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※この記事には原作漫画『HUNTER×HUNTER』のネタバレが登場します。ご注意ください。

※本記事は漫画『HUNTER×HUNTER』に関するライター個人の考察・見解に基づくものであり、公式の設定や見解とは異なる場合があります。

 暗黒大陸編に入り、エイ=イ一家の本質を見抜くなど、意外と物事の核心をついたり洞察力の高さを見せたり活躍しているノブナガ=ハザマ。そんなノブナガですが、幻影旅団の中での本来の役割は戦闘のハズ。

 しかし、現在までのところ戦闘での目立った見せ場はありません。ノブナガが戦闘で活躍の場が与えられるのはいつになるのでしょうか?

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◆ノブナガ=ハザマの念能力は?

 実はノブナガは団員メンバーの中で唯一「念能力」が明らかになっていない人物でもあります。まず、ノブナガの念能力はかなりシンプルなものだと思われます。その根拠として、コミックス第104話でシャルナークが「オレやノブナガの能力はいくらでもかわりがきく」と発言しているからです。

 さらにノブナガの念に関しては、2022年10月に都内で開催された『冨樫義博展 -PUZZLE-』で強化系能力者であることが明かされています。強化系能力者は、ゴンやウボォーギンのように基本的に自身の肉体を強化するシンプルな能力が多いです。

 しかしノブナガの場合は、自分の肉体を強化する能力ではないと考えられます。まず、強化系とひと口にいってもさまざまなパターンがあります。

 たとえば、コムギのように軍儀にのみ特化した思考力の強化や、ビルのように他者の成長を強化する能力者がいます。

 ノブナガの場合、強化対象はなんといっても「刀」関連と考えられるでしょう。ノブナガの数少ない戦闘描写をみると、刀にオーラが纏っていることが分かります。これは間違いなく、物質にオーラを纏わせる「周」の効果で刀の切れ味が増していると推察できます。

 また、冨樫先生が書いた系統図では、ノブナガは変化系寄りの強化系能力者となっています。ここで参考になるのが、ゴンの念能力ジャジャン拳の「チー」。つまり、刀に纏わせたオーラを変化させ、実際の刀身よりも広い間合いに斬撃を与えることが想定できるのです。

 このことからノブナガの念能力は刀を強化し、刀身の間合いよりも中距離の範囲で敵を斬りつける能力だと推測できます。

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◆対人戦闘に特化した能力はヒソカとのバトルに有効?

 しかし、ノブナガの念能力において忘れてはいけないのが、コミックス第93話でのフランクリンの発言です。フランクリン曰く、「タイマン専門ってゆうか、限定条件付きみてーなとこがある」とノブナガの能力を評しています。

 このセリフから読み取れるのは、限定条件という何かしらの「制約と誓約」があるということ。そして、能力が発動する条件の1つが1体1のタイマン形式であることです。ここで振り返りたいのが、コミックス第93話と第112話のそれぞれの描写です。

 第93話でノブナガはキルアに対して「間合いに入ったら斬るぜ」と忠告しています。さらに第112話でもスクワラに対して「動いたら斬るぜ」と忠告しています。つまり、ノブナガの「制約と制約」は対象1人に対して「斬る」という警告を口に出すことではないでしょうか。

 それでは、ノブナガはこの「制約と誓約」でどう能力を向上させているのでしょうか? ここで注目したいのが、多くの場面でノブナガに斬りつけられた敵がほぼ反応できていない点です。つまり、敵の知覚を上回る「斬撃の速度」を強化していると推察できます。

 ノブナガは念の高等応用技「円」が使えるので、範囲内に入った敵を強化した刀と反応速度で斬りつける能力なら理に適っています。さらにオーラを変化させれば、ゴンの「チー」のように中距離にも攻撃が届くようになるでしょう。シンプルですが、一撃必殺の強力な能力になることは間違いなさそうです。

 このようにノブナガは1対1の対人戦闘において本領を発揮すると考えられますが、実はこのシチュエーションを喜ぶ人物が1人います。もちろん、それがヒソカです。ヒソカは第405話で語っている通り、団員と1対1で戦いたいと考えています。仮にタイマンができる状況が実現したら、ノブナガにとっても有利な状況といえるでしょう。

 一方で、ノブナガはヒソカの能力を「やりづらい」と評価しています。仮にノブナガの能力が相手の知覚を上回る速度の斬撃なら、技が発動するといくらヒソカでも対応できないハズ。そんなヒソカに勝機があるとすれば、ノブナガが抜刀する前に「伸縮自在の愛(バンジーガム)」で固定することではないでしょうか。

 コミックス10巻で判明した幻影旅団の腕相撲ランキングでは、ヒソカが第3位だったのに対し、ノブナガは第9位です。単純な腕力勝負では、ノブナガがヒソカのバンジーガムを千切ることは難しいでしょう。つまり、この辺りにノブナガは「やりづらさ」を感じているのかもしれません。そうなると、勝敗を分けるのは先に技を仕掛けるタイミングになりそうです。

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◆高確率で発動できる「死後強まる念」?

 最後にノブナガの念で注目したいのが「死後強まる念」です。現時点で「死後強まる念」を発動した人物は、ネフェルピトー、流星街の長老、ヒソカ、あとは念能力にもなっている第2王子カミーラです。

 念能力でもあるカミーラを除くと、基本的に「死後強まる念」は、「深い恨みや未練」を持ったまま死亡した場合に発動するケースが多いです。流星街の長老は、自分たちを捨てた世界に対しての深い「恨み」が残っており、ピトーはゴンを倒しきれず王を守れなかった「未練」が残っています。

 実はヒソカもこの「未練」が残っていたと考えられます。ヒソカは第106話で、クロロが見せた鋭い思考力と卓越した洞察力に興奮し、「絶対にあなたはボクがヤる」と強固な意志を滲ませていました。ヒソカが一度命を落とした際、クロロの命を奪えなかった未練が残ったと推測できます。そして、ノブナガにも「未練」が残る可能性が高いのです。

 実はノブナガだけは幻影旅団の使命のほかに、個人的な恨みや未練を抱える可能性が考えられます。それがクラピカに対しての恨みとウボォーの仇を取れない未練です。第104話で旅団がヨークシンで目的を果たし撤退しようとしていた際、ノブナガだけはウボォーの敵討ちのためにとどまることを提案しています。

 結果的に、クロロに旅団の立場と敵討ちを天秤にかけられ、ノブナガは納得してクロロにしたがっていました。しかし、第112話でパクノダの能力でクラピカの名前と顔を知ったノブナガは、クラピカの命を奪うまで忘れないと個人的に決意しています。

 仮に道半ばでノブナガが命を落とした場合、クラピカへの恨みや敵討ちの未練が残ってしまうはずです。もしノブナガが敗北した場合、作中5人目となる「死後強まる念」の発動者になるのかもしれません。

 

 ──「陰獣」の“梟”に捕まったり、ゴンやキルアに逃げられたり、団員からもツッコまれたり、何かとネタにされるノブナガ。そんなノブナガですが、実は初登場してから25年以上の時が経っています。そろそろ念能力の開示と、戦闘での大活躍が望まれるのではないでしょうか。

〈文/fuku_yoshi〉

《fuku_yoshi》

出版社2社で10年勤め上げた元編集者。男性向けライフスタイル誌やムックを中心に、漫画編集者としても経験を積む。その後独立しフリーライターに。現在は、映画やアニメといったサブカルチャーを中心に記事を執筆する。YouTubeなどの動画投稿サイトで漫画やアニメを扱うチャンネルのシナリオ作成にも協力し、20本以上の再生回数100万回超えの動画作りに貢献。漫画考察の記事では、元編集者の視点を交えながら論理的な繋がりで考察するのが強み。最近では、趣味で小説にも挑戦中。X(旧Twitter)⇒@fukuyoshi5

 

※サムネイル画像:『TVアニメ「HUNTER×HUNTER」第50話 場面写真 (C)P1998-2025 (C)V・N・M』

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