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※この記事にはアニメ・原作漫画『鬼滅の刃』のネタバレが含まれます。ご注意ください。

※本記事はアニメ・原作漫画『鬼滅の刃』に関するライター個人の考察・見解に基づくものであり、公式の設定や見解とは異なる場合があります。

 猗窩座との死闘の末、炎柱・煉獄杏寿郎の右頬に浮かんだ謎の痕──それは「痣」なのか、それとも「血」なのか。長らくファンの間で議論が続いてきたこの問いに、ついに作中の言葉が答えを出しました。その真相と、なぜ煉獄に痣が発現しなかったのかという深い考察を紐解いていきます。

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◆右頬の痕は「痣」か「血」か──噂の発端

 煉獄に痣が発現していたとする噂が広まったのは、猗窩座との激闘の場面がきっかけです。

 煉獄は左目を負傷し、肋骨を砕かれて内臓まで傷つけられるという瀕死の重傷を負いながらも、責務を全うすべく炎の呼吸の奥義「玖ノ型・煉獄」を放ちました。猗窩座をあと一歩のところまで追い詰め、そして穏やかに息を引き取った──その一連の流れの中で、奥義を繰り出す直前、それまで描かれていなかった痣のような痕が右頬に浮かんでいたのです。

 この描写を見たファンたちの間で「煉獄さんにも痣が出現したのでは」という考察が生まれ、長きにわたって議論が続いてきました。

 しかし、「柱稽古編」にてお館様の妻・産屋敷あまねが「竈門炭治郎様 彼が最初の痣の者」と明言しています。この言葉により、煉獄の頬に浮かんだものは痣ではなく血であったと判断するのが自然でしょう。

◆単独で上弦を追い詰めた男に、なぜ痣が出なかったのか

 上弦の鬼・猗窩座を一人で追い詰めた煉獄の実力は、疑いようがありません。それほどの剣士に痣が発現しなかったのはなぜでしょうか。

 鍵を握るのは「無限列車編」の時点で、炭治郎がまだ痣を発現させていなかったという事実です。「柱稽古編」でのあまねの言葉によれば、「痣の者が一人現れると、共鳴するように周りの者たちにも痣が現れる」とされています。つまり、痣の発現には“最初の一人”が必要なのです。

 その“最初の一人”のヒントは、「遊郭編」で炭治郎に届いた父・槇寿郎の手紙にあります。「日の呼吸の選ばれた使い手は君のように生まれつき赤い痣が額にあるそうだ」という一文から、日の呼吸の使い手こそが痣発現の引き金になると読み取れます。

 始まりの呼吸の剣士たちが活躍した時代には日の呼吸の使い手が存在し、その痣に共鳴して全員に痣が発現したと考えられます。しかしその後、日の呼吸の継承者が途絶えたことで、痣を発現できない時代が続いたのでしょう。

 炭治郎が痣を発現させたのは「遊郭編」のこと。その後「刀鍛冶の里編」では炭治郎に共鳴して時透無一郎や甘露寺蜜璃が痣を発現させました。「無限列車編」の時点では炭治郎はまだ痣に至っていなかったため、煉獄の痣も発現しなかったというのが、最も筋の通った考察といえます。

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◆炭治郎にとっての「火種」だったからこそ

 もう一つ、ファンの間で語り継がれている視点があります。それは、煉獄の役割は“痣を発現させること”ではなく、“炭治郎の心に火をつけること”だったというものです。

「遊郭編」で堕姫と対峙した炭治郎は苦境に立たされたとき、「燃やせ 燃やせ!! 心を燃やせ!!!」という煉獄の言葉を思い浮かべて奮い立ちました。「柱稽古編」では自身の刀に煉獄の鍔をつけてもらい、その思いをつなぎ続けています。

 「無限列車編」での出会いがなければ、炭治郎が痣を発現させるほどに成長できたかどうかも定かではありません。煉獄は痣を持たずして炭治郎を動かし、結果として後に続く柱たちの痣発現の遠因にもなったといえるかもしれません。

 

 ──痣を持たないまま散った炎柱・煉獄杏寿郎。しかしその生き様と言葉は、炭治郎を、そして読者をも今も燃え続けさせています。

〈文/士隠カンナ〉

《士隠カンナ》

1990年〜2000年代に放送されたアニメに中学・高校の頃にどっぷりとハマり、その後フリー編集・ライターに。主にアニメ・漫画のムック本のブックライターとして活動中。最近のマイブームはもっぱら『ちいかわ』。

 

※煉獄杏寿郎の「煉」は「火」+「東」が正しい表記となります。


※サムネイル画像:Amazonより 『Blu-ray「テレビアニメ「鬼滅の刃」無限列車編」第1巻 (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable 』

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