<この記事には漫画『HUNTER×HUNTER』最新話までのネタバレが含まれます。ご注意ください。>

 さまざまな勢力がそれぞれの思惑で暗躍する「王位継承戦編」。その中でもイレギュラーな存在として、ブラック・ホエール1号に乗船しているのが幻影旅団たちです。彼らの最大の目的は、ヒソカを仕留めること。

 特に注目されているクロロとヒソカのリベンジマッチの行方はいかに……?

◆今のままではクロロはヒソカに勝てない!?

 クロロとヒソカの初対決の場は天空競技場でした。そして、初戦ではクロロが見事に圧勝しています。それもそのはず、クロロはヒソカとの対決に際し、事前に十分な準備を整えて戦闘に臨んでいたからです。

 このとき、クロロが用意していた能力は合計6つ。そのうちの2つは、団員であるシャルナークの能力「携帯する他人の運命(ブラックボイス)」と、コルトピの能力「神の左手悪魔の右手(ギャラリーフェイク)」です。さらに、観客が多い天空競技場の環境も、クロロが準備した能力の真価を最大限に引き出せる有利な場所となっていました。

 第357話でヒソカ本人も「クロロ級と闘ると相手十分の条件で勝つのは難しい」と素直に認めています。

 一方、現在の状況はどうでしょうか? ヒソカは「死後強まる念」で復活後、マチに「戦う相手と場所を選ばない」ことを宣言し、真っ先にクロロに能力を貸していたシャルナークとコルトピの命を奪っています。つまり現在のクロロは、ヒソカに確実に勝つための能力を2つも失っている状態です。さらに、船内という環境では遭遇=即戦闘になるため、戦う場所を選べない点もヒソカ有利に働いています。

 両者のリベンジマッチの勝敗を分けるのは、クロロが先に手札をそろえるか、その前にヒソカがクロロを倒すか、それが大きなカギとなります。

◆ヒソカに勝つための2つの算段……

 クロロは、今度こそ確実にヒソカの命を奪うため、2つの策を考えています。

 まず1つ目は、自らの能力「盗賊の極意(スキルハンター)」の進化で、第406話でクロロ本人が語っている進化の条件がカキン帝国“三種の神器”を盗むことです。これはカキン帝国のお宝を盗むという幻影旅団の真の目的とも共通しています。

 まさに一石二鳥の作戦ですが、進化すると具体的に「盗賊の極意(スキルハンター)」にどういった効果が及ぶのでしょうか?

 そのヒントとなるのが2022年に行われた「冨樫義博展 -PUZZLE-」での展示物です。ここでは、念能力に“修練度”があるという新情報が解禁されました。

 評価の指標は“優”<“秀”<“天賦”<“極”で、なんとクロロの修練度は上から2番目の“天賦”だったのです。修練度“極”とは「能力者が会得できる最高到達点」と解説されており、簡単にいうとそれ以上の伸び代がないレベルカンスト状態と捉えられます。

 つまり、クロロが“三種の神器”を盗めた場合、“スキルハンター”の修練度が“極”になることが考えられます。

 そして、それが能力の最高値になるならば、潜在的な性能をフルに発揮できるはずです。現在の「盗賊の極意(スキルハンター)」は、4つの複雑な条件をクリアして初めて相手の能力を盗めますが、フルで性能が発揮できれば、今より簡単な条件で効率的に能力を盗めるようになると考察できます。

 そして2つ目がヒソカを倒せるレア能力を手に入れることです。クロロは第406話で「恋のダイヤル6700(イマワシデンワ)」という能力を使い、ヒソカを確実に仕留められるレア能力の持ち主を探していました。しかし、レア能力の持ち主はクロロが現在いる第3層にいないことが分かっています。

 クロロはリスクを承知で、王位継承戦の舞台の第1層を目指すことを決意します。そこには数多くの能力者たちがいるので、クロロが欲しがっているレア能力を見つけられる確率はグンと高まるはずです。さらにクロロは王位継承戦に使われている“三種の神器”も第1層にあると踏んでいます。

 しかし、同時に第1層には標的であるヒソカがいることも注目しなければならないでしょう。第1層はクロロにとって、ねらっているお宝、能力、標的の3つがそろっている場所となるのです。

 これらのことから戦いの舞台が第1層になるという点は、今後の展開の大きなカギとなってくるはずです。

◆ねらいはクラピカの能力?

 それでは、クロロがねらうレア能力とはいったいなんなのでしょうか? ここで注目したいのは、ヒソカが「死後強まる念」で復活できる点です。

 仮に再びヒソカを倒したとしても「死後強まる念」があれば復活できてしまいます。つまり、この念をどうにかできるかが焦点になるでしょう。

 なんでもアリとも思える「死後強まる念」ですが、発動条件にオーラが必須であることに変わりありません。

 要するに、オーラが出ない“絶”状態にしてからヒソカを倒せば、「死後強まる念」は発動できないのです。

 つまり、クロロが探しているレアな能力者とは、相手のオーラを奪えたり、強制的に“絶”にできたりする能力者だと考察できます。

 先ほどカギになると考察した第1層に、その両方に当てはまる能力者が、1人います。それがクラピカ──。

 クラピカとクロロの間にはそれぞれ因縁があります。しかし、王位継承戦を止めたいクラピカと、「盗賊の極意(スキルハンター)」の進化を目論むクロロは、それぞれ“三種の神器”というアイテムで利害が一致している状況です。

 そしてクラピカは、対象を強制的に“絶”にできる中指の能力と、相手の能力を奪いオーラを吸収し続ける人差し指の能力を持っています。どちらも相手を“絶”に持ち込める強力な能力です。

 中指の能力“チェーンジェイル”は対象が旅団メンバーに限定されるので使えませんが、人差し指の能力“スチールチェーン”は、緋の眼が発動してなくても使える能力なので、クロロが盗んでも問題なく使用できるはずです。

 つまり、クロロにとってクラピカは、利害が一致するだけでなく、ヒソカを倒すレア能力を持っている存在でもあります。

 そう考えると、クロロがヒソカを倒すために最大のカギとなる人物こそが、クラピカである可能性は十分に考えられるのではないでしょうか。

〈文/fuku_yoshi〉

 

※サムネイル画像:Amazonより

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