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<この記事にはアニメ・原作漫画『鬼滅の刃』のネタバレが登場します。ご注意ください。>

 『鬼滅の刃』の柱たちには、原作では描かれなかった多くの「裏話」があり、のちに出版されたファンブックなどで、その詳細が明かされています。鬼を倒すために考え尽くされた細かい工夫や、拍子抜けするような意外すぎる一面、涙なしでは語れない思い入れの深いエピソードまで内容はさまざまです。

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◆胡蝶しのぶは超天然? もう少しでカナヲの名前は……

 笑顔の奥に“強さ”と“知性”をあわせ持つ蟲柱・胡蝶しのぶですが、原作では描かれなかった「意外な一面」が描かれています。

 20197月に出版された『鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録』(出版社:集英社)によると、しのぶは自宅で金魚を飼っているようですが、その名前は「フグ」……命名の由来は「元気でまるまると大きく育って欲しいと思ってのこと」だと、「超天然ボケな一面」が明かされています。

 また、継子の栗花落カナヲを引き取り、名前を考えているときのこと。胡蝶が挙げた候補は「スズメ(鳥)」、「ハコベ(植物)」、「カマス(魚)」、「トビコ(魚卵)」など、人の名前といしては独特すぎるものばかりでした……。

 何についても自分の意志を持たず、コインで行動を決めるようなカナヲも、このときばかりは名前が書かれた用紙を開いて、しばし固まる事態が発生。同じく名前の候補を見た神崎アオイも「エッ?」と表情に出してしまい、うまく取り繕えなかったそうです。

 その後、不本意な反応を見せる2人に苛立ち、キレ気味になったしのぶを見て気が動転したカナヲは、笑顔で汗をかきながら鶴や風船ウサギを折って、独特な名前の書かれた紙を床の間に飾っていたそうです。

 その中の「カマス」と書かれた紙にカナヲが手を伸ばした時、アオイが競技かるたのごとき速さでその紙をはじいて持ち去ったことで、カナヲは「カマス」という名前になることは避けられたようです。

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◆時透無一郎の「隊服のサイズ」には秘密があった!?

 類まれな才能を持ち若くして柱になった時透無一郎ですが、多くの柱が詰め襟に羽織というコスチュームの中、1人だけ羽織無しの格好をしています。また、そのサイズについて「大きすぎでは?」と思うほどダボダボの大きいものを着ていますが、これには理由がありました。

 『鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録』に掲載されている「大正コソコソ噂話」によると「手の長さや向き、膝の位置など体のラインが分かりづらい服を着ることで、間合いや次の動作も敵にわかりづらくさせる」という意図があり、あえて大きめのサイズを選んでいるということが語られています。

 無一郎が使う「霞の呼吸」は、数ある呼吸の中でも相手の視界をかく乱、翻弄することに長けていますが、隊服にまでその機能を持たせることができるように考え抜かれている点は、さすが柱だといえるでしょう。

 また、綺麗で中性的な顔立ちと、良くも悪くも“若さ”にあふれた無一郎のキャラを、大きめの隊服がいっそう際立てているようにも思えます。

 「刀鍛冶の里編」では、たった一人で上弦の伍の玉壺を倒したことにも、こうした見えない工夫が一役買っていたのかもしれません。

◆宇随天元の妻・須磨の意外すぎる過去と恋愛観

 3人いる宇随天元の妻の中の1人「須磨」について、原作でその過去や素性まで掘り下げられることはありませんでしたが、ファンブックで新たな真実が明かされました。

 『鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録』によると、元々は宇随の妻候補となっていたのは須磨の妹だったそうですが、彼に想いを寄せていた須磨は自分が行きたいと大泣きして襖を突き破って主張したことで、めでたく妻の1人となったと明かされています。

 また、ファンブックには「男女どちらも好き」というまさかの性格が明かされており、原作の印象のままの面、意外な一面どちらも垣間見られます。

 同じく宇随の妻である雛鶴は「宇随家に次いで序列の高い家の娘」で諜報、戦闘、判断に長けており、まきをは「身体能力がスバ抜けている」など、忍としての能力について説明されています。

 そんな中、須磨だけは宇随との馴れ初めについての仰天エピソード、恋愛観について記されており、原作でも大泣きするなど忍らしからぬ立ち居振る舞いをみせた「須磨らしさ」が全開に表現されています。

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◆冨岡義勇の羽織は2人の「形見」

 水柱・冨岡義勇は、寡黙でクールな性格ですが、詰め襟の隊服の上に着ている「羽織」は半分半分で違う柄の独特なものを纏っていますが、実はこの「羽織の秘密」について、のちに真実が明かされています。

 義勇といえば、藤襲山で行われる「最終選別」にて、多くの鬼を倒しながらも命を落とした親友・錆兎と、鬼に命を奪われた姉・蔦子のことを強く心の中で引きずっていることが描かれていますが、実は彼の羽織は錆兎と蔦子の形見であったことが『鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録』で明かされています。

 錆兎と蔦子が着ていた着物を半分ずつ縫い合わせたため、中心を境にまったく違う柄になっており、このことから伊之助は義勇のことを「半々羽織(はんはんばおり)」などと呼んでいますが、この羽織は亡くなった2人の想いとともに鬼と闘っているという、友情や愛情にあつい義勇らしさを象徴したものといってもいいでしょう。

 物語の冒頭で、鬼化した禰豆子を鬼殺隊の柱でありながらも見逃したことも、義勇のそんな愛情深い性格によるものだったのかもしれません。

 

 ──コミックスにして全23巻と、けっして長くない原作でありながら『鬼滅の刃』の物語がここまで深く、多くのファンを惹きつけてやまないのは、こうした緻密な設定と、のちに明かされた“新たな真実”によるところも大きいでしょう。劇場版がヒット中の本作は、今後もまだまだ新たな真実が飛び出す可能性がありそうです。

〈文/lite4s

《lite4s》

Webライター。『まいじつ』でエンタメ記事、『Selectra(セレクトラ)』にてサスペンス映画、韓国映画などの紹介記事の執筆経験を経て、現在は1980~90年代の少年漫画黄金期のタイトルを中心に、名作からニッチ作品まで深く考察するライター業に専念。 ホラー、サスペンス映画鑑賞が趣味であり、感動ものよりバッドエンド作品を好む。ブロガー、個人投資家としても活動中。

 

※サムネイル画像:Amazonより 『Blu-ray「鬼滅の刃」第10巻(販売元:アニプレックス)』


※禰豆子の「禰」は「ネ+爾」が正しい表記となります。

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