5月12日から放送が始まる『「鬼滅の刃」柱稽古編』では鬼殺隊のなかでももっとも位が高い柱たちがメインで登場します。柱は作中でも圧倒的な存在感を放ち読者から人気を得ていますが、柱という名前や人数の由来など作中で明かされていないことが多く、ファンの間ではさまざまな考察が飛び交っています。
◆「柱」という呼び名は神様に由来している?
柱は作中で「鬼殺隊の中で最も位の高い九名の剣士」で、「鬼殺隊を支えているのは柱たち」と説明されています。おそらく、鬼殺隊を支えていることから「柱」と呼ばれているのでしょうが、ファンの間では神や身分が高い人物を柱と呼ぶことも関係しているのではと考察されているようです。
柱には屋根を支えるもの、骨組みになる大切なもの、頼りにされる人などさまざまな意味があるほか、数を数える単位としても使われています。単位として使われる場合は、「一柱、二柱……」と数え、遺骨や神、身分が高い人をこのように数えるようです。
柱は鬼殺隊の中でも身分が高いほか、一般の隊士とは一線を画す強さを誇っています。古くから日本人は圧倒的な強さを持つ武人を神格化し、ときには祭神にまでしてあがめてきました。柱も同じように圧倒的な強さを持つことから神格化され、「柱」と呼ばれているのかもしれません。
また、ほかにも「人柱」としての意味があるのではないかという考察もあります。人柱はある目的のためにささげる犠牲を指し、古くには難しい工事の成功を願い、人がいけにえとして埋められることがありました。
柱も鬼を滅するために己のすべてをささげ、ときには自分の命すら犠牲にします。この献身的な姿から人柱を連想するファンもおり、このような考察がされているようです。
◆柱が9人の理由は?
柱は総勢9名おり柱の席が空席になった場合には、柱のひとつ下の階級「甲」のなかで柱になる条件をクリアした人が選出されます。
人数は9人と決まっているようですが、その理由は『鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録』にて、柱という漢字が九画なので人数も9名だと語られていました。しかし、ファンのなかでは「9」という数字は縁起がいいため、9人と定められているのではないかという考えもあるようです。
日本では「9」という数字は「苦」を連想させるため、あまりいいイメージがありません。「死」を連想させる「4」と同じように避けられ、マンションやホテルによっては部屋番号にこれらの数字を避けるところもあるようです。
一方で、中国では奇数は縁起がいい「陽数」と考えられ、陽数に分類される最大値の「9」という数字は縁起がいいとされています。現在でも9が重なる9月9日は「重陽の節句」といわれ、菊酒を飲んだり栗ご飯を食したりしますが、これは「陽数」という考えに由来しているものです。
また、ほかにも「九頭馬」という考えから「9」は縁起がいい数字とされています。九頭馬は9つの運を表しており、これにちなんだ9匹の馬が駆ける伝統的な絵柄「馬九行駆」は「うまくいく」と呼び、縁起のいいモチーフとして親しまれてきました。
このように「9」という数字は不吉なイメージがある一方、縁起がいい数字でもあります。柱たちの無事や安全を願い、このような縁起のいい数字を定員としたのかもしれません。
──このように原作が完結した後でもファンから人気がある柱には、さまざまな考察があります。もしかしたら、テレビアニメ『柱稽古編』で新たなアニメオリジナル描写が加えられ、柱にまつわる新たな考察が生まれるかもしれません。
〈文/林星来 @seira_hayashi〉
フリーライターとして活動中。子供の頃から培ってきたアニメ知識を活かして、話題のアニメを中心に執筆。アニメ以外のジャンルでは、葬儀・遺品整理・金融・恋愛などの記事もさまざまなメディアで執筆しています。