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<この記事にはアニメ・原作漫画『鬼滅の刃』のネタバレが登場します。ご注意ください。>

 『鬼滅の刃』には数多くの設定があり、たとえば「鬼と戦うには日輪刀が必要」「鬼を倒すには首を斬らなければならない」など、設定がルールとなって物語を盛り上げています。そんな『鬼滅の刃』ですが、実は序盤に登場したまま徐々に見なくなっていった設定も存在します。

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鬼殺隊の階級制度

 第8話で明かされた通り、鬼殺隊には「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」という十段階の階級制度があります。しかしこの設定は、第75話で竈門炭治郎たちが下から4番目の「庚(かのえ)」に昇進して以降、原作では登場しなくなります。

 実は作中では触れられていませんでしたが、『鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録・弐』(出版社:集英社 2021年2月出版)によると、きちんと炭治郎たちの階級が上がっていたことが書かれています。

 ちなみに無限城へ突入した時点での炭治郎、我妻善逸、嘴平伊之助の3人の階級は上から3番目の「丙(ひのえ)」、残りの同期である栗花落カナヲと不死川玄弥は上から4番目の「丁(ひのと)」でした。つまり、設定としてはきちんと最後まで活きていたことになります。

 そんな階級制度の設定に触れるにあたって避けて通れない疑問が、やはり階級の上がり方でしょう。特に炭治郎は、幾度も鬼の主力である十二鬼月との戦闘を経験し、かつ生き残っています。これは柱たちにも匹敵する功績です。

 また、作中では柱になる条件も明かされています。それは階級を甲(きのえ)にまであげて、「十二鬼月を倒す」もしくは「鬼を50体倒す」のいずれかを達成することです。そして、無限城編までに炭治郎が討伐に貢献した十二鬼月は全部で5体……。つまり、単純な戦歴だけを考えれば、もっと上の階級どころか柱に上がっても良かったハズ。

 しかし、炭治郎が戦った十二鬼月を振り返ると、累戦では冨岡義勇が、魘夢戦では煉獄杏寿郎が、堕姫・妓夫太郎戦では宇髄天元が、半天狗戦では最高戦力の憎珀天を甘露寺蜜璃が、それぞれ助太刀に入っています。

 一方で、炎柱になった煉獄は2020年の『週刊少年ジャンプ』45号と46号に掲載された『鬼滅の刃 煉獄杏寿郎外伝』にて、「単独」で十二鬼月を撃破していることが明かされています。また風柱になった不死川実弥も『鬼滅の刃 風の道しるべ』(出版社:集英社 2020年7月出版)で「単独」で十二鬼月を撃破している様子が収録されています。

つまり、炭治郎の戦歴は十分すごいのですが、「単独」討伐でないと階級の昇進に大きく影響しないと考えられるのです。

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無惨の「呪い」の発動

 配下である鬼が鬼舞辻無惨の名前を口にすることで発動する「無惨の呪い」。この設定も第18話で朱紗丸に初めて発動して以降、描かれることはありませんでした。この理由は、単純に物語が進むにつれて十二鬼月がメインの敵となり、対する鬼殺隊士も無惨の存在を知る者が多くなってきたからだと考えられます。

 実際に、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』では十二鬼月の1人である魘夢が、炭治郎の目の前で「無惨様」と発言している描写があります。しかし、「無惨の呪い」は発動しなかったのです。朱紗丸の呼び方が「鬼舞辻様」で魘夢の呼び方が「無惨様」と呼び方に違いはありましたが、戦力になる十二鬼月には「呪い」が発動しない裏設定があったとも考えられます。

 厳密にいうと「無惨の呪い」の設定については完全に描かれなくなったわけではありません。「呪い」には、対象者の粛清以外にも血を分け与えた存在の位置や思考を把握できる能力があります。こちらの能力は、終盤である無限城編でも数多くの場面で使われていました。

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炭治郎独自の技「隙の糸」

 炭治郎が鬼の首を斬る際に見えていたのが「隙の糸」。序盤では炭治郎がこの「隙の糸」を駆使して鬼たちと渡り合っていました。しかし、中盤あたりから「隙の糸」自体が出てこなくなります。この理由は大きく2つ考えられます。

 まず1つは、単純に相対する鬼が強くなったからです。実際、累との戦い以降「隙の糸」がほぼ登場しなくなります。最後に出てきたのは第78話での堕姫との戦闘ですが、この時はプツリと糸が切れてしまい、ほとんど攻撃に活かせていませんでした。つまり、「隙の糸」自体が十二鬼月クラスの敵には通用しない技になっていたと捉えられます。

 続いて2つ目が、炭治郎が「隙の糸」に代わる技術を身につけたからです。そもそも「隙の糸」について炭治郎は第6話で、「“隙の糸”の匂いがわかるようになった」「糸は俺の刃から相手の隙に繋がっている」と語っています。

 つまり、刀の動きと相手の動きが連動していることを、嗅覚に優れた炭治郎ならではの感覚で感知したものこそが「隙の糸」というわけです。実は、炭治郎は終盤でこれの上位互換とも言える技を習得します。それが「透き通る世界」です。

 炭治郎が自らの感覚で編み出した「隙の糸」は、全集中の呼吸を極めたことで新たな技として昇華したため、描かれなくなったのではないでしょうか。

 

 ──改めて最初から読み返すと「こんな設定あったな」と思った経験は誰しもあるのではないでしょうか? 連載の過密さを考慮すれば、ある程度の変更は致し方ないとはいえ、次の設定に活かしているところはまさに吾峠呼世晴先生の手腕だといえるでしょう。

〈文/fuku_yoshi〉

《fuku_yoshi》

出版社2社で10年勤め上げた元編集者。男性向けライフスタイル誌やムックを中心に、漫画編集者としても経験を積む。その後独立しフリーライターに。現在は、映画やアニメといったサブカルチャーを中心に記事を執筆する。YouTubeなどの動画投稿サイトで漫画やアニメを扱うチャンネルのシナリオ作成にも協力し、20本以上の再生回数100万回超えの動画作りに貢献。漫画考察の記事では、元編集者の視点を交えながら論理的な繋がりで考察するのが強み。最近では、趣味で小説にも挑戦中。X(旧Twitter)⇒@fukuyoshi5

 

※サムネイル画像:Amazonより 『鬼滅の刃 第1巻(出版社:集英社)』


※煉獄杏寿郎の「煉」は「火」+「東」が正しい表記となります。

※鬼舞辻の「辻」は「一点しんにょう」が正しい表記となります。

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