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 公開から約60日間を経て、『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』がついに興行収入が330億円を突破。『千と千尋の神隠し』の316億円という記録を超えて、日本歴代興行収入ランキングの1位、2位に『鬼滅の刃』が並びました。

画像引用元:『「劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来」第3弾キービジュアル (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable』

<画像引用元:『「劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来」第3弾キービジュアル (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable』>

 しかし、そんな本作の勢いは日本だけに留まりません。海外でも『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』は活躍するどころか、とりわけアメリカでは前作『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』を超える記録を残す快挙を果たしました。

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◆ついに『無限城編』北米興行スタート 早くも大記録を更新!

 日本から2ヵ月ほど遅れての9月12日(金)からアメリカ・カナダでも『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』の上映が始まりました。既に『鬼滅の刃』の人気は北米でも相当なものとなっており、それほど低くはないことは予想はされていましたが、その人気は予想以上。初週末3日間の成績は約7,000万ドル、日本円にして100億円以上を早くも叩き出す結果となりました。

 同時期の興行のライバルとしては人気ホラー作品の「死霊館」シリーズの完結作『死霊館 最後の儀式(原題:「The Conjuring : Last Rites」)』が2週目を迎えたばかりでこちらも前の週に約8,400万ドル、日本円にして126億円というシリーズ最高成績というオープニング記録を残したばかりですが、2週末目を迎えた本作を抑え『鬼滅の刃』がそれに近い高成績で今週末の堂々ナンバー1ヒットを果たしました。

 実は今回の成績は邦画の北米興行の結果としても最大のもの。現在邦画の北米における興行成績第1位となっているのは、日本では1998年に公開され北米ではその翌年に公開された『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』の約8,500万ドル(約124億円)。『鬼滅の刃』の今回の数字はそれにわずか3日で迫る結果であり、オープニング記録としては既に邦画史上最大。最高興行収入記録としても更新される可能性が高い大成功となりました。

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◆『ポケモン』人気をついに超える近年の邦画のポテンシャルの高まり

 この『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』(以下、『ミュウツーの逆襲』)の記録に迫る意味は、実はかなり大きいと言えます。

 同作はまさに『ポケモン』ブームが到来した真っ只中に公開された作品で、当時でも邦画でチャートの首位を獲得するというのは前代未聞の事態でした。邦画の成績としては当時はジブリ作品やほかのアニメ作品が1,000万ドル台(約14億円)を記録するだけでも快挙だったので、その何倍もの成績を残した『ミュウツーの逆襲』は圧倒的。この記録を超えることは、キャラクター人気の大きさも踏まえて長らく“不可能”と思われていました。

 そんな時代から変化が起き始めたのは、まさに近年になってきてから。配信サービスなどの普及などもあり日本のアニメーション作品が人気が台頭し始めてからです。

 『ドラゴンボール超』シリーズや『劇場版 呪術廻戦0』といったTVアニメシリーズが既に人気を博していた作品の劇場版が興行成績3,000万ドル台(約43億円)、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』やジブリの『君たちはどう生きるか』、そして実写作品でも『ゴジラ-1.0』といったタイトルが約5,000万ドル(約73億円)級の大ヒットを果たして、急激に邦画の成績が向上してきていました。日本の作品への評価の兆しは既に見えていたとはいえる一方で、それでもやはり『ミュウツーの逆襲』の記録を超えるにはさらに3,000万ドルを稼ぐ必要があるという大きな差があったわけです。

 それほど難攻不落ともいえる成績を残していた『ポケモン』の記録についに手をかけようとしているのが、今回の『鬼滅の刃』最新作。それなりに『鬼滅の刃』の人気の高さは前作の劇場版の結果からも予想はされていましたが、まさかのそれを大幅に超える結果を既に残しているという点でこの結果は“驚き”なのです。

 こうして見ると注目は『鬼滅の刃』単体の人気に限らず、邦画──とりわけ日本のアニメーション作品が徐々に成績を伸ばしていることです。

 今回の劇場版シリーズはまだ第一章ということで、『鬼滅の刃』の今後公開されるであろう劇場版の成績に既に期待がかかるのはもちろんのこと、そのほかの海外で人気の日本のTVアニメシリーズであっても劇場版が公開されていけば、近年の成績のアベレージの高さからいって、かつての邦画よりもどんどん高い成績を残していく可能性はあるでしょう。

 『鬼滅の刃』が切り開いたこの快挙は、もしかすると『鬼滅の刃』自体の台頭だけでなく、日本のアニメーションの海外発信における大きな節目となっていくかもしれません。

〈文/ネジムラ89〉

《ネジムラ89》

アニメ映画ライター。『FILMAGA』、『めるも』、『リアルサウンド映画部』、『映画ひとっとび』、『ムービーナーズ』など現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。映画『ミューン 月の守護者の伝説』や映画『ユニコーン・ウォーズ』のパンフレットにライナーノーツを寄稿するなどその活動は多岐にわたる。noteでは『アニメ映画ラブレターマガジン』を配信中。X(旧Twitter)⇒@nejimakikoibumi

 

※サムネイル画像:『「劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来」第3弾キービジュアル (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable』


『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 』第一章 猗窩座再来 公式サイト

(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

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