<PR>
<PR>

<この記事には漫画『HUNTER×HUNTER』のネタバレが登場します。ご注意ください。>

 さまざまな勢力の思惑が絡み合い、ますます混迷の様相を呈している王位継承戦。実はその裏ではビヨンド=ネテロが暗躍していたことが判明し、ここにきて継承戦でも中心人物の一人として注目されています。そんなビヨンドの目的はどこにあるのか? 第401話でリクエストした「話したい奴」がその真意を解き明かすカギを握っているのかもしれません。

<PR>

ビヨンドの「話したい奴」は十二支んが連れて来られる人物

 ビヨンドがリクエストした状況を踏まえると、まず前提条件として「話したい奴」はカンザイが連れて来られる人物に限定されるでしょう。つまり、十二支んの権限で接触ができ、かつ面会を許可できる人物だと考えられます。そうなると、所在が判明している者に限られるので幻影旅団やマフィアの関係者といった可能性はほぼなくなります。

 これらの条件とビヨンドが拘束されている状況を考慮すると、真っ先に思い浮かぶのはやはりビヨンド側の人間との接触です。そして、接触を図るなら候補となるのはジン=フリークスではないでしょうか。現在、ビヨンド側のNo.2はジンですし、メタ的にもジンを継承戦のストーリーに絡ませるならこのタイミングしかないとも考えられます。

 しかしビヨンド自身は、十二支んとの対決は暗黒大陸に入ってからだと言っており、それまでは大人しくしているとも語っています。また、敵陣営の接触を十二支んたちが黙認するとは思えず、ジンの可能性は限りなく低いでしょう。

 そうなると、次の候補として考えられるのが実の子供との関係者です。第401話では、ロンギによりビヨンドの実子が王子の中にいることが明かされており、話のつながりからその関係者と考えるのが自然ではないでしょうか。

 しかし、さすがに継承戦の最中で王子を呼び出すことは、一協会幹部の十二支んの権限では不可能でしょう。もちろん、ここで新キャラクターが登場する可能性も考えられますが、物語がかなり進行した現在では既存キャラクターの方が可能性は高いように思えます。

 そこで考えられるのが王妃です。王妃は王子たちの母親でもある前に、ビヨンドと関係を持った女性になります。十二支ん経由でビヨンドの名前を出せば、面会に応じる可能性は高いでしょう。その中でも特定の人物を挙げるなら、第1王妃ウンマです。

 注目したいのは、母親なのに子供に対して対応や態度を変えている王妃になります。仮に王妃が女性としてナスビー国王よりビヨンドへの愛が深かった場合、やはりビヨンドの子供のほうを溺愛するのではないでしょうか? そして、第1王妃ウンマはベンジャミンやツェリードニヒ、ハルケンブルグの母親ですが、明らかにハルケンブルグだけを溺愛しています。

 もちろん、第7王妃セヴァンチもモモゼとマラヤームとでは極端なほど対応が違います。しかし、セヴァンチは現在マラヤームの念空間内で隔離されているため、いくらカンザイでも連れ出せないと考え、その点を考慮するとウンマの方が現実味はありそうです。

 どちらにせよ継承戦の最中であり、王妃とはいえその動向が大勢に知られるため、やや可能性は低いのかもしれません。

<PR>

ビヨンドは「念」を通して王位継承戦を監視している?

 ここまで何人か候補を考察しましたが、結論から言うとビヨンドが「話したい奴」はクラピカの可能性が高いと推察します。

 根拠として注目したいのは、第401話でロンギが口の中にある「呪いの刻印」をクラピカに見せていた点です。念能力は、基本的に能力者が特定の能力を相手に付与した場合、その効果範囲内に限り状況を把握できるケースが多いのです。

 たとえば、クラピカの「律する小指の鎖(ジャッジメントチェーン)」は、対象者が除念した場合、解除されたことが分かる仕組みになっています。またコルトピの「神の左手悪魔の右手(ギャラリーフェイク)」は、複製物が円の役割を果たしており、コピー元に触れれば複製物の所在や状況が確認できます。

 つまり、ロンギに刻まれた「死後強まる念」が本当にビヨンドによるものなら、念によって「詛贄者(ソエモノ)」の状況を把握できている可能性が高いハズ。そして、何より不気味なのがこの刻印のデザインがまるで「目」のように感じられる点です。仮に刻印に映った物を視ることができるなら、映っていたのは当然ロンギが刻印を見せた人物……つまり、クラピカとなります。

 このことから、ビヨンドは「詛贄者(ソエモノ)」の情報がクラピカに渡ったことを察しても不思議ではありません。何よりクラピカならカンザイも配置を知っていますし、呼び出すことができるという条件にも当てはまります。

<PR>

ビヨンドがクラピカに会う目的とは?

 しかし、クラピカは現在ワブル王子の護衛の真っ最中でよほどのことがない限り席を外すとは考えにくいでしょう。ただし、それは内容次第です。仮に、ビヨンドの話がワブルの安全に直結するのであれば話が変わってくるのではないでしょうか。具体的には、王位継承戦を確実に終わらせるための協力になります。

 ビヨンドの目的はロンギの考察では「自分の子供を国王にする」こと……。つまり、継承戦を終わらせるのは、ビヨンドの目的が何であれ必要になってくる過程だと考えられます。そう考えると王位継承戦を終わらせる点においてはビヨンドとクラピカの利害が一致しています。

 そして、注目したいのが第371話で円形に並べられていた14基の棺と幾何学模様の円の中心にある1つのカプセルにつながっている装置です。ナスビー国王がモモゼ王子を納棺した際、「娘はカキンの大樹の礎となる」と語っていたことから、恐らく生き残った王子に何かしらカキンの大樹の役割が継承されると推察できます。普通に考えたら、自分の子供を生き残らせようとするはずですが、狡猾で強かなビヨンドの場合にそれが当てはまるかは疑問です。

 なぜならビヨンドはロンギをはじめ、自分の子供に「死後強まる念」を刻んでおり、王子にも何かしらの仕掛けを施していても不思議ではないからです。仮に、誰が生き残っても「死後強まる念」が発動しビヨンドに理があるシステムだとすれば、別に生き残るのがワブルでも良くなります。つまり、表向きには完全にクラピカと利害が一致するので、話次第ではクラピカへ協力を打診する可能性もあるでしょう。

 

 ──王位継承戦の黒幕とも思えるビヨンド=ネテロですが、ナスビー=ホイコーロ国王と結託している可能性も捨てきれないのが実状です。どちらにせよ、暇つぶしに話し相手を呼ぶのではなく、何かしら思惑があることは間違いないでしょう。ビヨンドが打つ次の一手次第では、継承戦に終止符が打たれるのかもしれません。

〈文/fuku_yoshi〉

《fuku_yoshi》

出版社2社で10年勤め上げた元編集者。男性向けライフスタイル誌やムックを中心に、漫画編集者としても経験を積む。その後独立しフリーライターに。現在は、映画やアニメといったサブカルチャーを中心に記事を執筆する。YouTubeなどの動画投稿サイトで漫画やアニメを扱うチャンネルのシナリオ作成にも協力し、20本以上の再生回数100万回超えの動画作りに貢献。漫画考察の記事では、元編集者の視点を交えながら論理的な繋がりで考察するのが強み。最近では、趣味で小説にも挑戦中。X(旧Twitter)⇒@fukuyoshi5

 

※サムネイル画像:Amazonより 『HUNTER×HUNTER 第35巻(出版社:集英社)』

<PR>
<PR>

※タイトルおよび画像の著作権はすべて著作者に帰属します

※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

※無断複写・転載を禁止します

※Reproduction is prohibited.

※禁止私自轉載、加工

※무단 전재는 금지입니다.