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 『HUNTER×HUNTER』の戦闘では、キャラクターが以前に行っていた攻撃や仕打ちが自分に跳ね返って来て報いを受けることが多いです。カイトやネフェルピトーの最期は、まさに自分の行いが自らに降りかかってしまった末路となっています。

 自業自得、因果応報ともいえるこの法則は、まだ生きているキャラクターがどのような死に方をするのか考察するためのヒントにもなるでしょう。

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◆カイトとネフェルピトーの因果応報

 カイトは人間を傷つけた巨獣は処分するという決まりに従って刀でキツネグマの首を飛ばしており、彼自身もネフェルピトーに首を切り離されて命を落としました。また、カイトの死体を操って利用していたネフェルピトーは、最期は自分自身の身体を操ってゴンさんをねらうも反撃にあって頭を潰されます。

 『HUNTER×HUNTER』では非情な末路を迎えるキャラクターも多いため、プーハットやコルトピなど胴体から頭部が切り離された状態で死ぬことは珍しくありません。確実に死に至らしめる方法として、効率がよい手段であるという側面もあるでしょう。

 ただ、カイトの戦闘スタイルは念能力の「クレイジースロット」で出た武器に依存するため、特に首をねらうというこだわりはないようです。「死神の円舞曲(サイレントワルツ)」を使ったときにカエルタイプのキメラ=アントの首を飛ばしていますが、これは身長が低い個体だったため胴体ではなくたまたま首部分を鎌が切り裂いただけです。

 また、シャルナークの「携帯する他人の運命(ブラックボイス)」の奥の手は、自分自身を操る能力となっています。生きている人間と死体という違いはありますが、操作系の能力において自分を操るというのは最終的に行きつくアイデアなのでしょう。

 ただ、キツネグマとカイト、カイトとネフェルピトーの死に様が似たような末路になっているのは確かです。このような最期がリンクしているような場面はほかのキャラクターにも多く見られるため、決してただの偶然とは言い切れないでしょう。

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◆毒で自由を奪ったポックル

 ハンター試験においてポックルは毒矢で、キュウに手傷を負わせて動けなくしました。その後の「キメラ=アント編」でポックルは、師団長のザザンの毒針に刺されて動けなくされて捕まっています。

 キュウもポックルも毒によって死んだわけではなく、あくまで動けなくするための手段に使われたという点も同じです。動けないキュウに対して、ポックルは「水場はすぐ側にある 死にはしないさ」と声をかけているので第4次試験終了後にハンター協会の試験官に助けられたのでしょう。

 ザザンに捕まったポックルも動けなくなっていたものの、毒使いだけに奥歯に仕込んでいた解毒剤で這いずる程度はできるようになっていました。骨の中に隠れてやり過ごすことで生存ルートに向かっていたのですが、このタイミングでネフェルピトーが生まれてしまったのは運が悪かったです。

 ポックルはハンター試験後の講習でキルアの不合格について議論されていたとき、話に割って入るとクラピカとヒソカの戦いの不自然さを指摘して場をかき回していました。そんな彼の最期は、ネフェルピトーに脳をかき回された挙句命を奪われるという凄惨なものとなっています。

◆ゴンの左腕を折ろうとしたフェイタン

 ゴンがノブナガに腕相撲で勝ったとき、フェイタンは調子に乗り過ぎと言ってゴンの左腕を折ろうとしました。ノブナガに止められて実際に折りはしませんでしたが、流星街でのザザンとの戦いでフェイタンは左腕を骨折させられています。

 フェイタンはキレやすく残虐な性格のため、ゴンの左腕を容赦なく折ろうとしました。しかし、揉めたときはコインで決めるというルールで、ノブナガが勝ったためゴンは腕を折られませんでした。

 ザザンとの戦いでは飛ばしたオーラで大きなダメージをくらった場面以外では、左腕をベキッと折られたシーンが印象的に描かれています。そして、左腕がイッたあとにフェイタンは、受けたダメージを元に攻撃する「放つ許されざる者(ペインパッカー)」を使っています。

 つまり、技を発動するために必要なダメージに達したのが、左腕を折られた攻撃だったというわけです。そして、フェイタンがザザンを倒したのは、オーラを灼熱の塊に変えて敵を焼く「太陽に灼かれて(ライジングサン)」でした。

 もしザザンを倒した技が特大ブーメランとなってフェイタンに刺さるとするなら、高温に焼かれて死ぬ最期を迎える可能性もあります。ブラックホエール号の一番外側にある処理場では廃棄物を焼却する施設もあるでしょうから、そこがフェイタンとヒソカの戦いの場となるかもしれません。

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◆両腕を自ら差し出したヒソカ

 ヒソカはハンター試験でぶつかって来たのに謝らなかった参加者の両腕を念能力を使って消したように見せています。そして、天空闘技場でのカストロとの戦いで、ヒソカは同じように両腕を失いました。

 カストロの虎咬拳で両腕を奪われたわけですが、これはヒソカ自身が差し出したものでまさしく自業自得でした。マチが団長からのメッセージを伝えに来ていたため、治療してもらえる見込みがあったからこそできた芸当でしょう。

 『HUNTER×HUNTER』の中でヒソカは戦闘シーンが多いキャラクターですが、クロロ以外との戦いでは大きなダメージは受けていません。もし両腕の件でヒソカに特大ブーメランが刺さるとしたら、クロロ戦か自分からダメージを受けるしかなかったでしょう。

 実際にマチにも「あんたバカでしょ」と呆れられていました。また、戦闘シーンが豊富だということは、それだけ多くのキャラクターに死を届けていることになります。

 ヒソカが命を奪った相手で印象深いのは、トランプ攻撃で踊りながら死んだカストロとブランコに縛り付けられたシャルナークです。そのため、ヒソカの最期は見せしめやメッセージなどの意味が込められた道化のような死に方をするのかもしれません。

 

 ──新人潰しのトンパに頼まれたアモリ三兄弟は、ハンター試験ルーキーのニコルに罵詈雑言を浴びせてメンタルをへし折っています。しかし、1年後のハンター試験でアモリ三兄弟は、キルアに圧倒的な強さを見せつけられてメンタルをくじかれました。

  まさに「報いを受けた」といえる結果であり、今後も彼らのように「因果応報」の特大ブーメランが突き刺さるキャラクターが出て来るのかに注目です。

〈文/諫山就〉

《諫山就》

アニメ・漫画・医療・金融に関するWebメディアを中心に、フリーライターとして活動中。かつてはゲームプランナーとして『影牢II -Dark illusion-』などの開発に携わり、エンパワーヘルスケア株式会社にて医療コラムの執筆・構成・ディレクション業務に従事。サッカー・映画・グルメ・お笑いなども得意ジャンルで、現在YouTubeでコントシナリオも執筆中。X(旧Twitter)⇒@z0hJH0VTJP82488

 

※サムネイル画像:Amazonより 『「HUNTER×HUNTER」第34巻(出版社:集英社)』

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