写輪眼はその強さゆえに、カカシを「コピー忍者のカカシ」として他里からも恐れられる存在にしました。しかし、それはカカシに力を与える武器であると同時に、本来の才能を封じた呪いのような存在だったのかもしれません。写輪眼を持たなかったら、彼はより強い忍になっていたかもしれません。

◆カカシはもともと優れた才能を持っていた

 伝説の三忍すら霞む天才忍者と呼ばれた、はたけサクモの息子として生まれたカカシ。アカデミー入学後は父譲りの天才ぶりを見せ、1年で卒業しました。その翌年には中忍試験に合格。12歳で上忍になる という、並外れた経歴の持ち主です。

 あのうちはイタチが7歳でアカデミーを卒業、10歳で中忍 になったことを踏まえると、カカシの早熟ぶりは際立っています。血継限界を持たない忍としては極めて異例のスピードであり、彼の生まれ持った戦闘センスが優れていた証拠です。

 つまり、カカシは元々持っていた才能だけでも十分に強く、写輪眼がなかったとしてもオリジナルの技を磨き、独自の戦闘スタイルを確立することで最強クラスの忍になった可能性が十分にあります。

◆写輪眼によるスタミナ不足とコピー技に頼る戦術がオリジナル忍術習得を妨げた?

 写輪眼の最大のデメリットは、うちは一族以外の者が使うとチャクラ消費が激しくなることです。

 カカシは、写輪眼によって強力な力を得ましたが、代償として膨大なチャクラを消費し、大きな負担を伴いました。

 特にカカシは生まれつきチャクラ量が多いタイプではなく、写輪眼の使用によるスタミナ切れに悩まされる場面が多々ありました。

 たとえば、波の国編での戦いでは、カカシは鬼人・再不斬との戦闘で写輪眼を使ったあと、消耗して1週間ほど動けなくなりました。さらに疾風伝では、 神威を使うたびに大量のチャクラを消費し、戦闘継続できなくなる場面が多く見られます。

 またコミックス27巻では、カカシがミナトに未完成ながら千鳥を披露する場面があります。写輪眼を得る前は、カカシが熱心にオリジナルの忍術の開発に取り組んでいた証拠です。しかし、写輪眼を手に入れてからは、コピーした術を組み合わせる戦法が中心となっていきました。

 『NARUTO-ナルト-』の世界では、螺旋丸のように強力な技を持っていることが、戦闘において非常に強いアドバンテージとなります。もし写輪眼がなければ、カカシは忍術の修行に十分な時間を費やし、オリジナルの忍術の開発に注力できたはずです。

 その結果、さらに強力な忍術を編み出し、独自のスタイルを確立していた可能性は十分に考えられます。

◆敵の技を見切れることで体術修行が疎かに?

 写輪眼の「コピー能力」により、カカシは1000種類以上の忍術を習得したとされています。その中でも、彼の代名詞とも言える技が「雷切」です。この技は、写輪眼を持つことで「攻撃を見切りながら高速で突進する」という戦法ができるようになり、強力な必殺技へと昇華しました。

 しかし、写輪眼によって敵の攻撃を見切って回避できるようになったことで、カカシは体術の修行を疎かにしてしまった可能性があります。

 彼の親友であるマイト・ガイが、純粋な体術のみで戦うスタイルを極め、八門遁甲を習得したのに対し、カカシは写輪眼による回避能力に頼り体術の訓練をガイほど徹底して行わなかった可能性があります。

 もしカカシが写輪眼を持たず、体術の鍛錬により力を入れていたら、マイト・ガイに匹敵する体術能力を身につけ、体術・忍術・戦術の三拍子そろった「真の最強忍者」として名を馳せていたかもしれません。

◆戦術的柔軟性の欠如とその代償

 写輪眼は、敵の技を見切り、即座に対応する能力を与えました。

 この能力によって、戦闘中に相手の戦術を先読みし適切に対処することを可能とし、戦いを有利に進めることができました。しかし、その「見切る力」に依存しすぎた結果、カカシは戦術的な柔軟性を欠いてしまったのではないでしょうか。

 コミックス38巻の角都戦の後、サクラに「病院で寝込まないなんて珍しいですね」と言われるほど、戦闘のあとに寝込むことがお約束になっていたカカシ。サクラの言葉に対しても、「万華鏡写輪眼を使わずに済んだからな。あの時お前たちが駆けつけてくれなかったら、また確実に使っていた」と答えています。この言葉は、彼が写輪眼に頼り、場当たり的な戦い方をしていたことの証左といえます。

 もし写輪眼がなければ、カカシは場当たり的な対応だけでなく事前に敵の特性を分析し、より計画的に戦闘を組み立てていたことでしょう。

 このようにカカシは、写輪眼に頼ることで瞬時の対応はできても、冷静な判断や戦略的な成長の機会を失っていたと考えられます。

 もし写輪眼なしで戦っていたなら、より持続的で多様な戦闘スタイルを確立し、さらに優れた忍になっていた可能性も十分にあり得ます。

 

 ──今では写輪眼を失い、6代目火影も引退し、隠居の身となったカカシ。しかし『BORUTO-ボルト-』の世界では、写輪眼なしでも雷切を使えるように改良した「紫電」を見せるなど、術の修行を継続している様子が描かれています。今後、写輪眼を持たずとも、忍としての実力をさらに高めていくカカシの姿が描かれることはあるのでしょうか。

〈文/鷹野あやね〉

 

※サムネイル画像:Amazonより

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