うちはフガクは、TVアニメ『NARUTO -ナルト- 疾風伝』で、万華鏡写輪眼を開眼していたことが明かされました。しかし、彼は最強クラスの瞳術を開眼しながらも、作中で多くを語りませんでした。彼の沈黙の裏には、息子のサスケとイタチへの誇りと愛情が隠されていたのではないでしょうか。

◆実は万華鏡写輪眼を開眼していた?──アニメ第452話の衝撃

 うちは一族に伝わる写輪眼は、感情の揺れ動きによって進化する特殊な瞳術です。中でも万華鏡写輪眼は、親しい者の死をきっかけに開眼するとされており、イタチやサスケ、マダラなどの強者が使用してきた力として知られています。

 TVアニメ『NARUTO -ナルト- 疾風伝』第452話では、フガクが万華鏡写輪眼を開眼していたという描写が登場します。これは原作では描かれていないアニメオリジナルの設定ですが、ファンの間では広く認識されている要素です。

 フガクはこの力について、息子のイタチを含め周囲に一切語ることなく沈黙を貫きました。仮に彼がこの力を使えば、うちは一族の反乱計画においても大きな抑止力となった可能性もあります。

 それでもフガクは、この力を表に出すことなく、最後まで戦うことすら選びませんでした。

◆沈黙に潜む父の息子たちへの誇りと愛情

 一見すると厳格で冷淡にすら見えたフガクですが、のちに描かれたシーンからは、サスケを“誇りに思っていた”感情が見えます。

 サスケが忍者学校で1位になった際に発した「お前にも才能があるようだな」というセリフは、うちは一族における最大級の賛辞でもあります。

 言葉で多くを語らないフガクの態度は、決して無関心ではなく、むしろ「言葉では語れない愛情」を表現していたのだと解釈できます。

 また、フガクはサスケの寝顔を見つめながら「イタチのことを頼む」と言い残して命を落としました。そしてイタチにも、「お前を誇りに思う」と告げています。これは長男イタチへの最大限の肯定であると同時に、“一族を守りたかった”という共通の願いが、親子で共有されていたことを示すセリフでもあります。

◆語られない力と誇りが「うちはの悲劇性」を際立たせる

 フガクは、万華鏡写輪眼を持ち、うちは一族を束ねる立場にありながら、自らの力をひけらかすことなく、また語ることもなく散っていきました。

 もし彼が、早い段階でこの力を用いて事態を収束させていれば、イタチの決断も、サスケの人生も大きく変わっていたかもしれません。

 それでも、フガクが沈黙を選んだのは、家族への想いと、一族の長としての誇りや覚悟があったからだと考えられます。

 結果として、サスケがイタチの真実を知り、父の愛情に気づいたとき、彼の復讐の物語は終焉を迎えました。

 フガクの無言は、決して無関心ではなく、愛と誇りに満ちた“沈黙の選択”だったといえるのではないでしょうか。

〈文/anri 編集/乙矢礼司〉

 

※サムネイル画像:Amazonより 『「NARUTO -ナルト-」第25巻(出版社:集英社)』

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