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 『呪術廻戦』に登場する「脱サラ呪術師」こと七海健人。合理的でありながら情に厚く、虎杖悠仁を導くその姿勢は、多くの読者から「理想的な大人」として絶大な支持を集めています。しかし、そんな彼が物語の構想段階では、味方ではなく敵対する「悪役」に近いポジションとして想定されていたのです。

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◆真人戦で退場する予定だった? 作者の予想を超えたキャラクターの動き

 この意外な事実は、作者の芥見下々先生がCS放送フジテレビONEで放送された『漫道コバヤシ呪術廻戦特集』に出演した際、芥見先生自身の口から語られました。先生によると、七海は当初、完全に味方サイドの人物としてではなく、物語を引っ掻き回す「悪役」に近い立ち位置で構想されていたそうです。

 さらに衝撃的なのは、彼の運命に関する裏話です。物語序盤の山場である「真人戦」において、当初のプロットでは七海は物語から退場するか、最悪でも片腕を失うという悲劇的な結末を迎える予定でした。

 しかし、実際にネームを描き進めていく中で、七海というキャラクターが作者の想定を超えて勝手に動き出し、結果として生き残るルートへと物語自体が変化していったといいます。

 「キャラクターが脚本を超えてきた」。そう語る芥見先生の言葉通り、七海の持つ「労働はクソ」と言い放つ現実的な一面や、それでも他者を放っておけない責任感の強さは、当初の予定をくつがえすほどの強烈な存在感を放っていたのでしょう。

 また、七海の代名詞ともいえる「7:3の比率で強制的に弱点を作り出す」術式や「脱サラ呪術師」という設定は同時に思いついたものだそうです。

 さらに、作中で彼が放つ「黒閃」の演出については、人気格闘漫画『グラップラー刃牙』シリーズの花山薫の描写「あなたは花山薫という男をまるで分かっていない」のようなナレーション演出を意識していたことも明かされています。

 ただのクールな実力者ではなく、どこか泥臭く、現実社会の理不尽さを知る「大人」としての厚み。それらが融合した結果、七海は作者の手を離れ、読者にとっても、そして虎杖にとっても欠かせない「導き手」としての地位を確立していったのです。

 

 ──七海は当初「悪役」として構想されていましたが、そのキャラクター自身の説得力と存在感が作者の想定を越え、物語に不可欠な味方へと変わっていきました。

 そして、彼は読者にとっても「信頼できる大人」という唯一無二のポジションを獲得し、作品世界の重心を支える重要な柱となったといえるでしょう。

〈文/凪富駿〉

《凪富駿》

アニメ・漫画に関するWebメディアを中心に、フリーライターとして活動中。特にジャンプアニメに関する考察記事の執筆を得意とする。作品とファンをつなぐ架け橋となるような記事の作成がモットー。

 

※サムネイル画像:Amazonより 『「呪術廻戦」第11巻(出版社:集英社)』

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