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 『呪術廻戦』の主人公といえば、驚異的な身体能力と屈託のない明るさを持つ虎杖悠仁。しかし、連載が始まる前の初期構想において、実は彼が主人公ではなく、まったく別のキャラクターが物語の中心に据えられていたのです。

 2024年7月開催の「芥見下々『呪術廻戦』展」で公開された幻のプロトタイプ『呪術匝戦(じゅじゅつそうせん)』にて、作品の根幹に関わる衝撃の事実が明かされました。

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◆主人公は「鰐淵恵」 伏黒恵の原型が背負うはずだった運命

 「芥見下々『呪術廻戦』展」で公開されたのは、連載会議に提出されながらもボツとなった幻の第1話ネーム、その名も『呪術匝戦(じゅじゅつそうせん)』です。そこに描かれていた主人公は、虎杖ではありませんでした。

 物語の中心にいたのは、「鰐淵恵(わにぶち めぐみ)」という名の少年。名前からも分かる通り、彼は現在の伏黒恵の原型となったキャラクターです。黒髪で少し影があり、体内に強力なバケモノを宿しているという設定は、現在の虎杖(宿儺の器)と伏黒(呪術界の名門の血筋)の設定が混ざり合ったような存在でした。

 この『呪術匝戦』において、鰐淵恵は物語開始早々から修羅場の渦中に放り込まれ、極めてシリアスで陰鬱な運命を背負っていました。このまま連載が始まっていたら、『呪術廻戦』は今よりもさらにダークで重苦しい、救いの少ない物語になっていたかもしれません。

 芥見下々先生はそこから、主人公をより読者が感情移入しやすく、明るさを持ったキャラクターへと変更する決断を下します。そうして生まれたのが、現在の虎杖です。

 主人公を虎杖に切り替えたことで、作品は呪術という重いテーマを扱いながらも、少年漫画らしい「陽」のエネルギーを獲得することに成功しました。

 一方で、初期主人公だった鰐淵恵の要素は伏黒恵へと引き継がれ「宿命を背負ったクールな相棒」というポジションに収まりました。

 つまり、現在の『呪術廻戦』は、当初予定されていた「伏黒主人公」の世界線から、主人公の役割を虎杖に譲渡することで再構築された物語だったのです。虎杖の明るさと伏黒の重さ。この二人が並び立つことで初めて、作品の絶妙なバランスが完成したといえるでしょう。

 

 ──『呪術廻戦』は当初、伏黒を主人公に据えた物語として構想されていましたが、虎杖を主役に切り替えたことで、重厚な世界観を保ちつつも読者が感情移入しやすい作品へと進化しました。結果として伏黒は「もう一人の主人公」として物語の核に残り、光と影のように虎杖と対をなすことで、作品全体の深みを支える不可欠な存在になったのです。

〈文/凪富駿〉

《凪富駿》

アニメ・漫画に関するWebメディアを中心に、フリーライターとして活動中。特にジャンプアニメに関する考察記事の執筆を得意とする。作品とファンをつなぐ架け橋となるような記事の作成がモットー。

 

※サムネイル画像:Amazonより 『「呪術廻戦」第1巻(出版社:集英社)』

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