※この記事にはTVアニメ・原作漫画『ハイスクール!奇面組』のネタバレが含まれます。ご注意ください。
今年1月からリメイクされて再びアニメの放送が始まった『ハイスクール!奇面組』。当時『週刊少年ジャンプ』の読者としては、その最終回の終わり方に衝撃を覚えた人も多いでしょう。
奇面組のメンバーたちは社会人となりますが、ラストシーンではヒロインである河川唯が教室で目覚めるシーンに飛んだことから「まさかの夢オチ?」とファンの間でも騒がれました。
◆夢オチではなくループ演出だった最終回
『ハイスクール!奇面組』が始まる前には、奇面組メンバーの中学校時代が描かれた『3年奇面組』が連載されていました。
原作者の新沢基栄氏はループ演出として『ハイスクール!奇面組』のラストシーンが『3年奇面組』の最初にシーンにつながるように描いたのですが、意図と違って大好きな奇面組の日常は夢だったのかと解釈されてファンの間で騒動に……。
新沢氏はファンの間でイメージが生き続けてほしいという意図で、第1話目にループする形にしたとのことです。
しかし、最終回のラストシーンでは「『奇面組』は自分の空想だったのかもしれないが、彼らはきっといると信じたい」という内容のモノローグがあったため、読者が夢オチとして解釈したのも仕方がないでしょう。
これに対して新沢氏は2002年4月に出版された『奇面組解体全書』(出版社:ホーム社)のインタビューで、「正直、(あの最終回を)夢オチと言われるのは心外」と話しています。
またPopeye増刊『帰ってきたハイスクール!奇面組』(出版社:マガジンハウス、2000年12月出版)内の「新沢基栄ロングインタビュー&裏話」の中でも「最後は(空想なのか、正夢なのか)どっちとも取れるように描いたつもりだったんですが、悪いふうにしか取られなかった」と述べていました。
そして、続けて「愛蔵版の単行本では、描かないとわかりにくいかなと思って走ってくる零くんの影を描き足した」とも答えており、夢オチ解釈に納得がいかなかった新沢氏はループ演出が分かりやすいようにラストシーンに加筆修正。
これによって平成になってから発売された愛蔵版および文庫版『ハイスクール!奇面組』の最後のコマに、トンカツをくわえて廊下を走って来る一堂零のシルエットが描き加えられました。
『3年奇面組』第1話で唯たちが零に出会うきっかけとなるこのシーンを加えることで、これから奇面組の物語が始まるというメッセージが強調され無事に作者の意図がファンに伝わることとなりました。
──『らんま1/2』や『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』、『地獄先生ぬ〜べ〜』など近年ではリメイク作品に注目が集まっており、いずれも2期が放送されています。
『ハイスクール!奇面組』は単行本で全20巻あり、リメイクによって最終巻までアニメ化されるとしたらラストシーンの演出がどのようになるのか注目したいところです。
〈文/諫山就〉
《諫山就》
アニメ・漫画・医療・金融に関するWebメディアを中心に、フリーライターとして活動中。かつてはゲームプランナーとして『影牢II -Dark illusion-』などの開発に携わり、エンパワーヘルスケア株式会社にて医療コラムの執筆・構成・ディレクション業務に従事。サッカー・映画・グルメ・お笑いなども得意ジャンルで、現在YouTubeでコントシナリオも執筆中。X(旧Twitter)⇒@z0hJH0VTJP82488
※サムネイル画像:Amazonより 『「ハイスクール!奇面組」第20巻(出版社:集英社)』



