますが、この花は何を意味しているのでしょうか?
◆カルトが幻影旅団に入ったワケ
カルトがキメラ・アント討伐のときに口にした「兄さんを取り戻すため」という言葉の意味、幻影旅団に入った理由は多くのファンから考察されていますが、いまだに答えが明らかになっていません。
はたして「兄さん」は誰のことをさし、カルトは幻影旅団で何をしようとしているのでしょうか?
●幻影旅団に入った目的はキルアを守るため?
カルトは「グリードアイランド編」のときに幻影旅団に入っていましたが、このことがキルアを取り戻すことにどうつながるのかは謎です。ただ、旅団に入った目的の一つはキルアを守るためなのではないかと推察されます。
グリードアイランドを落札するためのお金を作るために、キルアたちは幻影旅団をターゲットとしていました。その結果ゴンと一緒に捕まっており、運が悪ければこのときに命を奪われていてもおかしくはなかったです。
この時点では鎖野郎がクラピカであるという認識を持っておらず、イルミから仕掛けられていた針の効果もあってかキルアはノブナガとの駆け引きにも冷静に対処して逃げ出すことに成功。しかし、カルトとしては大事な兄、ゾルディック家からすれば期待の跡取りを失っていたかもしれない由々しき事態でした。
このことから再びキルアが幻影旅団とぶつかるような状況になったときに、カルトがクモ内部にいればその情報を迅速にシルバやゼノに伝えられます。そうすればキルアが幻影旅団に命を奪われるような事態を避けるために動けますし、カルトも内部から妨害したりキルアを手助けしたりもできるでしょう。
イルミの針によってキルアはピンチになれば逃げるよう思考が操作されていましたが、幻影旅団に本格的にねらわれるとそれだけで生き延びれるかは心もとないです。カルトの旅団入団は、キルアのための保険の意味合いもあるのだと考えられます。
●幻影旅団をキルアの居場所にして一緒に過ごすため?
カルトはフェイタンとザザンの戦いを見て「No.2くらいならすぐとか思ったけど」と発言していました。このことから強くなって幻影旅団でのし上がることも目的の一つだと考えられます。
すぐにでもNo.2になって、ゆくゆくは団長の座に就くことがカルトのねらいだったのではないでしょうか。シルバはかつて仕事で幻影旅団のメンバーを倒しており、息子たちにはクモに手を出すなと警告しています。
ゾルディック家としては将来的にカルトが団長になれば、旅団との衝突も避けられるという思惑があったのかもしれません。また、カルトからすればキルアが家業を継がない選択をするということも危惧しているでしょう。
キルアは家業が嫌で1度家出をしたあと、また旅立っています。シルバは戻ってくると自信満々でしたが、カルトからすればこのまま帰って来ないのではないかという心配も大きいはずです。
もしキルアが戻らないと決断したとき、ゾルディック家より比較的自由に行動できる旅団は闇の住人にとってうってつけの居場所となるでしょう。そのときにカルトが幻影旅団を自分のものとしていれば、キルアを何の障害もなく迎え入れられます。
実際に現在幻影旅団に入っているイルミとカルトは行動を共にしていることから、キルアもメンバーになれば一緒に過ごす時間を増やせるでしょう。はたしてカルトのキルアへの執着心の強さと原因が今後明かされるときが来るのでしょうか。
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◆36巻表紙の“花”の謎「イルミは死亡している?」
『HUNTER×HUNTER』では今後のストーリー展開について暗示する伏線が、表紙に描かれていることがあります。その一つではないかと考察のネタになっているのが第36巻の表紙に描かれている、花を持っているイルミです。
イルミはもう死んでいるのではないかという見解もあり、この花は何を意味しているのでしょうか?
●第36巻の表紙に描かれた花──第12巻とリンクする幻影旅団メンバー
第36巻の表紙には幻影旅団が描かれていますが、既に死んでいるメンバーは花に置き換えられています。そして、新しく旅団に加わったイルミが花を持っていることに対して、今後のストーリーの伏線になっているのではないかと考察しているファンも多いです。
この第36巻の表紙は第12巻の表紙とリンクしており、いずれも旅団メンバーが描かれています。13人の旅団メンバーがいる第12巻に対して、第36巻では死亡しているウボォーギン、パクノダ、シャルナーク、コルトピがおらずイルミとカルトが追加。
両巻を比べると旅団メンバーは同じ場所に描かれていてパクノダ、シャルナーク、コルトピのところが花に変わっています。そのため、花が死を意味しているのは間違いないでしょう。
そして、イルミも花を持っていることが考察ネタとなっています。この花が今後のストーリーに関係する伏線となっているのか気になるところです。
●イルミが死んでいる説──花と口と自己紹介
花が死を意味していることから、それを持っているイルミがもう死んでいる説を唱えているファンも多いです。また、第36巻の表紙のイルミには口が描かれておらず、「死人に口なし」ということもこの説の根拠になっています。
さらにイルミは旅団メンバーへ「ハーイ ボクはイルミ」と自己紹介。このセリフが「敗北はイルミ」と変換でき、それは彼が既に誰かに負けて死んでいることを意味します。
仮にイルミが既に死んでいるのなら、旅団の前にいる彼の正体は誰なのでしょうか。これまでイルミの一人称は「オレ」であったのに対して、自己紹介のときは「ボク」となっています。
一人称で「ボク」を使うのはヒソカです。そして、自己紹介でイルミは右手を「ヒ」の形にしていることから、犯人はヒソカではないかと考察されています。
クロロに負けて死後強まる念によって息を吹き返したヒソカは、失われた指や足部分を伸縮自在の愛(バンジーガム)で型取り、薄っぺらな嘘(ドッキリテクスチャー)で質感を再現しています。これらの能力を利用すれば、ヒソカがイルミに化けることは可能でしょう。
また、旅団メンバーが中央食堂から解散するとき、カルトとマチだけがイルミを見ています。カルトはイルミの弟で当然一緒に過ごした時間が長く、マチは旅団でヒソカと行動することが多かったです。
そのため、この2人だけがイルミの違和感に気づいているのではないかという見解もあります。しかし、キャラクターの目的や行動原理を考えると、この説の可能性は低そうです。
なぜならヒソカは旅団メンバーと戦いたがっているので、変身して紛れ込む意味はありません。イルミはカルトとともに行動していますが、仮に正体がヒソカだとすれば既にカルトや単独行動をしているマチをねらっているでしょう。
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〈文/アニギャラ☆REW編集部 @anigala01〉
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