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<この記事には原作漫画『HUNTER×HUNTER』のネタバレが登場します。ご注意ください。>

 ゴンの母親が誰なのかというのは、『HUNTER×HUNTER』における最大の謎の一つです。伏線らしいものも見当たらずファンの間でもさまざまな考察がなされ、可能性がありそうな女性キャラクターの名前がいくつか挙がっていました。

 しかし、「グリードアイランド編」を振り返ってみると指定ポケットカードにゴンの母親の正体を暗示する布石が打たれており、意外な人物がゴンの生みの親だった可能性が浮上しています。

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◆ゴンの母親候補に挙げられる女性

 ゴンの母親として早くから名前が挙げられていたのは、グリードアイランド(略称:G・I)でプレイヤーの入退出の管理をしていた双子の姉妹エレナとイータです。さらには彼女らと同じゲームマスターと目される性別不明の奇人イックションペも候補に浮上しています。

 グリードアイランドのスペル表記は「GREED ISLAND」となっており、ゲームマスターの名前の頭文字を並べて作られました。このうちの「I」に該当する人物はまだ明らかになっておらず、それがイックションペではないかと推察されています。

 現在イックションペは電脳世界の住人となっており、「選挙編」で明らかになった姿は動物のようなかなり奇抜なかっこうをしていました。そのため、それが本当の姿なのかということはもちろん、性別すらも定かではないので女性の可能性もあります。

 エレナやイータにしろ、ゲームマスターのメンバーであればジンと一緒に過ごした時間も長いでしょう。ジンならその期間に何となくな雰囲気でも、子供を作る関係にもなりそうです。

 ただ、ゴンはエレナやイータと会っていますが、自分の母親であるという直感を抱いた雰囲気はありませんでした。また、ジンと3人のやり取りを見ると、過去にそのような関係があった男女のようには見えません。

 いずれにせよ彼女たちに関しては決定的な根拠はもちろん、伏線と思わせるような描写も見当たらない状態です。巧みな伏線を仕込んで来る冨樫義博氏であれば、ゴンの母親の正体を示唆するような手がかりも既に残している可能性も十分考えられます。

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No.007「身重の石」に隠された謎

 グリードアイランドの指定ポケットカードには「身重の石」という男女関係なく、子供を身ごもれるアイテムが存在します。この石を使って出産したのであれば、ゴンにはそもそも母親がいなかった可能性も考えられるでしょう。

 「身重の石」は重さ3kgの石を1ヵ月間肌身離さず持っていると、達成の1週間後に男女問わず必ず身ごもるというアイテムです。石は男石と女石の2種類があって好きなほうを選べるということですから、男の子と女の子のどちらにするかを自分で決められます。

 男が「身重の石」を使って妊娠する場合は、どのように出産するのかは謎です。仮に帝王切開するとしても、No.017「大天使の息吹」を使えば瀕死の重傷でも治せるので出産の心配はいりません。

 念能力で自我を持った1人の人間を生み出すなんてことまで可能なのかは分かりませんが、グリードアイランドのアイテムの効果が本物なのは実証されています。そのため、「身重の石」を使えば、人間の赤ん坊を生み出すことはできるのでしょう。

No.099「メイドパンダ」が本当の育て親?

 グリードアイランドの指定ポケットカードにある「メイドパンダ」は、人間の子供の面倒を見るのが好きな珍獣です。ゴンが「身重の石」によって生まれた赤ん坊だとすると、当初はメイドパンダが子育てをしておりグリードアイランドのサービス開始にともなってミトに預けたと推察できます。

 ジンは自分のやりたいことを追い求める性格なので、「身重の石」で産んだ赤ん坊を真面目に育てるとは思えません。かといってゲームマスターのメンバーも、グリードアイランド作りで忙しいので赤ん坊の面倒を見ている暇もなかったでしょう。

 そこでグリードアイランドのアイテムとして「メイドパンダ」を作り、子育てさせるという突拍子もない一石二鳥のアイデアを思いついたのでしょう。ジンであれば考えそうなことですし、「メイドパンダ」がNo.099というのも、注目すべきポイントでしょう。

 100枚目のカードの「支配者の祝福」は、ほかの99枚のカードを集めて初めて獲得できるものです。「支配者の祝福」はNo.000であるため、「メイドパンダ」が実質最後のカードとなります。

 「身重の石」でゴンを産んだものの子育てに困ったジンが、「メイドパンダ」のアイデアを提案。そして、既に考えられていた最後のカードアイテムであるNo.099と入れ替えた可能性は十分考えれるでしょう。

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◆ゴンの母親はジンだった?

 ゲーム制作ではプログラム通りにきちんと進められるかを確かめるためのデバッグ作業が必須です。グリードアイランドでは念能力によって作ったアイテムが性能通りに機能するかをデバッグしているはずですから、その過程でジンが「身重の石」や「メイドパンダ」を使ってゴンを出産して育てさせた可能性も考えられるでしょう。

 グリードアイランドのアイテムやシステムはレイザーをはじめとしたゲームマスターが担っていますが、ジンは念能力での関与はしていないのではないかと考えられます。 その代わり総責任者として、ゲームのアイテムやシステムが上手く機能するのかチェックしたのでしょう。

 記憶には残っていませんが、ゴンは赤ん坊のときにジンに連れられてグリードアイランドに来ています。そのときにゴン用のセーブデータが作成されており、これを用いてゴンはグリードアイランドのプレイを始めました。

 ゴンが「身重の石」によって生まれたのだとすれば、ジンと一緒にゲーム内と外界を行ったり来たりしていても不思議ではありません。

 『HUNTER×HUNTER』の第1話ではゴン自身やミトのセリフから、ゴンが父親のジンそっくりであることが強調されています。ジンだけで生んだのだとすれば母親の血が入っていないわけですから、ゴンの強さや自分のやりたいことを追い求める性格が親譲りなのもうなづけるでしょう。

 

 ──コミックス第30巻の表紙では、パリストンと十二支んのサイユウが裏で手を組んでいることが示されていました。このように『HUNTER×HUNTER』では、これまでもストーリーの重要なポイントに伏線が張られていたことが多々あります。ゴンの母親についても、「身重の石」という布石が打ってあった可能性は十分考えられるでしょう。

〈文/諫山就〉

《諫山就》

アニメ・漫画・医療・金融に関するWebメディアを中心に、フリーライターとして活動中。かつてはゲームプランナーとして『影牢II -Dark illusion-』などの開発に携わり、エンパワーヘルスケア株式会社にて医療コラムの執筆・構成・ディレクション業務に従事。サッカー・映画・グルメ・お笑いなども得意ジャンルで、現在YouTubeでコントシナリオも執筆中。X(旧Twitter)⇒@z0hJH0VTJP82488

 

※サムネイル画像:Amazonより 『「HUNTER×HUNTER」第26巻(出版社:集英社)』

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