<この記事にはTVアニメ『キン肉マン』完璧超人始祖編のネタバレが含まれます。ご注意ください。>

 この夏、TVアニメ『キン肉マン』完璧超人始祖編が放送された『キン肉マン』には、忘れられた設定がいくつかあります。テリーマンやバッファローマンは実は……。また『キン肉マン』には、漫画よりもアニメのほうが過激なトラウマシーンもあるのが特徴です。

◆『キン肉マン』の忘れられた2つの設定

『キン肉マン』ではザ・テリーマン(以下、テリーマン)の義足など、ストーリーに絡む重要な設定がいつの間にかなくなっていることがあります。

 ただ、これらの設定の中には『キン肉マン』完璧超人始祖編で復活したり、謎が明らかにされたりしたものも。

●完治ではなく進化していた──テリーマンの義足

 テリーマンはキン肉マンをねらっていたキン骨マンの凶弾によって膝を撃ち抜かれたため、左脚が義足となっています。その後は戦いの中で義足が取れたり、ニードロップを自爆して酷く痛がったりするがシーンがありましたが、いつの間にか義足設定に触れられることがなくなりました。

 そのため、ファンの間で浮上したのが黄金のマスクと銀のマスクが合体したときにテリーマンの足は治療されていたのではないかという考察です。しかし、完璧超人始祖編のジャスティスマン戦で義足設定の謎が明らかになります。

 キン肉マン曰く、テリーマンの義足は本来の足と変わらない機能性を持つものに改良されているとのこと。さらに、この義足の製作者であるバックランド爺はすでに亡くなっているので、壊れてしまったらもう替えは手に入らないそうです。

 このため、TVアニメ『キン肉マン』完璧超人始祖編の第0話でテリーマンの義足について触れられており、『キン肉マン』公式Webサイトにも「第20回超人オリンピック開催中に銃撃を受けて左脚を失って以降、義足を用いて闘う」とあります。

 ジャスティスマン戦で久しぶりに義足の話が出たときには、多くのファンがこの設定ってまだ生きていたんだと驚いたことでしょう。それもそのはず、呪いのローラーで片手を失ったジェロニモに義手設定はなく、体をバラバラにされて死んだウルフマンは生き返ったときに五体満足で復活しています。

 特に死亡した超人が復活したときには基本的に体も元通りになっているので、テリーマンも1度死んで復活すれば左脚の問題にも悩まされずに済むかもしれません。

●触れてはいけない黒歴史──バッファローマンの光速移動とカツラ設定

 バッファローマンは1000万パワーから1パワーまで自在にコントロールでき、それとは別に0パワーにすることで体を身軽にし光速で動けるという設定もありました。

 しかし、光の速さで移動できるというのはさすがにとんでも設定だったせいか、最初に披露して以来、バッファローマンがこの技を見せることはなかったです。

 0パワーにするリスクがあるため、キン肉マン相手に見せたように逃げようとする相手の先回りをするようなシチュエーションでしか使わないのかもしれません。しかし、リスクを差し置いても、相手の技をかわすときに使えばかなり有利に戦いを進められそうです。

 また、バッファローマンは悪魔将軍を裏切って立ち向かったときに、おもむろにカツラを取るという衝撃の行動を見せました。当時、バッファローマンがカツラだったという事実に驚いた読者も多かったでしょう。

 光速移動と同じように、このカツラ設定もそれ以降は出てきません。しかし、悪魔超人だったバッファローマンが正義超人に入るため、禊として丸坊主にしてカツラを被っていた可能性も考えられます。戦っていてもカツラが取れそうになる様子はないので、今は自分の毛となっているのかもしれません。

詳しく読む⇒テリーマンやバッファローマンは実は……『キン肉マン』の忘れられた4つの設定

◆『キン肉マン』の2つのトラウマシーン

『キン肉マン』では特に初期の頃、超人同士の戦いで体を2つにされたり、首をもがれたりといった衝撃のシーンが多くあります。

 その中にはアニメで放送するにあたって、マイルドな表現にしたはずなのに、むしろより過激になっていると話題となった伝説的なシーンも。

 次の2つは『キン肉マン』の中でも、当時の少年たちにトラウマを与えかねなかったシーンです。

●アニメではラーメンにされるブロッケンマン

 第20回超人オリンピックでブロッケンマンがラーメンマンとの対戦で胴体を真っ二つにされたシーンはあまりにも有名で、キャメルクラッチの恐ろしさがキン肉マンや読者の脳裏に刻まれました。アニメではさすがに残酷過ぎるということで、このシーンは改変されています。

 しかし、ラーメンマンはキャメルクラッチで二つ折りにしたブロッケンマンを麺棒で平たく伸ばすと、ラーメンにして食べてしまいました。あくまでギャグ演出だったのでしょうが、原作よりアニメのほうが子供たちにトラウマを与えるこのシーンは今でも伝説として語り継がれています。

 ブロッケンマンも過激さではラーメンマン、カレクックと並ぶ超人です。毒ガス攻撃をはじめ非道なことをしていたので、この結末は自業自得な面もあります。

 しかし、ラーメンにして食べられるというのは、あまりにショッキングな最後でした。アニメのこのシーンのインパクトが強すぎて、ブロッケンマンの最後といえば原作の真っ二つよりも、ラーメンにされて食べられた記憶が強く残っているファンも多いのではないでしょうか。

 なお、1985年にバンダイから発売された『キン肉マン マッスルタッグマッチ』の海外版では、日本版で使えていたブロッケンマンがジェロニモに変わっています。さすがにドイツの超人で毒ガス攻撃などはコンプラとして許されるはずがなく、ジェロニモに差し替えられたのでしょう。

●動物虐待のミキサー大帝

 ミキサー大帝は名前の通りミキサーの超人ですが、体の中に入れた物をミンチ状態にするのではなく、その実態はパワー分離器です。それを実演するために犬を実験体として、生き物の身体を傷つけることなく骨だけを抜き取るという、動物虐待としか言いようがない残酷な行為を見せつけました。

 アニメではさすがに犬を使わずに、鉄筋コンクリートを鉄筋とコンクリートに分けるという形で実演しています。この技によってキン肉マンから火事場のクソ力を分離して、ミキサー大帝は勝利しました。

 そんなことをする前に、犬を使った実演のようにキン肉マンの体と骨を分離できなかったのか疑問はあります。ただ、ミキサー大帝は火事場のクソ力を分離するのに邪悪五神の助けを借りているため、キン肉マンの体と骨を分離するまでの力はなかったのでしょう。

 また、キン肉マンは中堅のミキサー大帝の前にザ・ホークマン、ミスター・VTRと戦っており、ボロボロの状態でした。しかも、ミスター・VTRの邪魔がなければ、先にキン肉ドライバーで負けていたのはミキサー大帝です。

 多くの手助けを受けていたとはいえ、ミキサー大帝はキン肉マンに勝利した数少ない超人として有名です。このインパクトのせいで忘れられがちですが、原作で犬にした仕打ちもかなりインパクトの強い行動だったといえるでしょう。

詳しく読む⇒「グロ注意!」「アニメのほうが過激?」……『キン肉マン』4つのトラウマシーン

〈文/アニギャラ☆REW編集部 @anigala01

 

※サムネイル画像:Amazonより

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