映画『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』の上映が2月21日に始まり、早くも観客の動きに特徴が見られるようになりました。

©ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- Movie<画像引用元:https://hypnosismic-movie.com/より ©ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- Movie>

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 この映画はアプリケーションを通して、作中で行われるラップバトルの勝敗を観客がリアルタイムで投票し、その投票結果からストーリーが変化していく「インタラクティブ映画」です。

 ストーリーが変化していくといっても本作はラップバトルのトーナメントでチャンピオンとなるチームを決めていくといった感じで、人によっては応援しているチームが勝利する結末を観たい、とねらって劇場に行くという人もいるでしょう。自分の思う結末を観るにはどうすればいいでしょうか?

◆映画館・上映回ごとの結果が分かる? 観にいく映画館が重要

 観客の投票によって勝敗が変わっていくとなると、思い通りの結末を観るのは難しいかと思いきや、場合によっては思い通りの結末を観る確率を上げられます。つまり映画館ごとの投票の傾向を読み、自身が望む結末を迎える結果が出やすい映画館の上映に足を運ぶことが重要です。

 参考になるのが、映画『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』の公式サイトにある「各劇場投票結果」のページです。このページでは各映画館・各上映回でファーストバトルからファイナルバトルまでの計5回の投票結果を割合まで見られます。

 この投票結果を予め見ておき、どの映画館ならどのチームが優勝しやすいのかをチェックして、足を運ぶ映画館を選びましょう。

◆しっかり推しチームごとに分かれ出したホームの映画館

 この「各劇場投票結果」を見ていくと、早くも映画館ごとに「このチームが強い」という傾向が生まれ始めています。

 分かりやすい例でいくと、ホームとなる地域の映画館はやはり出身チームがチャンピオンになりやすいです。

 『ヒプノシスマイク』シリーズに登場するチームはそれぞれ渋谷や新宿、名古屋や大阪などそれぞれがホームとする地域が設定されています。それに合わせてやはり池袋の映画館はイケブクロ・ディビジョン代表のBuster Bros!!!が勝つ傾向にあったり、渋谷の映画館はシブヤ・ディビジョン代表のFling Posseが勝つ傾向にあったりと、上映回を重ねるごとによりファンごとに集まる劇場が定まってきました。

 そうなると東京都内に住むナゴヤ・ディビジョン代表であるBad Ass Templeチームファンやオオサカ・ディビジョン代表であるどついたれ本舗チームファンはわざわざ名古屋や大阪の映画館に足を運ばなければいけないかといえば、そうでもありません。東京都内であれば、T・ジョイPRINCE品川は異常にBad Ass Templeチームが強かったり、TOHOシネマズ日本橋はどついたれ本舗チームが強かったりと出身地域以外でも複数上映館があると“ホームとなる映画館”が生まれてきています。

 決して公式側からのアプローチがあったわけではないのに、ファンたちが自主的に動いた結果、高確率で観たいルートが観られるようになったのは面白い団結力です。

◆地方映画館や中央区のホームはこれから生まれていく?

 一方で結果が読めないのが近隣に複数上映館がない地方の映画館です。そもそも上映館の母数が限られているので、東京のように映画館ごとの住み分けができません。そうなると望んだ結果を観るのは難しいです。ただし人口が過密した地域とは違って、来場者の統制を取りやすいのは地方の利点です。特定のファンで特定の時間帯をねらって集まるよう、SNSなどで呼びかけをしていくといったことで求めていた結末を観やすいでしょう。

 それに加えてねらいにくいのが、決勝戦にあたる試合で参戦することになる“中央区”の言の葉党が優勝した結末です。ストーリーの都合上、最後に待ち構える敵のボスのような役回りになっていたり、試合数が少ないことなども相まって票が集まりにくい傾向にあったりするようでなかなか言の葉党の優勝する上映回を狙っていくのは難しい状態でした。

 しかし、それも2月23日頃から変化が生まれます。それまで優勝チームが疎らだったTOHOシネマズ日比谷では23日を境に続々と中央区が優勝する回が続出するようになってきています。時間を経て中央区の“聖地”が生まれてきたようで、まさにリアルタイムでファンの動きが整備されています。こういった傾向は今後より洗練されていくことになるでしょう。

 インタラクティブ映画という特殊な上映形態が、上映中だけでなくそもそも足を運ぶ上映館や上映回までも選ばせることになったのは面白い結果です。映画館選びからすでに“インタラクティブ”な体験は始まっていたのです。

〈文/ネジムラ89〉

《ネジムラ89》

アニメ映画ライター。『FILMAGA』、『めるも』、『リアルサウンド映画部』、『映画ひとっとび』、『ムービーナーズ』など現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。映画『ミューン 月の守護者の伝説』や映画『ユニコーン・ウォーズ』のパンフレットにライナーノーツを寄稿するなどその活動は多岐にわたる。noteではアニメ映画ラブレターマガジンを配信中。X(旧Twitter)⇒@nejimakikoibumi

 

映画 ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-
©ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- Movie

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