『スーパーマリオ』に登場するヨッシー。マリオを乗せて走る緑色の姿から「恐竜」と認識されていますが、実は開発者が明かした意外な設定がありました。そこには、ヨッシー誕生の知られざる秘話が隠されています。
◆開発者が明かした「ヨッシーの本当の正体」
ヨッシーが初登場した『スーパーマリオワールド』は、1990年11月21日にスーパーファミコンと同時発売されたタイトルです。
ヨッシー誕生の裏話は、任天堂公式Webサイトに掲載されている「「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」発売記念インタビュー 第5回「スーパーマリオワールド + ヨッシーアイランド篇」」(2017年9月28日公開)で確認できます。
ヨッシーの原案は、宮本茂氏による「マリオの乗り物(馬)」という設定でした。ディレクターの手塚卓志氏は当時を振り返り、「宮本が『マリオを馬に乗せたい』と言ってまして。たぶん馬が好きなんだと思います」と語っています。『スーパーマリオブラザーズ3』の開発中、宮本氏はマリオが馬に乗った絵を描いて自分の席の壁に貼っていたそうです。
『スーパーマリオワールド』の舞台は「恐竜ランド」というコンセプトでした。そこで手塚氏は、デザインを担当した日野重文氏に爬虫類系の絵を描いてもらうことにします。
日野氏は「はじめは『馬』というキーワードがありましたので、かなりデカいものだろうと想像して、とりあえず大トカゲみたいな生き物を描いてみたんです」と当時を振り返ります。
最初のデザインは「ワニみたいなやつ」だったそうで、現在のヨッシーとは大違いでした。2人で相談しながら手探りで原型を模索し、手塚氏が描いたラフスケッチをもとに、今のヨッシーの姿が完成しました。
ここで驚きの設定が明かされます。手塚氏は「わりとそこは早かったですね。で、僕が強引に設定したんです。『これはカメの仲間だ』って」と語っています。恐竜ではなく「カメ族」として設定されたというのです。
さらに、ヨッシーの背中にある赤い部分について、野上恒氏は同インタビューで「コウラなんですよね。僕が入社してからも、手塚はかたくなに『あれはコウラだ』と言い張ってましたし」と明かしています。多くの人が「鞍(サドル)」だと思っているあの部分は、実は「甲羅」だったのです。
恐竜のような見た目、恐竜ランドという舞台設定から「恐竜」と認識されているヨッシーですが、開発者の設定では「カメの仲間」であり、背中にあるのは「甲羅」という事実。この意外な設定に、ファンの間でもインタビュー公開当時、X(旧Twitter)などのSNSで驚きの声が上がっていました。
──マリオの頼もしい相棒として親しまれているヨッシーに、こんな「カメ族」としての設定があったとは驚きです。「馬」から「大トカゲ」を経て、最終的に「カメの仲間」になったという開発秘話。ヨッシーの誕生には、開発者たちの試行錯誤と遊び心が詰まっていたのです。
〈文/コージ〉
※サムネイル画像:任天堂Webサイトより 『「スーパーマリオワールド」キービジュアル (C)Nintendo』


