<この記事にはTVアニメ『キン肉マン』完璧超人始祖編のネタバレが含まれます。ご注意ください。>

『キン肉マン』では、実は正義超人が反則している場面が時折登場。ラーメンマンが試合前に敵を闇討ちするなどがそれにあたります。また、この漫画では、唐突に超人が生き返るなど暗黙のルールが存在するのも特徴です。

◆正義超人の反則行為

 アイドル超人とも呼ばれる正義超人が、意外にも卑怯な手を使って試合に勝利してきたことはあまり知られていないでしょう。

 正義超人という名前に反して、彼らは作中でどのような不正をして、敵チームに勝ってきたのでしょうか?

●反則ギリギリ?テリーマンとロビンマスクがまさかの参戦──「マリポーサ戦」

「キン肉星王位争奪編」のマリポーサ戦では、メンバー表に名前のないテリーマンとロビンマスクがミートのピンチを救うという反則ギリギリの行動に出ました。

 5試合目でミートが負けた時点でキン肉マンチームの敗北が決まるはずでしたが、遅れてやってきたテリーマンとロビンマスクが割って入って敗北寸前のミートを助けます。

 彼らはそのまま参戦しようとしますが、これには王位争奪戦を取り仕切る審判委員会から、メンバー表にない超人は出場できないと待ったがかかりました。

 しかし、キン肉マンは、事前にメンバー表にテリーマンとロビンマスクの名前を特殊な方法で書いており、メンバー表を開いた瞬間、照明の熱で2人の名前があぶり出されるように仕組んでおいたのです。

 そして、この反則ギリギリの方法で2人の参戦は認められました。

●試合前にラーメンマンが敵を試合前に奇襲!──「ゼブラチーム戦」

 「キン肉星王位争奪編」のゼブラチーム戦では、ラーメンマンがバイクマンを試合前に奇襲するなど、反則を通り越して卑怯な行為が見られました。

  ゼブラチーム戦では、先鋒戦がなぜか2回あります。というのも、本来の先鋒戦はミートとザ・マンリキの戦いのはずでした。この先鋒戦では、ザ・マンリキが一方的にミートを痛めつけていたため、そのままいけばザ・マンリキが勝っていました。

  ところが、超人墓場から復活したウォーズマンが乱入。ミートがまだ負けていないからOKという認識なのか、先鋒交代という形で代わりに戦い、マリポーサ戦であったメンバー表にない超人は出場できないというルールは有耶無耶にしてしまいます。

  さらに、この試合の前には、ラーメンマンがバイクマンを奇襲。バイクマンに変装してゼブラチームに潜り込み、試合中ピンチになったキン肉マンチームを助けます。そして、あろうことか、ラーメンマンは正体がバレたあと当然のようにキン肉マンチームに参戦しました。

  メンバー表にないウォーズマンが参戦するまではまだ許せますが、奇襲は不正を通り越して卑怯といえるでしょう。

詳しく読む⇒『キン肉マン』正義超人が「反則をしていた」ってホント?

◆『キン肉マン』2つの暗黙のルール

『キン肉マン』はテコ入れによる路線変更があったため、最初にあった空を飛んだりビームを出したりする設定がその後のプロレスでの戦いで邪魔になり、特殊なルールが生じています。また、超人だけあって人間を超越した不思議な現象を引き起こすこともしばしば。

 次の2つはアニメ『キン肉マン』完璧超人始祖編を観るうえで知っておきたい、超人プロレスの暗黙のルールです。

●どんな凶悪な超人でも従う暗黙のルール

 超人は空を飛べる設定ですが、マッスルスパークやロビン・スペシャルなど相手を空中に投げてかける技を飛んでかわすことはタブーとなっています。

 試合中に空が飛べてしまうと多くの技が成立しなくなるのでこのルールは当然ですが、ミート君の身体をバラバラにして人質にとったり、負けた味方を平気で処刑したりする凶悪な超人でもこのルールには従います。

 ただし、空を飛ぶ設定そのものがなくなったわけではありません。夢の超人タッグ編で敗れたネプチューンマンは、宇宙から地球にやって来ていた仲間の完璧超人たちを撤退させるため、空を飛んで空中で自爆しています。

 また、ザ・ホークマンやペンタゴンといった羽を持った超人は、試合中でも飛ぶことを許されています。いずれもキン肉マンに敗れており、キン肉バスターやキン肉ドライバーなど相手を掴んだ状態で空中に跳び上がり、ホールドしたまま落下する技に対しては羽を持っていても飛んで抗うことはできないようです。

 また、ペンタゴンがウォーズマンに負けたときは、羽をちぎり取られてしまいました。しかし、ロビン・スペシャルのように単純に相手を空中に放り投げて仕掛ける技の場合、彼らなら飛んでかわせるのでかなり有利といえるでしょう。

 もちろん当初あったキン肉マンがスペシウム光線のようなビームを出したり、アイスラッガーのようにマスクのトサカを飛ばしたりすることもなくなっています。これは試合が基本的に超人委員会の管理下で行われるため、空を飛ぶことをはじめこのあたりの技については使わないようにルールを徹底しているのでしょう。

 ただ、ルール無用の悪魔超人や残虐超人たちが、空を飛ばないルールに素直に従うのは不思議ではあります。この技をくらったら死ぬというときでも、空を飛んで技をかわさないルールを決して破らないのは超人としての誇りの高さゆえでしょう。

 しかし、ミート君の身体をバラバラにして人質とする非道な行為は許容しておきながら、決して空を飛んで技をかわすことは許さない超人委員会こそ、不思議な倫理観を持つ組織といえるかもしれません。

●超人は理由もなく生き返って来る

『キン肉マン』は命をかけた熱い戦いが見どころであるため、超人が死ぬことは珍しくありません。しかし、命を落としたはずの超人が何の理由もなく、ひょっこり再登場することがよくあります。

 ロビンマスクは突っ込んで来た飛行機からキン肉マンをかばって下敷きになり、その後谷底に落ちて死んだと思われました。しかし、バラクーダというキャラクターになって再登場。

 そして、彼は飛行機に突っ込まれて谷底に落ちたときの負傷で二度と戦えない体となっていました。そのため、ウォーズマンを戦闘マシンに育て上げてキン肉マンへの復讐を果たそうとします。

 ところが、7人の悪魔超人との戦いでは普通にロビンマスクは、アトランティスと試合をしていました。さらに、この戦いで負けると今度は本当に死んでしまいます。

 しかし、7人の悪魔超人との戦いで敗れて死んだウォーズマン、ロビンマスク、ウルフマンはバッファローマンから超人パワーを分けてもらって生き返りました。

 死んでいたはずの超人が生きていた、パワーを分けてもらうなどして復活したというのは漫画ではよくあるので不思議なことではありません。

 しかし、その後はキン肉マンに負けて死んだブラックホールが、しれっとペンタゴンとコンビを組んでタッグトーナメントに出場。ジャンクマンの針で串刺しになって死んだザ・ニンジャも、王位争奪戦で普通にキン肉マンソルジャーチームの一員として参加しています。

 このように最初こそ超人たちが生き返った理由が描かれていましたが、途中からは特に理由もなく、当たり前のような顔で再登場している超人も多いです。

 そのため、死んだと思っていた超人がひょっこり現れても過剰なリアクションは取らず、作中のキン肉マンたちと同じく、死んだという事実はなかったかのように迎えてあげましょう。

詳しく読む⇒「子供を人質」より許されないNG行為とは? 『キン肉マン』4つの暗黙のルール

〈文/アニギャラ☆REW編集部 @anigala01

 

※サムネイル画像:Amazonより

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