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<この記事には漫画『HUNTER×HUNTER』のネタバレが登場します。ご注意ください。>

 最近、連日のようにX(旧Twitter)のポストで『HUNTER×HUNTER』の進捗を報告している冨樫義博先生。第420話までの原稿制作の報告には、王位継承戦の加熱を暗示するかのように各王子たちのラフが描かれています。連載再開への期待も高まっている中、果たしてどの王子が生き残るのでしょうか?

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◆最後まで生き残りそうな最有力王子は誰だ?

 最新第410話までで確実に生き残っている王子は9人です。第1王子ベンジャミン、第2王子カミーラ、第3王子チョウライ、第4王子ツェリードニヒ、第5王子ツベッパ、第6王子タイソン、第11王子フウゲツ、第13王子マラヤーム、第14王子ワブルになります。

 余談ですが、第410話でベンジャミンが「残る王子はあと4人」と言っていますが、これは文脈から「生存者が残り4人」ではなく、「所在が分かっていないのが残り4人」だと考えられます。

 そして、脱落した描写はないものの、第7王子ルズールスはベンジャミンの発言では現時点で「生死不明」となっています。また第9王子ハルケンブルグは既に亡くなっていますが、念能力によって魂だけがベンジャミンの側近・バルサミルコの肉体に転移しています。つまり、継承戦のルールでは「生存扱い」になっていた可能性が高いでしょう。

 しかし、第410話でバルサミルコが持っていた生物兵器「TSK-17」にベンジャミンが感染していることが発覚。この時点で、ベンジャミンがまだ生きていることから、バルサミルコに憑依していたハルケンブルグは脱落した可能性が高いと考えられます。ただし、ベンジャミン自身も余命約12時間の状態です。

 そうなると生き残る有力候補となってくるのが、やはりツェリードニヒではないでしょうか。物語の主軸となるクラピカと浅からぬ因縁があり、現在は念能力者としても強敵になりつつあります。さらに、時間がないベンジャミンもツェリードニヒの所在を把握していない様子で、ライバルとなる王子がいない点もアドバンテージです。

 次に、クラピカとの接点から考えるとワブルも有力候補になるでしょう。ワブルはまだ赤子ですが、実は14人の王子の中で唯一守護霊獣が分かっていません。各王子に憑いている守護霊獣の能力は、継承戦で生き残るために欠かせないものです。ここまで明かされていないワブルの守護霊獣が、継承戦を打開する破格な能力を秘めている可能性も十分に考えられます。

 守護霊獣の能力という視点でみれば、マラヤームも候補に上がるかもしれません。ハンゾウやビスケも考察しているように守護霊獣が徐々に成長していますし、何より不可侵の念空間を生み出す能力はかなり強力です。恐らくベンジャミンが所在を把握していない4人の王子のうち1人が彼だと考えられます。

 マラヤームの能力なら守りはもちろん、仮に空間の断絶で相手を閉じ込めることができれば、継承戦での生存確率が一気に高まるでしょう。閉じ込めるだけなら、王子同士の直接攻撃禁止のルールにも抵触しないというのが、意外とミソになるかもしれません。

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◆「生き残る王子=ビヨンドの隠し子」の可能性が高い?

 王位継承戦で忘れてはならないのが、第401話で判明した通り王子たちの中にビヨンド=ネテロの実子がいることです。ビヨンドの実の娘・ロンギの考察では、ビヨンドが実子を生き残らせるために他の王子の命を奪う作戦を立てているとのこと……。

 実際、ロンギたち「強い詛贄者(ソエモノ)」には「死後強まる念」がかけられており、それが確実に標的の命を奪う強力な「呪い」であることが分かっています。つまり、生き残る王子=ビヨンドの隠し子である可能性が非常に高いと推察できるのです。

 そして先ほど有力候補にあげた王子の中で、ビヨンドと共通点が多いのはやはりツェリードニヒになります。まず、注目したいのはツェリードニヒの念能力の才能です。ツェリードニヒは現在異常なまでのスピードで念能力を習得しています。これがネテロの「血筋」によるものならある意味納得でしょう。

 また、ツェリードニヒが髪を束ねた時の容姿も、どこか若かりし頃のアイザック=ネテロを彷彿させます。そして、1つのことに集中して極めるという念の修行方法や、圧倒的な集中力にも似たものを感じるのではないでしょうか。

 隠し子の残りの有力候補としてマラヤームの可能性は考えられなくもありません。しかし、現時点ではビヨンドとの共通点が少なすぎます。また、ワブルに関しては第8王妃オイトのこれまでの行動を見る限り、限りなく可能性は低いでしょう。

 このことから、順当にツェリードニヒが生き残り、ビヨンドの息子として今後も物語に関わってくる可能性が一番高いかもしれません。

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◆誰が生き残ろうと最後に笑うのはビヨンド?

 ここまで、ビヨンドの隠し子で最後まで生き残るのが第4王子ツェリードニヒだと考察しました。しかし、少しメタ的な視点から考えると、「あの冨樫先生がストレートにツェリードニヒを生き残らせるのか?」という疑問が浮かぶ人も少なくないでしょう。

 実は、王位継承戦自体、誰が生き残ろうと大差がないシステムだと考えられます。その根拠となるのが、第371話で円形に並べられていた謎の棺です。棺は全部で14基あり、幾何学模様の円の中心にある1つのカプセルにつながっていました。

 つまり、生き残った最後の王子が中心のカプセルに入ると仮定すると、13人の王子たちとともにナスビー国王が最後の一基の棺に入ると推察できます。そうなると、恐らく各王子たちの意志、または能力の一部などが生き残った王子に引き継がれるのではないでしょうか。

 実際にナスビー=ホイコーロ国王が第12王子モモゼを納棺した際、「娘はカキンの大樹の礎となり生前よりも力強く輝き息づいているホ」と語っていました。このことから、亡くなった王子たちにも何かしら役割があると捉えられます。

 つまり、カキン帝国の国王はたんなる個としての存在ではなく、連綿と続いてきた王族たちの魂を継承した集合体のような存在だと考えられます。それが事あるごとに出てくる「カキンの大樹」と捉えたら辻褄が合うのではないでしょうか。そう考えると、誰が生き残ろうと大きな差がないのです。

 そして何より重要なのは、このシステムをビヨンドも知っている可能性が高いことです。狡猾なビヨンドは実子である「詛贄者」にも「死後強まる念」を仕掛けています。もちろん、同じく実子である王子にも「死後に発動する念」を仕掛けていても不思議ではありません。そうなると、ビヨンドの真の目的は「カキンの大樹」にありそうです。つまり、最後に笑うのはビヨンドとなるのかもしれません。

 

 ──冨樫先生はこれまでも予想を大きく超えた展開で我々読者を驚かせてきました。そういった意味でも、今回の王位継承戦では誰がどう生き残っても不思議ではないでしょう。

〈文/fuku_yoshi〉

《fuku_yoshi》

出版社2社で10年勤め上げた元編集者。男性向けライフスタイル誌やムックを中心に、漫画編集者としても経験を積む。その後独立しフリーライターに。現在は、映画やアニメといったサブカルチャーを中心に記事を執筆する。YouTubeなどの動画投稿サイトで漫画やアニメを扱うチャンネルのシナリオ作成にも協力し、20本以上の再生回数100万回超えの動画作りに貢献。漫画考察の記事では、元編集者の視点を交えながら論理的な繋がりで考察するのが強み。最近では、趣味で小説にも挑戦中。X(旧Twitter)⇒@fukuyoshi5

 

※サムネイル画像:Amazonより 『HUNTER×HUNTER 第35巻(出版社:集英社)』

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