2023年に公開された映画の続編『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』が2026年4月24日に公開が決まっているなど、話題に事欠かない『スーパーマリオ』シリーズ。
そんなマリオの職業は配管工として知られていますが、実は、はじめから配管工として活躍していたわけでなく、「ある職業」から突然転職したことが、マリオを生み出した任天堂の宮本茂氏が明かしています。マリオの前職とはいったいどのようなものだったのでしょうか──?
◆マリオの意外すぎる前職とは?
マリオが初めて登場したのは、1981年のアーケードゲーム『ドンキーコング』。しかしその当時、マリオの正式な名前は決まっておらず、「ジャンプマン」「ミスター・ビデオゲーム」といった通称で呼ばれていました。
マリオの生みの親である任天堂の宮本茂氏は、任天堂公式Webサイトに今でも掲載されている「社長が訊く『New スーパーマリオブラザーズ Wii』」というインタビュー記事の中で、「僕は『ミスター・ビデオ』と呼んでいました。自分のつくるビデオゲームに全部こいつを使おうと思ってましたので」と語っています。
当時のマリオは16×16ドットで描かれており、宮本氏は「鼻を描いてヒゲを描いたら口かヒゲかわからないので、そこでドットは稼げる。髪の毛を描ききれないので、帽子をかぶせた」と説明。
さらに腕の動きを分かりやすくするため、オーバーオールを着せることに。『ドンキーコング』の舞台は建築現場だったため、「もうこれは大工さんと呼ぶ以外にない」と、マリオは当初「大工」として設定されていたことを明かしています。
一方、「マリオ」という名前はどう決まったのでしょうか。宮本氏は同インタビューで、「『マリオ』という名前はNOA(Nintendo of America)の人がつけてくれた」と語っています。
複数の大手Webメディアのゲームライターの手掛けたコラム記事などによれば、1982年の『ドンキーコングJR.』で初めて「マリオ」という個人名が与えられ、シアトルの倉庫オーナー、マリオ・セガール氏から取ったと説明していることが多いですが、制作サイドが当時を振り返って語ったわけではないため、あくまでも一説として捉えたほうがよいでしょう。
現在のマリオの職業は「配管工」ですが、なぜマリオは大工から配管工へ職替えをしたのでしょうか。
任天堂公式Webサイトの「マリオポータル」にも、2025年12月現在、「職業は配管工」と明記されています。
この設定ですが、1993年公開の実写映画版『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』から定着したもの。『ドンキーコング』時代の「大工」から、いつの間にか「配管工」へと転職していたというわけです。
──このほかマリオは大工や配管工以外に、作品によっては医者やレーサー、はたまたテニスの審判員などさまざまな職業を経験しています。これは、あくまでも作品の舞台設定によるもので、本業は配管工であり、副業として捉えたほうがよいかもしれません。マリオが副業をしていると考えると、急にリアル感が醸し出され、笑いが出てきてしまいます。
今後も『スーパーマリオ』シリーズはさまざま展開をしていくでしょう。そのことを踏まえると、今後も配管工以外の職業につくマリオの姿が見られるかもしれません。
〈文/コージ 編集/相模玲司〉
※サムネイル画像:Amazonより 『「New スーパーマリオブラザーズ U デラックス」(販売元:任天堂)』


